宮古島自衛隊誘致市長当選
宮古島では残念なことに、自衛隊基地建設賛成の現職市長が当選した。この宮古島市民の判断を尊重するしかない。問題はこの島の未来を大きく左右するだろう市長選挙に、何と野党候補が候補の統一を出来なかったのだ。前県議の奥平一夫氏(67)=民進推薦、医師の下地晃氏(63)=社民、社大推薦の2人が自衛隊基地反対の立場で立候補している。375票の差で奥平氏が敗れたのだから、余りに残念な結果だ。一方当選した市長に対して、もう一人賛成派も立候補しているから、この選挙の正確な判断はできないことになるが、誘致派の市長を選択した結果は尊重されなければならない。宮古島がこれからどう変わってゆくのか、注目するところだ。一方、石垣島でも同じ問題がある。市長は選挙による審判なしに、自衛隊誘致をしようとしている。どのような判断になるにしても、市民の選挙による判断は必要なことだ。それが民主主義の未来に対する責任の問題だ。辺野古の問題では辞任寸前に公約を覆し、建設を認めてしまった、翁長知事は長くその卑劣な行為が記憶される。
日米関係は変化してゆく時代に入った。アベ政権は中国を敵視し、日米同盟に依存しようとしている。日中の経済規模は大きく差が開いた。中国は日本の3倍の規模のGDPになるという。今も、中国の経済は6%の成長をし、日本は長く停滞である。日本では中国崩壊論が好まれる。中国の反民主主義社会への批判は私にも当然ある。しかし、それを踏まえたとしても敵視するのは日本にとって禍根を残すことになる。確かに中国は巨大な国で、様々な問題を抱えている。国家資本主義というようなものを行っている。これは日本のように大企業が国益に反して行動することが目立つ中で、有利な要素でもある。株価の操作や、通貨の操作も、批判はあるとしても日本よりも有利に動かすことができる。しかも、まだまだ成長の余地が残されている。国内消費という意味では日本の10倍もの規模がある。これから中国との経済格差は広がってゆき、中国はアメリカと並ぶところまでゆく可能性があるとみている。
アメリカは中国との関係を変える。日本もアメリカより先に中国との関係を見直さなければならない。いつまでも、脱亜入欧ではだめだ。日中戦争の後遺症を引きづっていてはならない。むしろ日本が中国と連携を強め、アジアの連携を構築しなければならない。そして中国が民主主義国家になることを手伝えばいい。そのことを考えれば、沖縄に自衛隊を強化し、アメリカ軍に自由に使わせるという、防人理論は全く時代の読み違いである。トランプの登場、ヨーロッパの国家主義化。こういう状況で宮古島が自衛隊誘致を選択したことは、大きな間違いを生む可能性が高い。まだ最終決定まではしていない、石垣島では冷静に状況の判断をしてもらいたい。少なくともトランプがどのように出るか。またアベ政権がどれほど沖縄に犠牲を押し付けようとするか。十分時間をかけて判断し、住民投票にかける必要があるだろう。
沖縄は世界の観光地になればいいのだ。少なくとも中国やアジアからの観光客はこれから大いに見込める。軍事基地化は愚かな選択だ。固めるのではなく、柔らかく開く。それが沖縄らしい選択だろう。まず、大型の貨客船が接岸できる港を作ることではなかろうか。現在沖縄の農業は資材や流通の面で困難が大きい。直接港から運搬できることになれば、肉牛の生産も拡大するはずだ。温暖な気候を利用した石垣牛の生産地になる可能性が高い。高級な牛肉の生産は中国への輸出も考えれば、可能性が高い分野になるだろう。観光と相まって美しい豊かな島になるはずである。現実にその可能性が広がってきている。もう一つは世界からの人間ドックを受けに来る病院を作ったらどうだろうかと思っている。快適な人間ドックと観光をセットに出来るはずだ。これを国立病院として国が最先端の設備を行う。軌道に乗れば大きな産業になるのではないか。カジノなど考えるよりよほど健全だと思う。