9月23日秋分の日の田植え

   


 1番田んぼの田植えを行った。大分から「新百姓」という雑誌を作っている2人が取材をかねて、手伝いに来てくれた。田植えをしたのは「台光」という西表の人が作っている品種である。種籾を頂いたので、それを植えてみて、「のぼたん農園」に向いている品種なのかを判断すると言うことが目的である。

 まだのぼたん農園に適した品種を発見できていないので、西表島で20年作られてきたという品種を作ってみるのもよいかも知れない、と思い作ることにした。台光と言う名前の通り、台湾の品種と言うことらしい。台湾の品種を調べてみたが、そういう品種の存在も確認できなかった。

 20年前に、西表の那良伊孫一さん と言う方が作り始めたお米と言うことが、琉球新報に出ていた。8月27日に1番田んぼの苗代に播種して、9月23日に田植えをした。タイミングとしては、2期作としては遅れ気味なのではないかと思うが、12月でも小田原の10月よりははるかに暖かいのだから、大丈夫だと思っている。

 4週の育苗で6葉期になっていた。8月の熱い中での育苗はやはり随分と早い成育である。5葉期の田植えであれば、3週ちょっとぐらいで良いのかも知れない。石垣の栽培歴が少しずつ分かってきたが、分かっていたのだがさすがに、3週では不安で4週にしてしまった。

 大苗という意味では良かったのだが、6葉期の苗は今までで一番大きいかも知れないのでどうなることかとは少し心配もある。大苗が活着するためには風が無いことが大事なので、風が気になる。田植えの準備を水牛でやったために時間が余計にかかったと言うこともある。

 今年の9月は夜温が26度以下に気温が下がった日は一日もない。日中は強烈な陽射しが降り注いでいる。小田原の一番陽射しの強い時期よりもまだ強い陽射しではないかと思える。植えた苗が陽射しで焼けている。風があるから苗がどうしても痛むので、かなり補植が必要な感じである。

 台光は随分と堅い苗のイネである。野性的な感じがするイネである。これは130㎝ぐらいまで、背が伸びるイネではないだろうか。始めて経験するイネである。情報はまったく持たないので、その場その場で対応して行くつもりだ。今はまったく無肥料で育ててみている。

 田んぼは新しい土壌の場所なので、肥料分は少ないはずだ。イネの葉色を見ながら、追肥をして行く予定である。追肥には牛糞堆肥の「よみがえり」を使う予定。剪定チップを2年積んであるものがあるので、それを加えるというのもやってみても良いかも知れない。

 今回は初めて、40㎝角での苗を植えてみた。1回にあまり収穫量を増やす必要は無いと考えるようになった。年3回収穫があるのならば、総量は必ず畝取りを超える。肥料もできるだけ使わない楽な農法にして、収量を抑える。そして3回の収穫を目指す。

 ひこばえ農法での連続する収穫を考えると、病気に強い品種でなければ無理だ。ウイルス病が一部で出ると、だんだんに田んぼ全体に広がって行く。耐病性の高い品種を探す必要がある。今のところ、ミルキーサマーの方が病気は少ない。

 分ゲツをよくする品種でなければならない。遅れて出てくる分ゲツがひこばえであるのだから、遅れても十分に分ゲツが出てくる品種。そして、葉の数が少ないまま穂を付けるのだから、その葉がしっかりと大きくなるものでなければ、良い穂にはならない。

 結局土壌をよくすることが一番重要と言うことになるのだろう。腐植を増やすために、アカウキクサの増殖法も研究の必要がある。アオミドロ、サヤミドロ、アミミドロ、などもある程度で始めているので、今後どの程度まで増えるかも課題である。

 

 

 - 楽観農園