8月の暑さ
8月が全国的に暑かった。全国の101地点で気温がそれぞれの地点での観測史上最高を記録した。では小田原もそうだったかというと。暑いことは暑かったが、それほどでもなかったのだ。過去4番目に暑かった夏だ。一番暑かった日が、8月22日の34、9度と言う事になる。一番暑かったのは1995年だ。覚えている。極端に暑い夏があった。その頃は涼しい山北の山の上に住んでいたのだが、熱帯夜になった唯一の年だ。農業をやると言う事はデーターの蓄積が大切。過去データーと今年の予測とで、あれこれ原因結果を考える。これが面白いのだ。だから、気象庁のデーターは実に参考になる。8月の雨は少なかった。8月としては6番目に少ない66ミリだ。後半に少し降ったので、この数字になったが、暑い最中は、全く雨が無かったので、これは今後の参考になる。つまり8月雨が全く無くても、足柄平野は全く水不足にならない。
足柄平野は他にはない、暮してゆく上では、基本的な要素に恵まれている、重要な材料だと思う。我が家の2つの井戸も枯れるようなことはなかった。7月にはこれまた豪雨があった。この豪雨は時間雨量60ミリと言う過去には全く無かった数値だった。月降水量としても、今年の7月は570ミリで過去4番目の多く雨が降った。久野の山地では崖崩れが頻発した。小さな崩落はかなりの数あった。これは今後記憶しておかなくてはいけない。いずれにしても極端から極端へが気象の傾向だ。
小田原市に問い合わせた所、60ミリの豪雨の後、見回りをしていない。地域の自治会長さんは見て歩いてくれていた。わざわざ私の家の上の崖まで登って、崩落がないか確認されていた。舟原全体をずーと見て歩かれたようだ。私も崖から水の吹き出ている地点を確認して歩いた。おおよその観察だが、地形的に沢があった所に土を盛って、畑にしたような場所が、水が吹き出ていた。これからは、もっと強い雨が必ず来るわけだから、今まで、土砂災害が無かったとしても、大雨には注意が必要だ。加えて、昔は無かったと思われる、大風が吹く。竜巻なのではないかと思うのだが、風の向きがおかしい。海のほうから吹く風が大体に強風になるので、大木はそれに備えた形になっている。所が思わぬ方向から吹くもので、折れるはずのない大木が倒れている。
「自然農法の作物は気象の変化に強い。」などと1993年の夏の低温の後言われたが、これは間違いだと思う。自然農法の我田引水だろう。農薬や化学肥料は天候不順を補う為に、むしろ力を発揮する。自然に従う農法は自然の極端な変化には対応しきれない場合があれこれ出てくる。「植物の対応力の違い、予測力の違い、を引き出す。」と言う事も言われたが、そうした品種改良は出来るとしても、簡単なことじゃない。むしろ、長年の自然農法で自然に対する対応力、予測力が、耕作者に高まるのだと思う。常に気象に対する関心を持って、データーの蓄積をしてゆくこと。天候の予測ができると言う人がいる。自負している人には会うが、その予測が当ることは希。気象庁も長期予報の的中率は半分くらいしかない。半分じゃ、予測する意味がない。それぐらい難しいのが長期予報だ。