財政赤字過去最大になる

   


 ノボタンが一面に咲いている。5月に入り咲き始めて、6月初旬までが花の時期のようだ。昨年よりも桃色が濃くなったようだ。樹木が元気になったのかも知れない。来年はもう少し茅を刈ってあげなくてはならない。今年は農場の外周の柵の設置で余裕がなかった。

 財政赤字が1270兆円と過去最多を更新した。支出の方は過去に例のないほどの「子育て支援」や憲法違反をしてまでの「防衛費」の大幅積み増しが予定されている。ガソリン代から電気代、小麦にいたる価格抑制のための助成金と、政府の歳出拡大はとどまるところを知らない。これで日本の経済は大丈夫とは到底思われない。

 65兆円しか税収がないのに過去最大の114兆円も使う予算を組んでいる日本は果たして大丈夫なのだろうか。月給の倍も生活費に使うなどあり得ない。もう日本経済は限界に来ているのではないか。それで内閣府の判断を見てみた。なんともアベ内閣時のアベノミクスは大成功の宣伝文句と違って深刻な分析である。
  1. バブル崩壊以降、我が国の財政赤字と公債残高が大幅に拡大している。そうした財政赤字・公債残高の拡大は、長期にわたる景気の弱さや、度重なる経済対策、社会保障費用の増加などを背景とした収入の低迷と支出の増加によってもたらされている。
  2. 現在の財政赤字の多くは、景気が良くなってもなくならない構造的財政赤字である。
  3. 現在の状態が続けば、債務残高が発散して我が国の財政は破綻してしまう。
  4. 財政支出(受益)と税負担(負担)を都道府県別(1人あたり)でみると、90年代に入り、地域間のばらつきは拡大している。
債務残高は国内総生産の2倍を超え、主要先進国の中でも最悪だと言われている。

 内閣府の財政赤字の判断はこの通り深刻である。この点では岸田内閣は、アベ内閣とは大違いである。ではどうすれば良いのか。税収は増やせるのか。財政支出は減らせるのか。どちらも無理そうな感じである。財政支出拡大の大きな要素は「社会保障費」が膨らんでいる。

 これは少子老齢化社会が深刻化する中起きている。老齢化は仕方がないというか、祝うべき事なので姥捨て山はなしにして、何とか子供を増やさなければと言うのが政府の方針である。ところが一向に効果は上がらないから、子供を増やして面倒を見てもらおうと言う、馬鹿げた構想は不可能になりつつある。

 今後も社会保障費は拡大せざる得ないだろう。何しろ社会福祉先進国スエーデンと社会保障費の割合はおなじというのだ。実感としては社会福祉がスエーデン並みでは丸でないのだが、現実は何故かそうなっているという。日本の医療支出は、もはやOECD諸国の中でトップレベルになっていると言うことらしい。

 相対的貧困率を見ると、日本は非常に高く、OECD諸国の平均よりかなり深刻になっている。そして、格差も大きく、貧困層の存在は拡大してきている。岸田内閣の新しい道徳のある資本主義はどこに行ったのだろう。軍事費の過去に例のないほどの拡大には道徳が存在するのだろうか。

 結局の所、財政赤字を減らすためには、増税以外にはない。例えば消費税を上げれば、いくらか財政は改善されるだろうが、すでに10%の消費税なのだから、さらに挙げると言うことになれば、貧困層の生活はさらに 深刻化することは間違いが無い。最後の砦の生活保護費は大丈夫か。

 財政赤字を見たときに、それでも仕方がないと考えるかどうかだ。弱者切り捨てである。弱者切り捨てぐらいは岸田内閣の道徳の中にはあるのだろうか。人件費の値上げはかなり言われたわけで、企業の間ではそれなりに行ったようだ。しかし、例えば農業者の場合、収入の増加よりも、支出の増加の方がはるかに大きい。

 日本の基幹産業を考えてみれば、このままでは第1次産業は衰退してゆく。それは日本の基本が失われると言うことだろう。石垣島では今年の稲作は耕作されてない田んぼが一気に広がっている。昨年までは何とか企業的農家が吸収していたようだが、今年になってそれも限界に達したと言うことの気がする。

 石垣牛を代表とする畜産農家は飼料の高騰で経営は苦しいらしい。輸入飼料は大きな戦争が起きている状況では、今後さらに高騰せざる得ないと思われる。サトウキビは補助金が半分以上と言われている。農業者はもう逃げ場もない感じだ。

 原油の高騰出一番影響を受けるのが漁業者。マグロは美味しいが、それでも経営は苦しい状況と言うことだ。燃料の値上がりが半端でない。先日入れたガソリンはリッター192円と言うことだった。

 第1次産業、農業、林業、漁業がダメになれば国は終わる。政府はそうは考えていないようだ。給与所得者は国の保護をある程度受けているが、1次産業に従事する者の収入は自己責任である。ものの値上がりをもろに受けている。農業資材の値上がりは、ビニール資材や鉄資材の中には倍の価格になったものさえある。

 一方で株価は上がり続けている。すごい金持ちが増えているのだろうと思うと、腹が立って成らない。円安が株価の上昇に貢献している。外国人投資で大丈夫なのだろうか。庶民は円安で生活が苦しくなっている中、企業や富裕層は富を円安によって資産を増しているのだ。さらに格差社会が広がる事が見えてきている。

 だんだん嫌な社会が近づいて来ているのではないだろうか。このままでは一部の富裕層と貧困層の2極化の階級社会に戻ることになりそうだ。戦後日本の社会もいくらかましな方向に向かっていたわけだが、アベ政権の悪政によって、経済は最悪の状況に突き進んだ。

 反日勢力の統一教会まで利用しようという、倫理のないアベ政権だった。そして、権力に忖度しろという、真綿首独裁政治である。ある意味、北朝鮮よりも始末に悪い。国民が自ら、魂を売り渡してゆく悪政である。自ら売り渡すように誘導しているから、自由主義だと言うことに過ぎない。

 すべての元凶は能力主義にある。経済に勝たなければ生き残れないという社会は間違った社会だ。能力の高いものに集中してゆかなければ日本が経済競争に勝てないという考えに基づく。ここに大きな間違いがある。経済競争に勝たなくとも堅実に生きられる社会はあるはずだ。

 目先が1次産業からはなれた事に問題がある。一番基本となる1次産業が軽視され、国の基本が揺らいでいるのだ。1次産業ならば、能力主義だけではない生き方があり得るだろう。当たり前に、堅実に生産に携わる。それで生きて行ける社会が大切なはずだ。

 

 

Related Images:

おすすめ記事

 - 暮らし