田植え3週間の田んぼ

   

朝焼け 10号 朝のよみがえる空は爽快。命が蘇る様な神秘を感じる。海というものが祈りの場であるということが実感できる。

苗床の跡の生育の良い4番田んぼ

生育の良い7番田んぼから、8番、9番を見ている。

いつも少し生育の遅れる2番田んぼ、去年立ち枯れのあったところは今年もいくらか黄ばんでいる。

草はかなり抑えられている。

田植え3週間の写真である。今日は田植え25日になる。すでにこの時より伸びていて、毎日の生育が目覚ましい。田植えの時点で、6週間の苗作りで5葉期であった。その後平均して8枚から9枚目の葉が出ている。しかし、このあたりから、どれが何枚目か分らなくなる。分げつが急速に増えてくる。この分げつ状態には、田んぼによる違いや、稲の株の違いがはっきりとしてくる。一本植えたまま、そのままというような感じのものもある。中には立ち枯れてしまった株もある。一本だったものが、10株くらいに分げつが進んでいる株もある。この優劣の違いは、種の力、苗作りの良しあしが現われているのだろう。今年の苗の良し悪しがほぼ見えてきた。そこそこの合格だと思う。同じ種もみの苗が、あちこちの田んぼに行っている。特に吉宮さんの田んぼは生育がものすごい。田植えは1週前だったから、最初はその差なのかと思っていたが、現在見ると、ともかく株の育ちがそろっている。田植えが上手いのだろう。浅くしっかり植えているのだと思う。補植もきちっとやっているのだろうか。5週の育苗の苗を植えて4週で水面が見えない生育になっている。

天候の方は雨が少なく、梅雨時にしては日照が充分にあるので、稲の生育には恵まれている。良くなって当たり前だが、期待通りの展開をしていることがうれしい。今年は、早々と縦横のころがしが終わり、草は完ぺきに抑えている。この状態からして、田植え後に播いた、ソバカス抑草効果も一応あったと言っていいのではないだろうか。それでも細かく見れば、転がしたのに草がある田んぼもある。これは、コロガシのやり方の違いもある。コロガシは稲株が痛むのではないかというほどに、稲を倒しても良いので、前後に車を移動させながら、先ず縦方向一方向に深く通る。それを1週目に行うには、良い苗でなければできない。そして3日ほどして立っ直ってきたら、今度は横方向に同じことを行う。これでほぼ草は抑えられる。コロガシは草が無くても行う。転がすと土がサラサラになる。このサラサラ感は田んぼによって違うが、削りっ子を持って田んぼをかきまわし、田んぼの土の感触の違いを感じておく。

何故か田んぼの土の違いによって、草が生えやすい所があることが分ってくる。理由を考えるとそれは様々で、正反対の理由すら出てくる。この推理力こそが田んぼを見る力だと思う。これを育てること以外に、草を抑えることはできない。4週目ぐらいの状態で、追肥の必要を判断する。これは稲の後半の穂に利かすつもりだ。秋落ちを避けるためのもの。追肥は表面へのソバカス散布を行う。この時出来れば発酵したソバカスの方がよりいい。これをほぐしながら表面に広がるように漂わせる。生育の見通しに不安がある場合、追肥のソバカス堆肥を入れる。これが足りないと粒張りの悪い米になる。今年は、何故か、もち米の田んぼの生育が遅れている。湧水の田んぼなので、水温が低いということもあるが、それだけではないようだ。昨年病気が出たので、冬の堆肥入れを控えたことも影響しているのかもしれない。

これからは最後の補植を行う時期になる。6月中に補植すれば、充分に実る。7月に入ると十分な穂はできない。また、2回目のころがしをやっても良い。ころがしより、今年はすでに拾い草ぐらいかもしれない。ある意味もう草取りをやらなくても何とかなる訳だが、草が少しでも少なければ、それだけお米がとれる気がしている。また、田んぼに入り土の感触を確認することも大切。この時期ガス湧きが起こる。地中にすきこまれた藁や雑草が発酵してきている。これを良い方向に進めるには、田んぼの土の攪拌が必要である。補植、ころがし、拾い草、田んぼの地中に入るだけでかなりの効果がある。

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