財務副大臣は何故税金を滞納していたのか

   



 自民党の神田憲次財務副大臣は固定資産税と都市計画税を9回にわたり、計344万3800円滞納していた。名古屋市の市税事務所から会社保有の土地や建物を差し押さえられたのは4回で、差し押さえから納付まで最長で4カ月以上かかっていた。まだ他に滞納があったという報道がある。 

 2013年、2014年、2022年にかけて自身が代表取締役を務める会社が保有する土地・建物の固定資産税を滞納し、差し押さえを4回受けていたことを明らかにした。相当にしたたかな、ちゃっかりな、うっかりな税理士である事が分かる。多分何か他の理由があるはずだ。まさかうっかりなんてはずがない。

 国会議員に対して、物件の差し押さえまで進むというのは、かなり不自然で異常事態である。常習者としてマークされていたらしい。366万円くらいの額だと言うから、国会議員の給与を押さえれば、払うためには十分な収入があるはずだ。どうも衆議院議員になって、税務署と戦うと行っていたという。

 税理士がやることだから、滞納して何かうまみがあるというのだろうか。税金の理解の範囲では、滞納して良いことなど一つも無い。まして、税理士であり、国会議員である人間が、滞納するなど悪い事ばかりである。例えばばれれば、選挙で不利になるだろう。何故滞納などしたのか本当に不思議な気がして成らない。

 選挙のこれからの対立候補は、相手の不動産の謄本を取ってみることだ。差し押さえなどすべてが記載されている。不自然な税金の滞納が見つかるかも知れない。それにしても、文春砲はすごい調査力だ。新聞社の調査報道能力は地に落ちている。すでにやる気概がない。やろうと思えば、財務相の大臣や政務官になった人のチェックはやれるはずだ。

 調査能力の低さのひどさの一番は岸田内閣だ。閣僚の辞任は、旧統一教会との接点が次々と明らかになった山際大志郎経済再生相、死刑執行を軽口に使った葉梨康弘法相、政治資金や選挙活動をめぐる問題のあった寺田稔総務相と続く。その後、秋葉賢也復興相と杉田水脈総務政務官を更迭した。

  さらに、9月の内閣改造以降、山田太郎氏が女性問題を報じられ10月26日に文部科学政務官を辞任。柿沢未途氏が公選法違反事件に関与した疑惑が浮上し、同31日に法務副大臣を辞めた 。そして、今度が神田憲次財務副大臣の税金滞納問題でまたしても辞任。

 何故、これほどひどい状態が続くかと言えば、岸田氏は自分で人事が出来ないからだろう。岸田氏に人事を司る力が無い。党内の様々な圧力の調整だけをしている。行ってみれば、順送り人事である。悪い事をやるような人間が選挙に強く、自民党内でのさばることが多いと言うことだろう。

 そして、杉田議員など相変わらず人権侵害発言を続けている。今やそれが売りなのだ。問題発言をして、法律ぎりぎりの線での炎上で、右翼のアイドル議員の座を狙っているのだ。そんなことは誰にでも分かるにもかかわらず、内閣に入れざる得なかったところに、岸田氏の力のなさが現われている。

 納税の義務は日本国憲法第30条「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」 と決められたものである。私も当然払っている。のぼたん農園でも払っている。滞納したことはない。滞納すれば、世間の利息よりも高い延滞税が付くからだ。

 言い訳としては忙しかったので、任せきりで人に任せたために起きたと、国会で答弁した。しかし、4回も納税を忘れてしまうような税理士が、人に任せにして置いて良いものだろうか。そんなはずはないだろう。本人が承知で、滞納していた事は間違いない。

 愛知県では税金党というおかしな政党があったくらいだから、何税金に特別のものがあるのだろうか。税理士事務所をやっていた人が衆議院議員になった。この人の税理士事務所は繁盛していたかも知れない。何しろ財務副大臣が付いていれば、税務署も甘くなる、かもしれない。

 この人は一応税理士事務所はやっていたが、開店休業らしい。雇われていた取締役もいたらしいが、この人が議員には何年も会っても居ないと言うから、名前だけを貸していたのだろうか。そもそもは東京で設立した会社らしいが、名古屋にビルを6400万円購入して、移転した。銀行からの借金だという。

 賃貸ビルにしてあるそうだ。一部に自分の事務所を置いたらしい。ところが実際には賃貸は行われてはいない。何かおかしいではないか。ビルを投資対象の物件としたと思われる。しかし、転売するのであれば、再押さえが何度も入るというのは、物件の経歴に残るので、そう望ましいことでもない。

 しかし、何らかの理由があり、物件の経歴に差し押さえを残そうとしたのかも知れない。他にも悪い所からの借金があり、ビルが抵当に取られないための手段ならあり得るかもしれない。税金の差し押さえよりも優先されるものは確かにない。

 財務相は増税を目指している。財政が破綻しているからだ。税収以上に使ってしまっているからだ。1000兆円を超える借金のある国だ。まったく情けないことだ。政府を差し押さえる権利が誰かにあるのだろうか。国債を発行しているのは政府だ。

 お金の出入りと
いうものがその政府の状態を一番表している。だから予算員会というものはあらゆる質問が行われる。政府が何をやるにしても結局はお金が動く。お金の出入りを分析すれば、今の日本の在り方が見える。1000兆円も借金があるということは、政治が破綻していると言うことに違いない。

 何しろ日本人一人に1000万円超えの借金があるのだ。4人家族なら、4000万円超えの借金だ。これでは到底差し押さえようすらない。我が家なら2000万円を返さなければならない。これが出来ないならば、神田財務副大臣のように、差し押さえになる。

 確かに国の財政にまで手が回らないので、人任せにしていた。いつの間にか差し押さえられていたのだ。自民党政権に人任せにしたのが間違いだったのだ。私は自民党には任せたくないと言い続けていたのだが、日本人の多くの人が任せてしまった連帯責任をとらされているのだ。ああ情けない。

 財政の状況は最悪なのだ。この状況でも中国が攻めてくるから、軍事費を倍増しようというのだ。中国と仲良くするのにはお金はかからない。何とか中国と仲良くしてもらい、軍事基地など建設しないことだ。アメリカから押しつけられたアメリカの国防戦略だ。

 アメリカに借金で首が回らないから、軍事力強化は無理です。と言えば良い。アメリカは武器を販売して、軍事産業を回したいのだ。無い袖は振れない。同盟国なら理解してくれるかも知れない。理解してくれないなら、縁を切るほか無い。それが同盟国のはずだ。話がずれた。
 

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