石垣島の生活事情
石垣島で生活を始めて、暮らし方が徐々にわかってきた。まずは人間はごみを出す生き物だ。ゴミによって人間は滅びるだろうという意見が納得できる。ゴミは戸別収集である。旅行できていた時には、ここがわからなかった。旅行ならホテルで捨てる。あるいはコンビニのごみ箱に入れる。飛行場でもよく捨てさせてもらった。町にごみの集積場がないから、どうなっているのかとは思っていた。有難いことに戸別収集に来てくれる。こてってれから年を取るものには朗報である。ただし、ドイツ以上の厳密な分別が要求される。違うものがごみの中にわずかでも混ざっていれば、置いて行ってしまう。果たして、全島民に行われていることかはわからない。街中に暮らす、新住民に対しては驚くほど厳しい。教育的指導という気もしないではないのだが。私はごみには詳しいつもりでいたのだが、ちょっとゴミ出しが怖くなるほどの厳しさである。
これは島のごみ処理施設のことを考えれば、当然のことである。石垣島の最終処分場は満杯である。小田原と一緒で掘り起こして再処理をしている。問題はプラステックごみであろう。ゴミの半分以上がプラステックごみだ。処理方法がない。プラステック製品を禁止する以外に、解決はない。買いたくないのだが、すべてのものがビニール包装である。便利こそ悪魔。ビニールごみを燃やさないで処理することは不可能である。再処理のコストを考えれば、プラステックを使わない方向しかない。困ったのは一回に収集してくれる量は、2個まで。引っ越しの梱包材のごみが、ひと月経過してもまだ山のようにある。今になって、直接搬入の方法もあるらしいということが分かった。絵を描きに行くときに、よくとおる場所がごみ処理施設だった。
食べ物は大体をゆらていく市場に買いに行く。歩いて10分ぐらいの場所だ。片道1500歩。散歩がてら行く。何でもあるので心配いらない。石垣牛から石垣のお米まである。調理済みの食品まで、大体は地域の産物が並んでいる。野菜の味は小田原のスーパーよりはおいしい。物価的に言えば、小田原と大きくは変わらない。魚介類が少し安いとは感じる。外食をすると、小田原と変わらないと感じる。お店によっては観光地価格ということもある。もう一つ不安だったのが通販の商品の配送料である。離島は送りませんとか、配送料がバカ高いものがありそうだった。しかし、実際のところ、配送料無料を探せばいくらでもある。これも心配無用だった。風の強さはどうだろうか。日々の様子では、台風以外はそう心配ない場所のようだ。ご近所の方も静かに暮らされていて、こちらが音を出すのがはばかれるようだ。金物屋さんも商品がそろっていて、どんなものでも基本ある。むしろ小田原よりも必要な物がそろっている。さすがに三線に関するものは、すぐに手に入るのでありがたい。壁に三線の吊り金具を付けた。石垣では箱に入れておかないでも、湿気があるから大丈夫らしい。外に出しておけば、稽古が進むと先生に言われた。
車の渋滞は以前に増している。車が増えているのだろう。観光客は我が家の周辺も歩いている。車でも来る。交通事故が心配である。車は絵を描きに行くとき以外、使わない暮らしを基本にする。役所は税務署も登記所も市役所もおおむね普通の対応である。案外に島の人ではないと思われる人がそういう場所には多い。除湿器はクローゼットと絵の収納庫には常時運転で入れてある。順調に作動しているようだ。屋根裏の温度が高くなると、廃気する装置を付けてあるのだがこれが、12月でも普通に作動している。床板は湿度でそりが生じる不安があったのだが、今のところは全く問題ない。