石垣島では今日もミサイル基地が建設されている。

   


 石垣島白保のサンゴ礁

 今日も石垣島ではミサイル基地の建設が進んでいる。すでに宮古島ではミサイル基地の配備が進んでいる。まさに日本の有事の現実である。日本の有事とは沖縄を防人にする事だ。小田原に来ていて、この基地建設に対する距離の遠さを改めて感じている。

 ミサイル基地の建設の是非を問う住民投票を3分の1を超える署名で請求した。にもかかわらず、拒否をされたままミサイル基地の建設は進んでいる。安全保障は国の専権事項だというのが、市長の言い分である。果たしてこれが民主主義国家で行われることなのだろうか。

 安全保障政策こそ、国民的議論として国民の共通認識に支えられなければ成立しないものだ。何故、地元住民の意思表示すら拒絶されなければならないのか。確かに意思表示しても辺野古米軍基地のように工事は止まらないかもしれない。しかし、意思表示すらさせてもらえないよりはましだ。

 中国を仮想敵国として、南西諸島を防人の島にする計画である。これは日本本土を守るための、防人であり、ひいてはアメリカ本土を守るための防人である。こうして沖縄が米軍基地の軽減とは名ばかりで、次々に防人の島にされてしまう現実を、沖縄以外の日本人は無関心である。

 そのことを小田原に来て改めて感じる所である。やはり遠い場所の話なのだ。然し今起きている危機は、日本人すべてにとって他人事ではない現実である。一体なぜ尖閣に中国の戦艦が近づいているのか。これは力の誇示によって、現状を変えようという事だろう。

 これに対して、石垣島のミサイル基地が意味があるかと言えば、全くない。そんなものが出来たところで、もし中国が尖閣を占領しようと考えた時には、石垣島のミサイル基地には中国の先制攻撃で膨大な量のミサイルが撃ち込まれることだろう。

 しかし、そんなことは想定しても無意味である。そんなことが起こる前に中国との交渉を開始することが、当面の日本の安全保障だろう。当然すぎることだ。ただ強く抗議をしたなどと繰り返す日本政府には、心底うんざりである。抗議したところで何の前進もない。解決を目指そうとはしていないのだ。

 つまり、中国の強硬姿勢を引き出して、琉球列島に敵基地攻撃ミサイル基地を着々と作ろうという考えである。それには仮想敵国中国が怖い国として存在してくれないと困るという考えだろう。何故それほど日本を武力主義の国家にしたいのかがわからない。どうせ中国の原爆にはかなわないのだ。

 この日本の平和主義から、武力主義への転換こそ、国中で議論すべき要件である。話し合いもない。国民の意見は二分している。その中で強行的に先制攻撃用のミサイル基地の建設が進む。このやり方は民主主義国家が行う事ではない。

 沖縄では4月28日を屈辱の日と呼ぶ。1952年4月28日は、日本が連合国とサンフランシスコ講和条約を結び、国際社会に復帰した日である。沖縄から見れば、沖縄を分離することで日本国が独立を回復した日なので、「屈辱の日」とよぶのだ。

 沖縄を米軍占領下の島として、切り離すことで日本は独立をすることにした。この時も日本という国家は沖縄を犠牲にして、自分たちの自由を得た。そして、いままた、日本本土やアメリカの防人の島と位置付けて、犠牲を強いようとしている。

 これを政府は沖縄を守るための自衛隊基地だと主張している。こんなバカな説明があるか。はたして、中国が石垣島を攻撃してくるときに、自衛隊ミサイル基地で防衛が出来ると考えているとすれば、いかにも茶番である。それが日本の防衛戦略と思うと情けない。

 中国が攻撃してくるとすれば、石垣島の住民はミサイル基地が守ってくれるよりも、攻撃目標になり命の危険が増すと考える人が普通だ。何しろ石垣島の島民は島からの脱出は2週間以上は最低かかるとされている。中国のミサイルから逃れるシェルターもない。自衛隊基地にはシェルターはあるのかもしれないが。住民はミサイルが落ちてくる中、2週間どこに隠れていろというのか。

 先日の日米首脳会談で菅義偉首相とバイデン大統領は共同声明で台湾の問題に言及した。日米同盟の結束を確認し、尖閣諸島を防衛範囲と確認した。尖閣以前に中国は台湾を攻撃するはずだ。中国の認識としては、台湾は確信的領土と考えている。尖閣は国境の領土として不明確な島扱いだ。

 もし台湾有事になれば、米軍基地が集中する沖縄やミサイル要塞の島々は真っ先に標的になると考えざる得ない。台湾を攻撃する前提で、先制攻撃を仕掛ける可能性が高い。もし石垣島にミサイル基地がなければ、台湾有事において、ミサイルが撃ち込まれる不安は全くない。

 ところが、政府はアメリカに隷属している。日本独自の外交戦略という物が持てない。中国との直接交渉すらアメリカに抑えられている。このように独立国家としての行動が制限されている。日本人の多くはそのことに気づいていない。だから韓国の文政権を笑っている。日本の態度も同じなのだ。我が身を顧みなければならない。

 日本の安全保障は国民全体での議論はまったく行われていない。日本は中国とアメリカの覇権争いの波に流され、誰にも分からないところの不安定な状況に日本は流されてゆこうとしている。日本は中国と平和を目指す外交交渉をすべきなのだ。

 確かに今の中国は危うさを増している。しかし、中国も必ず変わる。ソビエトもロシアになった。ロシアも武力主義は変わらないが、ソビエト時代よりはだいぶましになった。中国も必ず変わる時が来る。その為には日本は中国と平和外交で向かい合うべきだ。

 まず、尖閣問題という棘を取り除くこと。国際裁判所にゆだねるべきだ。国境の使いもしない小さな島の領有権で、多くの人命を危険にさらすなど、あるべきことではない。沖縄のことだから構わないという日本本土の差別意識が潜んでいるとしか思えない。

 中国とは友好関係にならなければならない。それが日本の中長期の外交の目的である。中国が悪いから日本も悪くなるというのではなく、中国が次第に良い国になるために、中国の見本になるような立派な国に日本がまずなることである。

 ユウハ何しに日本に、である。私は台湾に行ってすっかり台湾のファーンになった。ああいう国柄になってほしいと思う。多くの中国人が日本に来てくれて、なるほど民主主義はましだなあーと思うような国に日本がなることである。
 
 日本が尊厳のある立派な国になれば、中国だって変わる。日本が金権主義の能力主義になっているから、中国も覇権主義になる。お互い様なところがあると思う。先ずは日本が民主主義国家になることではなかろうか。

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