認可保育所不足
雪の残る明神岳 10号 家のそばで描いたものだ。こういうよい景色の所で暮らせる喜びは格別である。いつまでもこうした風景が残ってゆくことを願っている。
今日はひな祭りである。世田谷区では、認可保育所への入所希望者の60%が入所できない状況ということだ。認可外保育所にはある程度の人は、入っているのだと思うが。横浜市では100%入所を一時とは言え実現したのだから、行政の努力不足というしかない。政府は女性の社会進出を推進すると安倍氏の国会施政方針で力説していたが、政策が実を結んでいないことが分る。女性が社会で普通に働くためには、質の良い保育所が必要なことは誰にでもわかる。そして、政府も労働者人口の減少に対して、女性の社会進出を推進することの必要性を痛感しているはずだ。さらに少子化担当大臣まで置いて、子供の数が増えることを、重要政策としてきたはずだ。ところが、東京では昨年より状況が悪化したという現実がある。一体政府は何を見ているのだろう。この程度のことに有効な政策がとれないようでは、話にならないではないか。東京都だけで、21,000人が待機児童だ。
政府が言っている潜在待機児童数は40万人もいるそうだ。その原因は施設の立地条件と許認可の問題もあるが、根本の問題は保育士の不足が最大の原因と言われている。何故保育士が不足するのかと言えば、待遇が悪いからである。給与が安い割に責任が重いからである。こういうことは政策的に解決できることだ。保育士に成ることは、資格試験的にはそう難しくはないようだ。1年では無理でも2年かければ、独学でも何とかなるようだ。この機会に国は資格試験を、年一回から、毎月1回に変えるひつようがある。しかし、問題は資格を取ったからと言って、保育補助のアルバイトとそうは待遇が変わらない。人手不足であるにもかかわらず、待遇が悪いというのは、保育所の経営状態が良くないからだろう。保育所に給与補助という形で税金を投入する以外にない。何故そういう簡単なことが出来ないかと言えば、国が財政の投入に、本気ではないからである。法人税を下げる余裕はあっても、保育所の充実に回すお金が足りないのだ。
保育士は子育て経験がある世代にとって、最適な職業である。この世代の女性が社会進出をして充実することは、社会全体にとって、有意義でもあり、大切なことだろう。一番多い待機児童は1歳から2歳である。認可保育所に入れないと、仕事に出るのを諦めるか、無認可の施設に預けることに成る。この場合費用が格段に高くなる。認可保育所に入ることが出来れば、事情により無料にもなることもある。しかし、無認可であれば6万円ぐらいから10万円ぐらいには成るようだ。時間や場所で様々なようだが、ベビーホテルやキッズルームという形で、それは施設的にも、保育内容も様々だ。全体でいえば、事故の数も無認可が多いということである。深夜1時間頼むと1400円というようなパターンもある。今の時代暮らしの事情も様々だから、多様な受け入れ方が必要なことも当然である。この点でも認可保育所は対応が不十分である。施設の立地としても、駅のそばにある施設なら、通勤の事情からも利用しやすい人もいるはずだ。
保育所が充実され、女性が働きやすくなれば、労働人口の増加につながり、経済の活性化に寄与するのは政府も明言している。それだけでなく、子供を育てやすくなり、子供の数も増えると考えている。親世代の生活設計の自由度が拡大され、暮らしやすい社会に成る。昔のように3世代同居の暮らし方であれば、何とか家に居るものが見ているということもできた。暮らし方が変わり、社会が子供の面倒を見なくてはならなくなっている。報道では毎日のごとく、子供を虐待する親が後を絶たない状況である。親の置かれた状況が、追い詰められゆがめられてきていると考えた方が良い。格差社会が根本の原因であるが、子供を大切にするということは、何よりも優先されるべきだ。老人の福祉が少々手抜きなっても、子供には変えられない。健全に子供が育つためにも、良い保育所が、安心して経営できるるような社会に成ってほしい。