小麦を粉にする。

   



 今年から、農の会の小麦の会は小麦に関しては各々が粉にすることにした。粉にするという費用と手間で、小麦は作れないと言うことになっていた。それでも麦は何とか継続しようと言うことで、大麦を作ることになっていた。

 大麦の方は地ビールプロジェクトがあり、それに乗るという形だったのだが、コロナの御陰でもくろみが外れた。地ビールをやろうという会社の方が経営が難しくなったようなのだから、余り大麦には期待ができなくなった。それなら、自分たちでビールを造ってみようと言うことを始めた。

 しかし、希望としては小麦粉をやりたいという人が多い。パンやさんになった農の会関係者が五人も居るくらいだから、小麦の栽培とパンづくりが繋がっている。パン作りを趣味にする人は多く、一度は小麦の栽培もしてみたいと思うのだろう。

 

 パン作りが趣味です。と言う感覚から、小麦を自給するという感覚は実はかなり違う。だから、小麦の会に参加しても、一年でもういいやとなる人が大半である。それでも毎年新たな人がやってみたいとそこそこ参加する。パン作りに興味があっても、なかなか厳しい小麦作りを乗り切れる人は少ない。

 これは私の考えだけかも知れないが、農の会ではやる以上、神奈川県の小麦の平均収量は超えなければ、やる価値がないと考えている。そうでなければ農の会の活動自体が趣味の活動に見られてしまう。本気で有機農業の優秀さを示さなければ、農の会の活動の意義が薄れてしまう。

 だから、本気で取り組むことになる。本気で取り組むとなると、よほど熱心な人以外は来なくなる。それでいいのだと思っている。小麦を作るのは大変で自分には出来ない。それだけでも理解して貰えれば、意味があると思っている。

 

 小麦の製粉は時間はかかったが一応は出来るようになった。今回の小田原生活の成果になる。以前、そば粉はひいていたのだが、そば粉とは同じようでどこか違う。最初は砕くぐらいにひいて行く。三回目ぐらいにギリギリまで歯を狭めてひく。

 それから4回5回6回と繰り返して行くと、小麦粉とふすまと殻との3つに分かれる。このふすまと小麦粉を混ぜれば全粒粉と言うことなのだろう。ふすまもあらいものと細かいものに分かれるので、ふるいで分けた方が使い勝手が良いだろう。

 8㎏の小麦をひいて、4㎏の粉と3.5㎏のフスマに分かれた。0.5㎏がそのたの殻と言うことだろう。正直粉が5㎏ぐらいはなければ、充実した小麦というわけではない。まだフスマから粉が取れる状態だったようだ。この辺りがまだ研究しなければ。

 この製粉するという作業を製粉所に依頼するとかなり高い。1㎏300円から500円くらいしている。つまり、製粉代が有機の小麦粉の値段と変わらないのだ。だから製粉を委託するくらいなら、小麦粉を買う方がましという話になる。これではパンの趣味の人が小麦栽培のやる気を失うのは当然のことだ。

 自分たちで粉をひかなければ、小麦の栽培は出来ないと言う事になる。これは石垣でやる場合も同じことになる。石垣には製粉機がないから、これをどうするかを考えなければ、小麦栽培には取り組めない。機械はだいたい50万円くらいのもので使えるようだ。

 これより小さい機械では、摺り合わせ部分が熱を持つことになり、小麦粉自体が熱を持ってしまい、良い粉にはならない。だから石臼引きが良いと言うことなのだろう。そういえば、子供の頃向昌院では石臼で小麦やそばを挽いていた。

 それとは別に石抜き機は必要である。石抜きをしなければ、機械の歯が欠けてしまう。石抜きをしてみると無いようで、そこそこ石はあるものだ。石抜き作業は難しい者ではない。ただ通せばすむ。機械は10万円くらいではないか。

 来年もし小麦を栽培するなら、品種も考えたい。ミナミノカオリを11月はじめに播種すれば、5月下旬に収穫できる。出穂 10 日後に 6kg/10a の窒素を施用すると蛋白質含量が約 4% 増加し、適正値の 14% 程度に向上するとある。

 この辺は小田原でも石垣島でも同じことだろう。大豆が終わればすぐ麦という循環にしなければならない。畑のど上のことを考えると、小麦、大豆の連作が1番良いようだ。畑の整備が出来たならば、この辺りを考えて行きたい。

 そうすると、畑は11月までには整備をしなければならないと言うことになる。畑を整備するためには土壌が不足する。各田んぼの脇の畑予定地にはまず石が多い。石拾いをして、次に良い土を入れて、平らにする。そして麦から始める。

 この作業にはユンボとダンプの軽トラはどうしても居るので、10月の作業になるのかと思う。合せて、上の畑を均して、ここから土をとり、下の畑の整地に使いたいと考えている。上に1反ぐらいの平ら畑を作り、ここで野菜など作りたいと考えている。

 上の畑についてはまだ何を作れば良いかは考えていない。土を取り出してみて、全体の土壌の様子を見てから決めたいと考えている。石ばかりならパイナップルも良いかな。それほど石が無ければサトウキビを作るのも良いかも知れない。その当たりもだんだんに決めて行きたい。

 

 

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