アメリカと中国の外交交渉

   



 ブリンケン米国務長官と中国の習近平国家主席は19日、北京の人民大会堂で会談した。習氏は協議の「進展」を歓迎した。会談は約30分間行われた。当初は習主席との会談はないと言われていたが、短い時間だが顔を合せる事ができたことは良かった。一歩前進である。

 アメリカではブリンケンがへりくだった形で、習近平と会談をした事に批判が出たという。確かに、中国の主席とアメリカの国務長官がどのような形で対面するかは、双方にとって難しいことなのだろう。習近平としてはアメリカがお願いに来ているという感じが重要と言うことだろう。

 アベ氏は習近平に苦虫を潰したような顔で、相手にせずとあしらわれたことがあった。中国というのはそういう国なのだ。国民にわかるように露骨に表現することが重要なのだ。長い複雑な歴史がそうした権力の姿を作り出したのだろう。いつも習近平の後ろにある絵を見て思うのだが、巨大な絵が中国のどこか幼稚な、こけ脅かし政権を表しているような気がしてならない。

 会談の形はともかく、アメリカは中国に国務長官が出向き、習近平氏と会談を行った。すばらしい急激な変化だ。話し合いを行うことが外交で一番重要なことだ。日本も見習う必要がある。岸田内閣の中国に対する外交方針というものは、そもそも無いのではないか。

 昨年11月APECの際に中首脳会談が行われた。その時の内容が外務省にあるが、
  1. 建設的かつ安定的な日中関係」の構築という共通の方向性を双方の努力で加速していくことが重要である旨述べました。習主席からは、日中関係には幅広い共通利益や協力の可能性がある、日中関係の重要性は変わらない、岸田総理と共に新しい時代の要求に相応しい日中関係の構築していきたい旨述べました。
  2. 岸田総理大臣から、尖閣諸島を巡る情勢を含む東シナ海情勢や、本年8月の中国による EEZ を含む我が国近海への弾道ミサイル発射等日本周辺における中国による軍事的活動について深刻な懸念を表明しました。同時に、日中防衛当局間の海空連絡メカニズムの下でのホットラインの早期運用開始、日中安保対話等による意思疎通の強化で一致しました。また、岸田総理大臣から、台湾海峡の平和と安定の重要性を改めて強調し、中国における人権や邦人拘束事案等について我が方の立場に基づき改めて申し入れるとともに、日本産食品に対する輸入規制の早期撤廃を強く求めました。
 どんな本音が背景にあるのかが見えない。尖閣問題を外交交渉にのせようという姿勢がない。顔を合せて話し合うのだから、もう少し未来に問題の解決の可能性を感じるような展望を日本側から提案すべきだろう。アメリカの言いなりだけが目立つ。

 アメリカは50年前ニクソンが中国を訪問し、平和交渉を行った。そして、日本も巻き込み、台湾との外交関係を断絶させ、中国との国交回復に進んだ。佐藤政権にしてみれば、何の相談もなく、一方的なアメリカの外交方針の変更だった。沖縄返還前後の話である。ベトナム戦争の敗北後のアメリカの世界戦略の変化。

 当時も今も日本には外交という考え方がない。アベ氏など盛んに外国巡りをしていたのだが、あれば一体何だったのだろう。特にプーチンの親友になり、自宅にまで招いて、何一つ得るものが無く極東シベリア開発に協力だけさせられた。アベ氏の見せかけだけの木偶の坊がよく分かる。

 ロシアでは国内の分裂が出てきた。当然のことだろう。大義のない戦争を続けていれば、さまざまな動きが生まれる。これ以上悲惨な戦争をやっていてはならない。ロシアとウクライナも何とか首脳会議を開いて貰いたいものだ。話し合いをしなければ、何も解決は出来ない。戦争では解決を導き出すことはできない。

 日本も是非とも、中国との独自の外交を開始してもらいたい。土下座外交でも、屈辱外交でも良いから、日本から腰を低くお願いして話し合いをしてもらうことだ。つまらないプライドなどいらない。中国と関係をよくすることが、アジアの平和の為だ。沖縄のミサイル基地よりよほど有効になる。

 尖閣問題の解決がまず第一である。尖閣に問題があることを日本から認めて、解決を第三者機関に委ねる姿勢で話し合うことだ。領土など国民の命から見れば、軽いものだ。日本には何千もの無人島がある。無人の国境の島など、それほど重いものではない。

 韓国のユン大統領は、日本に対して、下げにくい頭を下げたではないか。その国を思う姿勢は立派である。日本もユン大統領の英断を支えて行かなければならない。韓国国内の反日運動はかなり深刻な動きで、与党の支持率も下がったと言われている。それでもユン大統領が方針を変えないのは立派だと思う。

 韓国との外交では、何度も決まったことがひっくり返されてきた。それでは外交交渉は出来ない。今度こそ過去を清算して、未来の平和の為に連携しなければならない。何度謝罪するのもかまわない。必要ならば、10回が20回になったところで、まったくかまわない。日本は韓国を植民地化して、日本語を押しつけた歴史があるのだ。
 
 誇り高い韓国人にしてみれば、耐えがたい屈辱だったはずだ。今の韓国は日本より進んだ面が沢山ある。日本は韓国に学んできた国だ。またこれからも韓国から学ぶような気持ちで、韓国と付き合うべきだろう。それが東アジアの平和の為には重要なことになる。
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 米中首脳会談が早く実現することを願う。日本が間を取り持つぐらいの立場であってもらいたい。日本が敵基地先制攻撃ミサイル基地を持つなどと言うことより、平和外交に徹することの方が、よほど日本の安全保障に役立つだろう。アメリカの防人で居る必要ない。
 
 

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