5月の自給作業

   

10日目の苗床、全体の様子。一番奥から水が入る。一度水を全体にまわし、そこで水を止める。

5月の畑は、麦が美しい。麦秋というのだろうか。麦の穂は日に日に硬さを増してくる。色は刻々と深まり黄金色に変わってゆく。この美しさは、麦栽培のまさに醍醐味である。こんなにも美しいものを自分が育てたのかと思うと、何処か信じがたいものがある。見渡す限りの麦畑という景色が、子供の頃の5月の里山風景だった。今は麦畑に出会うと、あっ麦を作っている人がいると、改めて思うようになってしまった。足柄平野では10カ所ぐらいのものだろうか。田植えの時期と麦刈はどうしても重なる。毎年、昔の田んぼの裏作として作っていた普通の日本の農家の実力の高さを感じる。田んぼで麦を作る事は、やってみた事はあるが、私には無理だった。それで今は、麦は大豆と組み合わせて作っている。家の畑では、麦が終わって夏野菜を植え付ける事になる。だから、5月に植え付ける野菜は、麦の無い一部に作る事になる。

10日目の苗。今年は早い。

タマネギが良さそうである。草は私としては、良く取ったと思う。鶏小屋に行く通り道に植えてあるので、毎日必ずいくらかの草取りをすることにした。草というものはそれくらい良く伸びる。犬を畑のくいに繋いで遊ばせておいて、しばらく草取りである。毎朝の事で、犬もそこでごろごろするのが楽しみになったようだ。それにしても玉ねぎは面倒くさい。自分たちがいくら立て混んで植えられても大丈夫なくせに、他所の草は大嫌いという変わった植物である。以前、大井町の高尾でタマネギを作られていた自然農法の方を尋ねた時に、タマネギは球が出来上がったらくっ付いているくらいの距離に作るんだと言われていた。その方は斜面に沿ってタマネギを作り、目の前で草取りを出来るようにしていた。肥料はタマネギ1個に、一握りの米ぬかと言われていた。その方のタマネギの持ちの良いのにはびっくりした。一年経っても食べられるタマネギ。

 

4月29日の欠ノ上2番田んぼの様子。ヘヤリーベッチと大麦緑肥

今年もトマトである。今年もハウスに作る。この冬はハウスに小松菜を作らなかったので、ハウスに要らない布団が弾いてある。そのカバーをはがして、そこにトマトを蒔いてある。直播である。上手く行かなければ、苗を買ってくる予定だ。トマトは1本苗を買えば、忽ち5本ぐらいになる。これで、自給は充分である。種を買うよりその方が安いという事になる。それでも、一応は種を買って蒔いては見る。それで上手く行けば、苗は買わない。畑の隅には、なす、ピーマン、は作る。一応草は刈って枯らしてあるので、先ずソバカスを撒く。そして、今日明日にはトラックタ―をかけたいと思う。2週間したら、苗を植える。トオモロコシを撒く。夏野菜は大体は作るが、トオモロコシは必ず作る。良くできると言う事もないが、それでも自給には充分なだけはできる。

10日目の苗箱蒔きの稲の苗。

苗箱に蒔いたもの。かなりの薄蒔きである。これで、そこそこの苗になると思うのだが。どうした訳か、良くなる苗箱と、全くダメな苗箱が出来る。水やりの調子だと思って、今年はとても慎重に進めている。直播もしてみている。ビニールトンネルの外と、内に分けて蒔いてみた。驚くほど違いが出た。ビニールトンネルの外は、まだ芽生えたという所である。こんな調子では水を増やした時に、枯れてしまうだろう。苗の水管理は、そろそろヒタヒタ水にする。最初の2週間は水やり程度。次の2週はヒタヒタ水。そして最後の2週は田んぼ状態。昨年あたりから、苗作りはかなり安定してきた。今のところ今年も順調である。もち米の方がいくらか早く伸びているのは、例年通りである。

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