アメリカ中国に敗れる

   

アメリカは中国に交渉を何度も申し込みやっと電話首脳会談が実現した。つまりアメリカは中国との交渉の前段階で敗北したのだ。アメリカの要望はレアメタルのお願いである。もちろんこれは中国の切り札なのだから、簡単に譲るはずがない。アメリカはさらに行き詰まりつつある。

トランプは交渉が下手だ。何もかもいっぺんにやるから、焦りが見え見えになる。国内では暴動が始まる。議会では重要法案がもめている。何も成果が上がらないうちに、全世界相手に交渉をしようとしている。これでは足下を見られて当たり前だろう。

立場が逆なら、トランプ氏がレアメタルを武器に、言いたい放題叫ぶことだろう。中国はさすがに交渉術は上だ。静かに対応している。いくらかわけてやるらしい。中国人の長い歴史からくる、政治術には、哲学がある。ヨーロッパにも外交術というものはあるが、アメリカにはないのだろう。中国には到底及ばないと感じる。騒ぐほうが敗れるのだ。静かに時を待つ。

日本も時間をかけているのは正しい判断である。慌てれば譲らざる得ない。トランプは一方的に、不当な経済戦争を仕掛けてきたのだ。正義のないものはいずれ腐る。大声を出して対立すれば、日本まで腐る。この関税戦争がいかに不当なものであるかは徐々に世界が明らかにしてくれる。それまで時間をかけることだ。家康のように鳴くまで待つこと。

アメリカは関税戦争を始めて、世界から経済制裁を受けたのだ。同盟国日本もさすがに、自国第一主義のアメリカに着いていけなくなっている。アメリカは軍事同盟とは関係がないと主張しているが、戦争を仕掛けておいて何を言うか。ばかばかしくなるぐらい自己本位だ。日本との同盟の意味は、対中国戦線の前線基地ということだろう。

支配国アメリカに対して、やっと意見を言うようになった。4回の閣僚交渉でも成果が上がらなかったと言われている。当然のことだ。アメリカはすでに足下が危うくなっている。アメリカは選挙が近づいている。近づけば近づくほど、交渉をまとめる必要が出てくる。焦る方は譲らざる得ない。もう関税戦争の敗北は迫っている。

アメリカは関税収入を当てにして、選挙公約である減税法案を議会に提出した。一方で関税は予定のようには入らない。当然、財政破綻になる。日本の消費税廃止の税の財源なし論議と変わらない。財政が破綻すれば、減税の恩恵どころではない不況が始まる。財政がこれ以上悪くなれば、円の価値が崩壊する。

関税収入が入ったとしても、関税を払うのはアメリカの消費者である。必ず景気は低迷する。アメリカ経済が危うい状況になる。それはドルが危ういと言うことだ。すでに関税戦争を仕掛けて、ドルは売られている。関税で10%利益を上げたように見えても、ドルが10%下がれば、同じことになる。

アメリカの財政はいくらでもドルを発行すれば、世界中で買ってくれる。日本はその先頭にいて、アメリカに対して同盟国の義務を果たしてきた。いよいよドルの信用が危うくなってきた。財政赤字の穴埋めにドルの発行をさらに増やして行くと見られるからだ。ドルの価値が下がるようになれば、いよいよアメリカの経済は安泰とは言えなくなる。

世界はつながっている。関税戦争を起こせば、必ず自分に跳ね返ってくる。経済において、自分だけ都合が良いというはずがない。トランプの政治感覚は実に鈍い。こうしてアメリカは敗れて行くはずだ。日本としてはアメリカとの交渉を長引かせることだ。一切を譲らないことだ。アメリカは追い込まれて譲らざる得なくなるはずだ。

中国を見ていて、交渉術を学べばいい。中国は簡単には動かない。日本の様にアメリカに出向いて交渉をお願いするようなことはない。交渉をするなら、当然第3国である。アメリカ詣をすることからすでに、交渉に後れを取っている。不当なアメリカにお願いする必要など何もない。

アメリカのやっていることは交渉ではなく、関税戦争である。一方的に攻撃を仕掛けたのだ。どれほどひどいことになったとしても、悪いのはアメリカである。イスラエルのガザ攻撃と同じである。仕掛けたのは愚かな愚かなパレスチナ側だった。これがあるために、イスラエルの殺戮戦が未だに続いている。

関税戦争を仕掛けたアメリカは、大規模な減税法案を発表した。本来であれば関税で穴埋めするつもりの減税である。到底関税での収入は上がらない。しかし、減税だけが先行して行く。アメリカの財政赤字は極端に膨らんで行くはずだ。トランプ政権は崩壊の危機が迫っている。

「大きく美しい1つの法案」が、下院議会で1票差で可決された。これが上院で可決するかどうか。可決できないようなら、トランプ関税もグズグズになるだろう。米国議会予算局は、減税や歳出削減、債務上限引き上げなどをまとめた、2025年から2034年の10年間で、財政赤字は2兆4,000億ドル増加するとした。

トランプとマスク氏のけんかの原因である。財政が厳しいから、支出削減をマスク氏が強引に削減してきた。それほどの成果は出なかった。その最中に、減税をするのは馬鹿げているというのだ。しかし、減税をすることはトランプ氏は選挙中から何度も主張し、票集めをした。

減税で有権者の歓心をかおうというのが、最近のはやりである。日本で言えば消費税廃止である。共産党から保守党まで、食品に対する消費税廃止を公約に上げている。本当にくだらない。日本の財政状況はコロナ以来悪化の一途である。これ以上悪化すれば、日本は立ち直れないことになる。減税の場面ではない。

アメリカも同様である。トランプアメリカがどうなろうがかまわないが、このまま行けば、アメリカは中国に敗北することになる。日本はアメリカを見限るときが来ていると言うことだ。静かに中国との関係修復に向けて、動き出さなければならない。日中関係の修復はアメリカにケチを付けられる筋合いではない。

中国が関税戦争に勝利したときに、日本の立ち位置がどうなるかを想像しなければならない。日本に居るアメリカの手下達は、アメリカが敗れることを想像できない。アメリカは必ず中国との経済競争に負ける。これは世界の経済学者の多くが予想していることだ。

今回の関税戦争を仕掛けたことは、トランプの最後の賭けなのだろう。先に行けば行くほど、中国との戦いは難しくなる。まだ今なら間に合うと考えて仕掛けたのだろうが、愚かなところは同盟国をすべて敵に回したことだ。これでは中国に勝てるはずがない。日本もアメリカから距離をとらざる得ないときが来ている。

中国を孤立させなければ、アメリカは勝てない。ところがトランプはアメリカを孤立させた。これでは中国と戦うことすら出来ない。時間の経過とともに、どちらが有利になるかである。当然、中国はレアーメタルという切り札がある。トランプにはそれくらいのことも分からなかったのだろうか。

2026年の中間選挙である。これで共和党が敗れれば、関税戦争の風向きが変わる。今の所民主党有利の風向きである。日本はともかく時間を稼ぐことだ。不当な関税など一切受け入れないことだ。日本にある非関税障壁は取り除くべきだろう。お米の関税はかなり下げても良いのではないか。その関税収入で、米農家に個別補償をする。

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