中国が関わる北朝鮮とミャンマー軍事政権
北朝鮮は一月に入り、ミサイル発射を続けている。国際社会に対する武力による挑戦と言うことだろう。これ以上無視されているわけには行かないという意志表明。背景には中国がミサイル発射をしても、容認してくれていると言うことがあるのだろう。
中国は北朝鮮を巧みに操っている可能性がある。そう考えてみると、北朝鮮に何故原爆や大陸間弾道ミサイルの開発が出来るのかの不思議が見えるような気がする。北朝鮮の存在は中国の外交には必要な材料なのかもしれない。
ミャンマーは軍事政権になり、反軍事政権の市民連合と少数民族武力勢力の協力組織との内戦状態になっている。軍事政権は市民に対して発砲を繰り返している。この最悪の戦争状態が一年持続いている。この泥沼の現状のまま世界が手を出せない状況はあり得ないことだ。
これも中国政府の容認と言うことが背景にある。中国との経済連携が背景にあって、ミャンマー軍事政権は持ちこたえている。中国は経済成長に伴い、中国支持の属国の育成をしている。中国は複雑で巧みな外交を行っている。敵の中に見方を見いだし、見方の中に敵を見ている。
中国は国際紛争がある都度、内政不干渉と言うことを表明しているが、見えない内政干渉が行われている。実際には北朝鮮のミサイル発射がアメリカに対する威嚇になっていることを、歓迎しているとみるべきだろう。ミャンマーの軍事政権の支持も東アジアを一辺倒にさせない。アメリカの圧力を反らせている。
アメリカの言いなりにはならない強い中国を表現している。結局の所、米中経済戦争が解決されない限り、中国の周辺国への影響力の維持は変わらないだろう。中国も急激な経済成長時代が終わり、緩やかな経済成長の時代に入ろうとしている。そこへ、アメリカによる経済封鎖が影響をしているのだろう。
北朝鮮の3代にわたる独裁政権が民主的な国家に変わるためには、あるいはミャンマー国軍の市民への攻撃を止めさせるためには、中国が変わらなければだめだろう。中国の習近平政権が民主主義を目指さず、独裁的な傾向を強めている限り、周辺での国際紛争は収まるどころか、拡大して行くはずだ。
アメリカと中国が経済に関して話し合い、対立の解決を図るべきだろう。対立が両者にとって良い結果にならない事は目に見えている。日本の役割は両者の話し合いの仲介である。日本は中国が一番の貿易相手国である。2番としてアメリカである。両者の対立は日本にとって望ましいわけが無い。
岸田政権が新しい資本主義、道徳的経済を口にするのであれば、アメリカと中国の経済対立は、解決を目指さなければならない重大問題のはずだ。アメリカの言いなりになり、少しも取り組もうとさえ出来ないことが情けない限りである。むしろ中国との対立を深める軍事強化ばかりが目立つ。
武力で解決できることなの何一つ無い。武力の力で相手をねじ伏せても残るものは怨念と対立だけである。日本の歴史を見ても、武力は問題をより悪くしただけで、何も解決は出来ていない。戦争に勝利者などいないのだ。どれほど無力に見えるにしても、平和的手段による外交以外に、国際紛争の解決の道はない。
例えば、尖閣諸島が日中の問題の一つであるとすれば、平和的な解決を選らなければならない。尖閣諸島を譲ったからといって、何の実害も無い。どういう解決になるか分からないとしても、解決を国連および、国際裁判所に委ねるべきだろう。
一つの解決策は尖閣のいくつかの島を、それぞれの国の所属にすれば良いだろう。尖閣を譲ったからといって、人の命が奪われるわけでは無い。何故平和的解決を図らないかの理由はただ一つ、日本の軍事力増強のためには中国の脅威を見える形にしておく必要があるからだ。
中国の脅威は実は日本の脅威という以上に、同盟国アメリカの脅威なのだ。アメリカが世界一で居続けるためには、中国のこれ以上の経済成長を避けたいのだ。そのために、日本が手先として、より中国と対立することがアメリカの国益になっている。
南西諸島への自衛隊ミサイル基地建設は、アメリカの要請が背景にある。アメリカの軍事的支援を希望するなら、アメリカの防人として、日本が防衛の最前線になれというのが、アメリカの戦略である。それを受け入れないなら、核の傘から外されるという不安があるのだろう。
日米軍事同盟は同盟と言うことは名前だけで、アメリカの国益のために日本が最前線で犠牲になるというものである。岸田政権は、あの右翼的アベ政権どころでない軍事傾斜をしている。アメリカの脅しに従わされているものだ。アメリカには何も言えないと言うことは、オミクロン米軍染み出しで、よく分かったことである。
アメリカから距離を持つ。原爆の傘を捨てて裸になることを恐れずアメリカの手下を止める。このままではメカジメ料をヤクザにとられつづける情けない国になる。この誇りを失った国の姿が、日本人を衰退に導いている。誇り高い日本人は戦争に負けて、消えたのだろうか。
日本が自立し、尊厳のある国になるところからやり直すべきだ。軍事力二依存しない。原爆を持た
ない平和国家連合を作ることだ。そして、核保有国に対抗することだ。世界の小さい国々はすでに、そうした方角に歩み出している。日本も早くその一因になるべきだ。
ない平和国家連合を作ることだ。そして、核保有国に対抗することだ。世界の小さい国々はすでに、そうした方角に歩み出している。日本も早くその一因になるべきだ。
小さな原爆を持たない連合の先頭に立つべき国が、世界唯一の被爆国日本の役割だ。岸田氏は広島の人ではないか。反原発を表明して、平和を目指す総理大臣であるべきだろう。改めることに遅いと言うことは無い。一日も早く核兵器禁止条約に加盟することだ。
そしてアメリカの核の傘を離れ、本当の平和外交を始めるべきだ。それは理想主義でも、空想でも無い。最も現実的な対応である。ミャンマー、北朝鮮に噴き出している問題を解決するには、米中経済戦争の解決である。これ以外にない。
中国との経済に一番関与が深いのが日本だ。日本も中国のように、複雑な外交を展開しなければならない。アメリカ一辺倒では日本の外交戦略が無いと言うことになる。中国人は複雑に有能である。日本にいて見えている一辺倒の中国人とはかなり違う。
中国の批判ばかりしていても、何の益も無い。ウイグル問題でも、香港問題でももちろん良いなどとは思わない。しかし、中国の良い所を発見して学ぶくらいの気持ちで、中国との関係を見直すべきだろう。詰め込み主義教育の是正。子供のゲーム依存の改善。
共同富裕は新自由主義経済からの脱却を政権が行おうとしているのだろう。その意味では道徳経済そのものの主張だ。儒教の倫理と、合理的な経済競争の融合の主張だろう。むしろ、独裁的政権がそれをどのように実現するか、岸田氏こそ学ばなければならないことだろう。