サウナ北欧

   



 「サウナ北欧」に行ってきた。上野にあるサウナ北欧はサウナ好きに聖地と呼ばれている。映画サ道に使われたサウナという事である。評判が高いので、一度は行かなければならないと考えていた。今回、東京に2泊するので、北欧のカプセルホテルに泊まって、サウナに入るという計画を立てた。

   場所は上野駅の浅草口のそばである。雨が降っていてもかけ出せば何とかなるくらいの距離にある。都美術館まで、10分というところか。成田に夜遅くついて、上野には12時に着いた。それからアメ横をグルグル回って見物をして、そうではなくて北欧を1時間も探し回って、それからやっと着いた。

 なんで間違ったかと言うと、アメ横にあるサウナを北欧だと思い込んでいたのだ。アメ横は良く行くので、分かったているつもりで探し回ってしまった。真夜中のアメ横の雰囲気がなかなか面白かったので、楽しんでいたというのもある。3人ぐらいの女性の客引きから、「朝まで飲めますよ。」と言われた。

 空いている店は驚くほど少なかった。人通りも寂しいほど。アメ横の真夜中は初めてだった。朝までやっている店、24時間営業の店も少しはあるのだが、大半の店は閉まっていた。新宿のセンター街や池袋の西口あたりの方が、真夜中でも空いている店は多い感じだ。池袋や、新宿のサウナカプセルも泊ったことがある。

 最後には行き着けないで、電話をして「浅草口」だと教えてもらって、やっとたどり着いた。その日はそのまま寝るだけだった。満室で予約がなければ入れないという事になっていた。最近の東京のサウナカプセルは大繁盛なのだ。もちろん予約は入れてあるので、泊まることができた。

 翌朝、起きると早速サウナを目指した。予想していたよりはるかにこじんまりした、サウナである。サウナ北欧の丁寧な訪問記事があるのでリンクしておく。写真入りなので、実際の所が良く良く分かる。あらためて私が説明するより良いと思うので.

  建前では サウナは110℃超えで水風呂が13℃で温度差が100℃ぐらいになるように設定してあるそうだ。私は基本5サイクル入る。これだと2時間もかかる。長風呂どころか、一仕事ということになる。ところが、北欧はせいぜい2サイクルで十分。しかも1サイクル9分が私には限界である。 

 サウナによって、ちょうどよい時間とサイクル数があるので、間違わない方がサ道にかなっている。北欧は初回から3分後には大量に発汗する。私の入り方で言うと、1,慣らしの3分。2,味わいの3分。3,サウナの3分。4,治療の3分という、合計12分になる。

 身体の状態によってだが、普通は3の9分で終わる。我慢して4の治療が必要という時は12分になる。そういう事はあまりないが、田植えなどで、筋肉疲労があるようなときには、12分5回が必要という感じになる。ついでに書いておけば、サウナから出て暑い体を覚ますために水風呂は入らない。

 まず外気にあたる。そして、ぬるい湯にゆっくりとつかる。その後水風呂に入る。暑い体を覚ますためにすぐに水風呂に入るのがサ道らしいが、これは体に良くないと考えている。水風呂はサウナに入る前に入り、身体を十分に冷やしてから、サウナ入りするのが私流である。

 サウナ北欧は慣らし状態が要らない暑さという事になるが、110度越えではないと感じた。せいぜい95度くらいではないか。もちろん熱い方のサウナではあるが、それほどではない。ただ汗をかきやすいという意味では、過去経験がない良い状態である。サウナの状態の調整が絶妙なのだ。

 湿度はかなりある方だと思う。自分で石に水をかけて良いことになっているらしいが、誰もかけないし、静まり返っているサウナ室で、水をかけさせてもらえますかとは到底口に出せない雰囲気である。サ道の為か、本気ムードが漂っている。これは静かでまるで禅堂のようでいい。

 若い人が大半である。これもちょっとびっくり。今時の若い人は静かでマナーが良い。どこのサウナにも常連の程度の低い老人の牢名主がいて、仕切りを入れている。そいつが喋り捲って不愉快極まりないところが多いものだ。サウナ北欧には、そんな空気は皆無。コロナのお陰で老人の自粛か。

 静かな中にテレビの音声が流れている。妙な癒し音楽が流れているところもあるが、あれは私は嫌いだ。異音にしか聞こえない。何がアルファー波だ。テレビの人の声の方がよほど落ち着く。テレビは全く見えない。映りが悪いし、小さいし暗い。まあ見ないのだからそれでいいのだが。

 そもそもサウナ室内にテレビを吊るしてあって、どれくらい持つのだろうか。見たところ古いので、3年ぐらいは使えるのだろうか。あの高温の中電化製品は大したものだ。以前、腕時計をしたまま入ったが、壊れることはなかった。今は時計もメガネもして入ったことはない。

 だからよく回りが見えないのだが、北欧は狭い方のサウナだから、良く見えなくとも問題はない。時計も見えないし、温度計も見えなかった。掃除は行き届いていて、清潔感はある。匂いが臭いというコメントを読んだが、全くそんなことはない。

 
最近東京で泊まるのは、サウナカプセルになった。安いからもあるが、サウナを出て、酒を飲んで、そのまま寝てしまう快適さがたまらない。食べ物はまあまあぐらいだ。安くもないし、上手いというほどではないが、充分なレベルである。生ビールは管理も悪くない。回転がいいのか美味しかった。

 一泊すると帰りに1杯飲めるチケットをくれる。これにはちょっと参る。次も1杯のみに入りたくなる。今も財布に大切に生ビールがしまってある。カプセルは平均以上ではないか。静かに寝ることが出来る。と言ってもどこでも大差がないし、どこでも寝れる。サウナカプセルで4000円なのだから、充分だろう。

 上野だと「しずく」サウナカプセルに泊まることが多いのだが、大差はないが、しずくの方の良さもある。一番はアメ横に近いから、サウナを入った後、アメ横で十分飲んで、それからカプセルで寝るという事には向いている。アメ横飲みはなかなかいいのだ。

 朝にはもう一度サウナに入る。これもサウナカプセルの常道だろう。朝サウナもいいものだ。身体がしゃきっとする。飲み過ぎた体を再生してくれる。気分転換にこれほど良いものはない。朝夕の座禅だと思えば当然のことだ。サ道もそこまで極める必要があるだろう。

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