田んぼの緑肥作物の様子
久野のあしがら農の会の田んぼでは3種類の緑肥作物が作られている。3種3様で面白い。
「ヘヤリーベッチと緑肥麦」 欠ノ上田んぼ
「おなじみのレンゲ」 子ノ神田んぼ
「赤クローバー・クリムソンクローバー」 舟原田んぼ
冬に緑肥作物を作るのは、土を良くするためである。藁を堆肥にして入れると言うのが一番良いと考えているのだが、それでもなかなか土壌の改善が進まない所があるので、緑肥を撒いてみた。欠ノ上では、腐植質の不足を感じたので、実験的に、ヘヤリーベッチと麦を撒いてみた。ばらまきしただけである。4枚の昨年良くなかった田んぼにばらまいたのだが、4枚同じにはならない。こういう所が面白い。冬の日差しの影響がやはり大きいようだ。谷間の田んぼは、冬は極端に日照不足になる。冷たくて凍りついてしまう。その影響もあってなかなか、良い成長にならなかったのだが、ここにきて一気に良くなってきた。麦の成長がいい、今年これで最終まで行ければ種取りをしてみたい。実りが浅くても乾燥まではしてみたい。立派な姿なので、そのまま飾っておくこともできるだろう。
緑肥で問題になるのは、毎年種を買わないとならない点だ。いずれも種は高いし、緑肥の種取りをしなくてはならないと何度も挑戦したが、手間が掛かってそこまで、やれればなあ―と毎年思う所である。麦に関して言えば、5キロくらいなら簡単に採取できそうである。今度畦の草刈りの時にやってみたい。ヘヤリーベッチは草量が多いい点が良い。ともかく繁茂する。これも粘りに粘って種が充実するのを待って、すき込みたい。上手く行くかどうかは年によっての違いになる。いままで上手くいった事はない。それでも、田植え直前にハンマーモアーで刈って、から漉き込む。田植え直前にすき込むことで、抑草が出来る。これも、セルトレーで作る5葉苗の良さだ。強いし活着がいいから、滞りなく定着する。田んぼの土は、青草を含んで発酵を始める。そこに、ソバカスを撒いて、良い発酵に進める。
まあ、良いというのが良く分からない所だが、ともかく草抑えになる場合がある。上からはソバカス。下からは、青草の漉き込み。そして、早めに行う転がし。この3点が揃えば草対策は万全である。ああそうだ、あとは8センチの深水。多様に草を抑える。こうした事が出来るのは、大苗田植えの利点である。だから、総合的に見れば田植え機を使わない農法は、案外に省力的なのだ。予定では23日が荒起こしである。後、24日間。何とか種になってくれるだろうか。毎年ギリギリの事になる。レンゲやクローバーは何とか間に合うのだが、ヘヤリーベッチはダメだろうと思う。家の方の斜面に蒔いた、ヘヤリーベッチは今年は生えてきていない。あれほど茂り、種も付けたのに、再生してくれなくなった。土壌はずいぶん良くなって、今年は畑が出来そうなまでに、草の様子は良くなっている。そろそろハンマーモアーで刈り倒そうかと思う。植え付けた柿の木も、草にか揉まれ、良い芽を出してくれている。
レンゲは平野部の桑原あたりなら、そのまま翌年も出てくると言う事もあったのだが、久野では中々継続できない。種取りをしたこともあるが、手で採取するのではそれこそ大変でもうやりたくない。れんげの種が中国産というのも、なんかすっきりしないのだ。クリムソンクローバーは緑肥でもあるが、まさに景観作物である。これが一面に咲く姿はまさにお花畑で、美しい農業風景としては推奨されてい良い。やはり問題点は種取りである。舟原田んぼでは、上の田んぼのクリムソンクローバーが素晴らしい出来なので、3枚の違いがどこまで出るかである。同じ緑肥を繰り返すより、違う緑肥を作るのがいいと、石綿さんは言われていた。それは、レンゲが連作するとできなくなるという事の延長線の話しではあったが。冬の間田んぼの土を寒風にさらして乾かすという事が土に良くない。それが今まで、指導されてきた農法であるが、それをやったら化学肥料を使わざる得なくなる。やはり、じっくりと土を良くすると言う事が田んぼの基本方針であるべきだ。