大豆の脱粒が終わる。
志賀高原 田ノ原湿原 中盤全紙
大豆の脱粒が終わった。大豊作の190キロと雑未分別が5キロ位はあった。このままさらに干して行くが、180キロ以下という事はないだろう。面積は7畝だから、反収270キロになる。これは、全国的に見ても、大豆としては少ない収量ではない。全国の平均反収量が155キロというのだから、その倍位は収穫している事になる。あらゆる作物で有機農業だから、収量が少ないなどという事は全くない。そうした事実を大豆でも証明できた。きちっとした農業をすれば、農薬も化学肥料も必要ないという事を実践して行くことはとても重要だ。まだ改善点はあるのだが、だいぶ大豆の栽培法が見えてきた気がしている。反収300キロも視野に入ってきた。いずれにしても土壌を良くするということに尽きる。土壌が良ければ、作物は良くできる。病気も虫も付きにくい。当たり前のことだが、土壌が良くなるという意味は難しい事で、土壌分析ぐらいでは本質はみえない。作物の観察で方向を決める事が、難しいのである。
大豆の場合、良く言われるように窒素肥料が多すぎると良くない。自給農業で窒素過多などという事は普通はない。基本的に購入肥料を使うという事がないからである。自分で堆肥を作り入れるとすれば、それほど多くの堆肥やぼかし肥を入れることなどできないことは、やってみればわかることだ。現状では笹村農鶏園から出る発酵床を入れるという事が基本である。そして、もみ殻くん炭である。それらを裏作の小麦の時にたくさん使う。今年は、大豆で作った堆肥を1トン。発酵床を42袋。くん炭を150リットル。これを大豆の収穫後すぐ畑に入れて、耕してある。そして、2週間空けて小麦の播種を行う。小麦の藁は持ち出す。出来れば鶏小屋に入れる。それを畑に戻すことが一番良い。要するに腐食質を増やすという事が、最も大事な大豆の栽培法になる。小麦の様子で、大豆前に何か入れるかを決める。但し、小麦は肥料が必要な作物だから、小麦の播種前に出来るだけ肥料を入れる。可能なら、追肥も行い、先ず小麦をしっかりと作ることが、大豆の栽培にも生きてくる事になると考えている。
後は水分である。大豆は花が咲き結実するには、土壌水分が必要である。この時期雨が降らないと、何らかの方法で水をやらなければならない。大豆の花は、1ヶ月以上の期間徐々に咲き実になってゆく。だから8月後半から、9月一杯はそこそこ雨が必要という事になる。今年はこの時期良く雨が降った。お陰で、実入りが良く、空鞘が少なかった。そして、実った実がどこまで大きく膨らむかである。当然日照も必要になる。雨もあり、日照もある。いわば夜は雨で、昼は晴れるというような天候なら、収量は良くなるという事になる。そして、一気に寒くなれば、葉は一気に枯れて落ちる。実も硬くなってゆく。寒さが一遍に来れば、実は殻がはじけることなく、そのまま鞘を閉じたまま、乾いていくようである。これは今後の観察も必要な事項である。夜雨がある点、一気に寒くなる点、では山の畑の方がいいという事になる。
もう一つ気付いた事がある。それは、播種時期が収穫期に大きく影響するという事だ。遅く撒けば、収穫も遅くなる。当たり前のようだが、案外に種蒔きと収穫は連動しない作物が多いい。大豆は、播種の1週間のづれが、収穫の1週間のづれに繋がる傾向が強い。そのうえ、播種の1週のづれによって収量も変わってくる。その場所その場所の最善の播種時期を見つけることが重要である。土中緑化法は今年も収量的に効果が無い。理由は分からないが、3年やって多収の道は全く見えない。何が悪いのか、もう一度考えてみる必要がある。誰かヒントをくれないだろうか。直播も、ただの苗によるものも、土中緑化法も、収量に差はなかった。土中緑化の株は背丈が大きくはならず、但し実は良く付けていたが、がっしりした株という事にはならなかった。堆肥はかなりいれたのだが、その効果はみえない。