足柄の学校給食
地域農業の再生に、学校給食が重要では無いだろうか、と言う指摘があった。その通りだと思う。私も小田原の学校給食を考える会に入っている。この会では、学校給食の現状を調べた。
例えば、小田原の米飯給食が、週2回であること。このご飯は神奈川県の学校給食会から、炊飯したものを購入している事。これがパンより主食費として高くなる事。給食会はJA神奈川からお米を購入するが、産地については、混合してしまいわからなくなっている。
その他、いろいろのことがわかってきた。そこで、せめて全国平均の週3回の米飯給食実施を目指し、活動を始めた。これは食糧庁が以前には補助金を出したり、各自治体にアンケートをとったりして、何とか実現しようとしてきたことだ。また、JAの小田原も米飯推進を要望書として出している。これなら簡単に実現できると、動き出した。
JAと協力して進めようとしたが、何と拒否された。要望書まで出していながら、市民と共同して動く事を、避けたのだ。私も農協の一組合員であるが、こうした農協の姿勢には、全く失望している。
訳の分からない事が続出する。ご飯は製パン工場で炊いている。米飯給食への転換に際し、パン業者保護と言う事があるらしい。小田原では炊くところが、なくなる。シンプルに小田原市が、小田原農協から、お米を購入して、学校で炊飯し食べてもらう。これをすれば、随分安くなる。何故か、給食会が介在しないと、いけないことになっている。これは利権のようなもので、触らぬ神にたたりなしで、これに関わると、出来る事も出来なくなるなどと言う人も現れた。
全国には、炊飯器を各学校に置き、そこで炊いて、温かいご飯を食べてもらっているところもある。これなら子供達も、パンより美味しいと喜ぶ。ところが、小田原は調理そのものが、外注に成っていて、業者が作ると言うわけで、各学校にはそうした施設や、人の配置が無い。自校調理を止めて、センター調理にする。そしてセンターでの調理を、業者委託にする。こうした流れがあったのだ。遠く海老名のほうで炊いたご飯が届けられるのだから、味は落ちていた。
しかし、地域の農産物、水産物の利用が進められていないわけではない。サトイモ、アジハンバーグ、おでん、キュウイ。まだイベント的な利用で、散発的ではあるが、使ってゆこうという気持ちはある。地元のめだか米も給食で利用されたことがある。実は、お米の集荷は生産者別に積まれていて、今日は下大井の柏木さんのお米を、白山中学で食べます。こんなことが可能な状態で、鴨宮の低温倉庫に積まれている。
給食を考える会の代表のNさんがお産の為、活動が休止してきたが、先ずは、米飯給食を3回に、これはやらないといけないだろう。地域の農産物が、大切にされ、子供達の食事として学校で食べてもらえる事は、地域の生産者の気持ちが変わってくる。神奈川県では藤沢が一番給食問題の取り組みが進んでいて、食材を何処の誰が作ったものか、プリントが配られ、生徒は由来を知った上で食べられるようになっている。食べ物に大切なのは、物語だ。