久野里山作り 第3回勉強会
2016/08/08
昨夜、久野の区民会館で第3回里山作りの、勉強会があった。私は里山を再生するには、地域の農業が活性化するしかないという事を、繰り返し話させてもらった。同じことを言われる方は、何人か居たが、みなさん農業が盛んになることなど無い、と諦めてしまっていると言う事もわかった。
これは小田原市の農政課からの参加者ですら、「農業をこの地域で盛んにする事はできない。だから、環境問題として、市民的に、里山整備を行ってゆく。」こうした考えもあるのではないか、と言われていた。
久野という農業地域で、生業として農業を盛んにしてゆく事が、不可能なことだと、諦めてしまっている現実を、どう考えたらいいのだろうか。多くの方が国の農業政策、林業政策の誤りによって起きている、輸入製品偏重を言われていた。もちろん、私もそうだと思っている。
難しいのは、久野で農業は可能だ。この主張が、今、農業に携わってくれている人を、能力不足だと非難しているように受け取られることだ。もちろん、そんなわけはなく、今農業をされている人達は、すごい能力を持たれた、有能な方達だ。だから、こんな困難な社会状況にもかかわらず、農業を続けられている。
その人達を、どのようにバックアップするかが、里山再生には一番大切だ。その大きな骨格があって、その上で、何処の何をみんなで整備してみようか。と言うところに進まないと。里山作りが矮小化されてしまい。本質には迫れない。しかし、行政としては、そんなおおごとにしたくない、と言う気持ちがにじみ出ていた。どこかのため池でも、再生して、県知事にでも来てもらえば、仕事としては大成功。確かに象徴としては、それもある。しかし、里山作りの共通理念なく、ボランティアを受けいれる事は、大きな間違いにも繋がる。
私は久野の農業は可能だと考えている。私が知る限り、10名ぐらいの、すばらしい農業者が居る。その方達がやられていることを守り立てることが、久野の農業が活性化することになる。すでに、モデルはある。個人を守り立てることは、行政には出来ないだろうから。里山をキーワードに連携を深め、久野ブランドを作り出すことが、必要だ。
久野里山会で、里山の維持に貢献している田畑を認定する。そこでの農産物をブランド化し、販売協力する。具体的には、里山会認定の田んぼのお米は、全て買い上げて、有利販売をする。せいぜい現状では、田んぼ面積は10ヘクタールぐらいだろう。そこで販売にまわせるお米は、1割ぐらいのものだろう。4トン程度だろう。これを里山会で販売する。「このお米は、久野の里山を守る為に生産されています。」こう書く事が大切だ。
お茶もある。同じ販売方法で、有利販売が出来ることになる。同じことを、桑原のお米販売で行った。桑原のめだか米だ。「このお米を食べることが、小田原メダカを守ることになります。」このように販売した。こうした努力は、行政と住民の協力が会って始めて実現できることだ。これには農協や、生産組合や、行政の、協力が必要だ。この点に、是非行政は努力してもらいたい。
小田原の農業は、消費者が傍に居ると言う、極めて有利な条件がある。小田原の環境を守りたいと言う事は、市民共通の願いで、特別な事ではない。久野を里山地域と認定し、そこを守ることが、市民の利益であることが、共有できれば、久野の農業を盛んにしてゆくことは可能だ。中国から来た、農産物より、久野の里山ブランド農産物が少し高くても、選ぶ小田原市民がたくさん居る事を信じるべきだろう。