ハマスのイスラエル突入戦争

   


 B放牧地にある水牛池。

 ハマスが、イスラエルに突入してしまった。これでガザ地区はなくなるのかも知れない。そこまで追い込まれていたと言うことなのだろうが、自制してもらいたかった。イランの協力があるということらしいが、こんな武力行動は必ずさらに悪い状況を生む。

 ロシアのウクライナ侵攻がいつまで経っても終わらない。あの武力行動をどう見ていたのだろうか。今回のハマスの攻撃はパレスチナ国家を滅亡させるものになるかも知れない。成算があって突入をしたと言うよりも、破滅に向かって突っ込んでいたように見える。

 戦争の一つの起き方なのだろう。窮鼠猫を噛むということだろう。イスラエルはこのまま黙っているはずがない。圧倒的な戦力を持ってパレスチナ殲滅に進むことだろう。この突然の突入作戦は反撃の正当性をイスラエルに与えてしまったのだろう。

 ロシアは簡単に占領できるという誤算から、ウクライナ侵攻を始めたと見られていたわけだが、結果から見るとやはり追い込まれて突入してしまったとも見れないことはない。戦争をする以外に道がないという考えに、落ち込んでいってしまうと言うことがあるらしい。

 武力だけを信じている人間の発想は、極端化して行き勝ちなのだろう。人間が人を殺す武器を持つと言うことの危険は、人間の知能を劣化させると言うことのようだ。だから日本の江戸時代には武士道と言うことが言われたのだろう。武力を持つものはよほどの自制心が必要と言うことになる。

 そもそも自制心がないから武力に頼ろうというのが軍事力のしそうなのだから、いつも戦争という結論と隣り合わせで思考することになる。武力が無ければ考えもしないことが、次から次へと浮んでくるに違いない。武力が人間を変えて行く。

 日本の自衛隊の人間の、武力依存も少しも変らない。自衛隊の人間は今必死で中国が攻めてくると宣伝をしている。たぶん本気でそう信じている愚かな人も居るのだろう。自民党の佐藤議員は去年には、台湾侵攻があると断言していた。そんな馬鹿なことがあるわけないのに、人を殺す訓練をしていると頭の中が妄想に支配されるのだろう。

 だから、自衛隊員自身は政策を考えてはならない。あくまで専守防衛の武力である。自衛隊を動かすことの出来るものは、内閣である。自衛隊員が考えて主張してはならない。武力に頼る者は武力を使う方を優先する。日本は武力を使わないと憲法で決めた国だ。

 平和外交の国であると自覚している自衛官は居るだろうか。すべての隊員が佐藤議員と類似なのではなかろうか。これは極めて危険なことだ。例えば石垣に居る自衛隊が、戦闘訓練を繰り返している打ちに、集団妄想に陥り、中国の戦艦を攻撃しなければならないと思い込むかも知れない。

 そうした攻撃力が無ければ妄想ですむわけだが、それが可能な武力を持っていれば間違ってそういうことを始めないとは限らない。そんな馬鹿なと思うが、ハマスの自暴自棄の攻撃を見ると、武力を持つ者の愚かさを感じないわけには行かない。

 プーチンのウクライナ侵攻も同様である。ロシアが衰退しきるまで戦争を続ける以外の道が見えない。武力が思考能力を弱めるのだ。だから自衛隊を指揮する者は、軍事訓練など関係しない人間でなければならない。当然コンピュターの戦闘ゲームなどもやらせてはならない。

 武力によっては、何も解決できないと言うことを肝に銘じておかなければならない。犯罪を抑止するために、警官は必要である。しかし、あくまで警官が取り締まるのは、犯罪者であり、犯罪者から国民の安寧な生活を守っているだけなのだ。

 犯罪を抑止するために、暴力団に対して武力で戦うような必要は無い。あくまで暴力団は取り締まるのであって、武力攻撃をして鎮圧するわけではない。最近テロ組織と武力で戦うという映画が注目されているようだが、実に良くない傾向である。

 コンピュターゲームの影響ではないだろうか。武力で平和は来ないと言うことを、噛みしめなければならない。日本の平和を作り出すのは、武力の無い平和な日本の暮らしである。日本人が攻撃力を持たないと言うことが、日本の平和に繋がると言うことを、世界で戦争が連続する中で考えて置く必要がある。

 平和主義は手間暇がかかる。つまり民主主義である。相手の正義も認め、妥協する考え方だ。尖閣諸島の領有権を中国も主張するのであれば、当選そのことで中国と話し合いを持つ必要がある。日本の考え方と別の問題なのだ。中国と話し合わない政府は、尖閣という火種を残しておきたいのだ。

 アメリカの利益のためだ。アメリカは自国の安全保障のために、中国の力を削ぎたいと考えている。日本が中国と戦ってくれれば、それが一番ありがたいと考えているのだ。日中が長期代理戦争に入れば、アメリカとしてはこれほど有り難いことはないのだ。

 そうしたアメリカの自国の安全保障政策に巻き込まれているのが、日本である。台湾や韓国も同様である。アメリカの軍事力に依存している以上、そのように考えるほか発想が
出来無いわけだ。アメリカはあくまで代理戦争を望んで、日米安全保障条約を結んでいるのだ。

 台湾の独立を最近アメリカが認め始めたのは、台湾と中国が代理戦争になる事も選択肢に入ったからだ。それは朝鮮戦争が起きて、韓国と北朝鮮が今も戦闘状態にある事と同じである。軍事緊張がある事こそ、アメリカの安全保障の考え方に合致するのだ。

 台湾は国力が急激に高まり、今や東アジアでは日本を追い抜き、韓国をも追い抜くだろうと言われている。それほどに日本が停滞してしまったのだが、台湾の急成長によってアメリカは台湾を代理戦争の舞台にする事ができると考えるようになったのだろう。

 台湾の軍事力強化にはめざましいものがある。何しろ日本がアメリカから今度購入するというスタットミサイルは1600キロが射程距離と言うが、台湾の自国生産しているミサイルは2000キロある。中国全土を悠々と射程に収める「雲峰」超音速・長距離巡航ミサイル を開発している。

 台湾が軍事力を高めれば高めるほど、ウクライナ化の可能性が出てくる。もし台湾を中国が攻撃したとしても、簡単に中国が勝利するなどと言うことは今やない。戦争は膠着するだろう。そして中国の国力が削がれて行くはずだ。それを一番望んでいるのはアメリカである。

 中国は戦術に長けた国である。プーチンやハマスのような、単純な頭の持ち主ではない。だから、中国の台湾侵攻は当分肺。五年以内には絶対にないと断言できる。中国は台湾が平和裏に、香港化する可能性があるとみている。それがアメリカの一番恐れていることなのだ。

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