鳥インフルエンザに於ける厚生労働省の対応

   

茨城県で昨年6月弱毒性の鳥インフルエンザが発生し、今年の6月23日原因不明のまま、終息宣言が出された。現在、養鶏大手であり、COOPたまご指定農場にもなっている、愛鶏園の獣医師に対し家畜伝染病予防法違反での、裁判が行われています。

6月の発生から、意外な展開が相次ぎました。一番は安全といわれていた、ウインドレス鶏舎でしかも大手のイセ食品や、愛鶏園で感染が相次いだ事でした。9月初旬には、農水省は不正ワクチンによる感染が疑われると、発表します。

さらに、厚生労働省が、1月10日突然、茨城県で、77人の鳥インフルエンザ抗体者が確認されたと発表。その後5月11日確認のための再調査の最終報告として、93人が交代陽性反応と発表する。これは世界で始めての事例で、世界中のインフルエンザ研究者から、信じがたい事実だ、と指摘される。

これに対し、茨城県でも、問題がある発表なので、更に精査するとして、現在、関係者だけでなく、都市部の一般的な住民を含め、抗体陽性反応が出たといわれる、養鶏関係者との比較の、検査をしているところです。

厚生労働省では、あくまで客観的事実として、発表している。として、問い合わせに対しても、ホームページ掲載以外のことはお答えできないの一点張りである。この発表によって鳥インフルエンザの抗体鶏の対応が変わったのだ。鶏肉として、利用しながら処分が進んでいた物が、一切焼却処分ということに、すべてもどってしまった。

今回の、鳥インフルエンザが、弱毒のウイルス株による不良ワクチンが原因であることは、確かである。理由のひとつは、感染の速度が極めて速いこと。これはウイルスは繰り返し感染することで、個体間の感染速度を増してゆく。このウイルスは当初から、相当の速度で感染を広げたところから、ウイルスがワクチン化される際、感染を既に繰り返したと思われる点だ。自然株では無い現象なのだ。

もう一つの要因は、愛鶏園、イセファームという、養鶏大手のウインドレス鶏舎から発生している点だ。外部からの進入がしにくい構造だから、窓の無い鶏舎で飼育しているのに、何故、自然養鶏の開放型鶏舎からの発生が全くなく。ウインドレス鶏舎で発生が多いかである。ウインドレス鶏舎でワクチンが使われた以外考えにくいのだ。

この間、厚生労働省は抗体陽性反応を、科学的事実として示す以外、一向に内容の説明をしなかった。こういう形で、鳥インフルエンザウイルスが人間に感染する例は、世界に前例が無いことなのだ。つまり今までに鳥インフルエンザに感染している人は、生肉を食べるとか、その鳥と一緒に生活するとか、よほど濃い接触をしていた人に限られているのだ。

所が、厚生労働省の発表の通りであれば、防御服を着て鶏を扱った人でも感染するという事になる。国民の安心のためにも、もう少し親切な説明がいるのでは無いだろうか。

こうした陽性反応が出た理由として、疑える可能性としては、この抗体反応検査の精度である。つまり、他のウイルス抗体に反応しているのではないか。あるいは中和抗体40以上を感染者としたことに間違いは無いのだろうか。
いずれにしても、こうした疑念の残る、データーを一方的に出して、後は知らないとする、厚生労働省の姿勢は許されるものではない。

 - 自然養鶏