稲の生育判断法
発芽を始めた直播き田んぼ。発芽は日曜日に蒔いて、日曜日に発芽。調度一週間であった。スジ蒔きにした種籾が発芽して線が見えるようになってきた。水が染み出てきているので、雨が無くても水たまりがある状態である。
もう一つ苗代での苗作りを行っている。写真は一週間目のもの。蒔いてそのままで土をかぶせたりはしない。クン炭もないので使っていない。1mに80グラム蒔きである。400グラムずつが3種類である。
1.2キロで2畝の田んぼ4枚に植えたい。風が強いので2本植えである。足りない分があれば、スジ蒔きのからとる。スジ蒔きから間引かなければならない苗が相当出るだろうとみている。種まきの時の指示が悪かった。点々の破線のような蒔き方と言えば良かった。余るのだから問題は無いが。
今年は溜め池からの湧き出し水での育苗である。土も初めてのものであるし、肥料分もかなり少なめの育苗である。土壌は6.5のpH。どんな生育になるのか、十分な観察を続けなければならない。2葉期を過ぎてから黄ばんでくるのが怖い。その時には追肥である。
播種してからの一週間外気温は17度以下の日はない。雨の日が多かったが、最高気温は24度であった。溜め池の水温は23度である。苗代にもしみ出し水がわずかずつ流れてきている。特に水遣りとかはしないが、水たまりはいつもある。これで発芽までは乗り切れたのは有り難い。
水面下の種籾がどうなるかが不安であったのだが、何とか芽を出して中には水面に芽の先を付きだしているものもでてきた。直まき部分は半分だめでも、充分な苗の数はあるので問題は無いと考えていたが、ほとんど発芽している。もし、直まきが成功したら、田植えを止めて直まき中心に進めると言うことも今は考えている。
そういえば山北での開墾生活で始めた田んぼは直播きだった。これがうまく行ったので、自給が成功した。その後の農の会の活動に繋がった。直播きこそ自然農法だ。移植するのは自然農法では無いと川口由一さんに抗議をした。その直播き農法に石垣島で戻ることになるかもしれない。
田んぼに張った平たいビニール紐が案外に、鳥を近づけない効果が出ている。バタバタと風に煽られているので、それが30センチおきに張られているから、鳥追いには悪くないように見える。白鷺は来るが白鷺も中には入らない。猫が歩いているので、ネズミも来ないかもしれない。
今年は直まきと、田植え部分との比較をして、生育の違いがあるのかどうかを研究する。もし直播きで行けるなら、田植え方式より随分楽なことになる。しかも、より自然に近づいた栽培と言うことにも成る。石垣島の自然環境をうまく取り入れたことになる。
苗取りも、線引きも、田植えもいらないことになる。それではちょっと物足りないか。直播き田んぼでの余り苗で、一枚だけは田植えすると言うくらいが丁度良いか。日に日に、直播きが有望に思えてきた。昨年、小田原の柿の下田んぼでやった経験がここで生きている。今年柿の下田んぼのどこかを直播きに出来ないものだろうか。
直播きはスジ蒔きである。ところが、指示が悪かったためか、帯蒔き
になっているところがある。ドバッと蒔いてしまったのだ。もっとポツポツ蒔かなければいけない。失敗は成功の基だ。来年の教訓にすれば良い。種籾は一列に破線のように蒔くこと。
イネは小田原では、種を蒔くと一週間で1葉期まで成長した。確かに芽が出たという状態になるのだが、これは学術的には不完全一葉という葉で、1枚目の葉ではないと書かれている。よく分からないが、針のように鋭くつきだしてくる葉を最初の葉と言うことにしている。
この最初の葉が発芽すれば、播種はつつがなくできたと言うことで一安心になる。何年やっていても、いつもこの種から芽が出るという現象は不安に満ちている。同時に命の神秘を目の前に展開してくれる。毎日眺めては、大丈夫だと言い聞かせながらも、針の芽が伸び上がるように出るまでは落ち着かない。
ネットの張られている苗代の部分はいくらか他よりも高い。水が調整できるようにそのようにしてある。そのために、土がひび割れている。この状態ならば、水がいつでもやれる。他田んぼの直播きの部分より乾燥しているに違いない。
苗代が水をかぶるほど水を入れれば、すでに水没している種籾が、伸びた芽も水没して枯れる可能性が高まる。そこで、乾いている種が枯れないギリギリを見て進めている。進めていると言ってもまだ一度も水は入れて居ないし、水遣りもしていない。雨続きで溜まった水が排水口から流れ出ている状態。
幸い雨が良く降るので、土が乾くことは無くここまで来た。その分日照がないので、この後の稲の生育は悪いかもしれない。今後は晴れ日を期待する。わずかづつ水を入れようかと考えている。流し水にして、水を溜めないようにしておけば水が変わるので、水の腐敗が無く良いかもしれない。
小田原でのサトジマンは今後の生育としては一週ごとに1枚の葉が出る。これは品種でも、環境の地域差もあることだろう。石垣島で栽培する「とよめき」がどんな生育をするかは記録をしてゆく必要がある。いっしょに蒔いてある。サトジマンとハルミとの比較をする。
今のところ、トヨメキの方がサトジマンよりいくらか早い成長である。いくら早生なのか、あるいは種籾が購入したもので充実しているのか。その辺はまだ分からない。サトジマンは自然栽培の自家採種のものなので、化学肥料の種籾と違うかもしれない。
種籾は休眠が必要だと考えている。だから冷蔵庫で保存する。自家採種の種籾も、冷蔵庫に入れてあった。それから海水につけた。そして溜め池で一週間ではと胸状態。これは8日間に来年はする。少し芽の出過ぎぐらいの方が発芽がそろう。
今後は一枚の葉が出るのに何日かかるのかが観察の要点になる。五週間で5.5葉期両側への二分ゲツという苗が目標の苗である。石垣ではもっと早く植えるべきだという意見を聞くが、この点は変えられないところだ。自然農法では5.5葉期の大苗田植えが重要なことだ。
また、今は始めて田んぼになる土なので、雑草の種は無い。だんだんに進入してくることだろう。その時にはジャンボタニシ除草を導入するのかどうか。これは、問題になることだが、石垣島で普及したい技術だと考えているので、今後の課題にしたい。