日米軍事同盟の違和感

   

最近色々の場面で違和感を感ずることが増えた。年をとったせいなのかとも思うのだが、どうもそれだけではない気もする。このブログでも確認できる事だが、私の10年間立ち位置はそうは変わったつもりはない。所が、どうも世の中が少しずつ位置を変えてきたようなきがする。一番は原爆の位置だと思う。原爆というものの存在が10年で一般化してきた。イスラム国の様な、異文化に許容度の無い武力集団が、もし原爆を持てば使う事は間違いがない。イラク戦争の際はフセインは持っているかのように匂わすことで、軍事力で優位に立とうとしたのだろう。リビアのカダフィー独裁者も原爆を持とうとしていた。持つ事が出来なかったから、殺されたとも言える。最近の世界情勢は、イスラエルや、イランや北朝鮮が原爆保持にこだわりを強める事が、当然の事に見えてきた。日本もアメリカから独立をして、原爆保持国になろうと言う意見も強まる事だろう。

戦争に対して、痛切な反省を口にしながらも、軍事力に頼る政策にかじを切ろうとしている。積極的平和主義ということなのだろう。これはアメリカの世界を崩壊させるような軍事戦略に同調することである。平和を求めるなら、力に頼るしかない。この考えが破たんしている事は、武力の一番強い、アメリカが世界のいたるところで戦争を繰り返している事でわかる。戦争は終わるどころか、絶え間なく続いている。にもかかわらず、アメリカのオバマ大統領が弱腰だから戦争が拡大しているのだ、という意見が主張される。そんなはずがない。暴力というものは、正義であろうがなかろうが、負の連鎖を起こす。米軍の正義の誤爆で、殺されれば、普通の住民の命が失われ、その恨みはその民族の根底に宿り、増幅して広がる。ベトナムで悲惨な戦争を行い、何も解決できないどころか、ただの虐殺の様な事を行う事になったのが、アメリカの正義である。あれほどひどい戦争をもう忘れている。イスラム国の登場はアメリカのテロとの戦争の結果だ。

今現在も、世界は戦争の拡大、深刻化に進んでいる。戦闘状態は一向に収まる事がない。これは、軍事力では戦争が無くならない、証拠ではないか。勿論、そうした中で日本が武力を放棄すれば、戦争に巻き込まれないかと言えば、そんな事はさすがに考えられない。しかし、一つはっきりしているのは、武力を捨てれば、本当の平和主義で行くしかなくなるという事である。武力の道も、武力放棄の道もどちらの道も険しい道である。しかし、どちらの道が戦争に巻き込まれない道かは、分からないと思う。暴虐な非道な国家が、原爆を保持する世界情勢。もし、イスラム国が原爆を保持したと思えば、最悪の状態が待っている。イスラム国が滅んだとしても、核武装国家は現存する。日本がミサイル防衛を徹底した所で、原爆攻撃を完全に防げる事はない。どの道の選択も、暴力の恐怖が待っている。

この世界情勢の中で、日本はアメリカの武力に隷属する道を選択した。しかも、軍事同盟なのだからと言って、日本も積極的平和主義で、アメリカの戦争に加担して行く道を選択しようとしている。これは、日本が最低限の防衛力でやってきた許容度を越えて行く事になる。アメリカは、常に戦争をして行く国である。その戦争に日本も飲み込まれかねない。中国やロシアが、軍事力を増強しながら、ギリギリの危うい道を進んでいる。しかし、アベノミックスの道は、これ以外の選択が出来ない。経済を優先すれば、軍事力に頼る発想では、日本はアメリカのいいなりになるしかない。今度はTPPを妥結して、食糧生産すら放棄して国外依存の道にすすむ。どう見ても韓国の二の舞である。日本の独立国家としての尊厳ある方向を捨て、ただ経済優先では、おかしいのではないか。まだ多くの日本人が安倍政権の方角は危ういと感じている。しかし、他に方法がないではないか。民主党のやった体たらくを思い出してみろという事で、自民党以外の選択肢がないという事になるのか。

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