2018年稲作のまとめ

   

2018

苗床後の収穫直前の様子。いまだ苗床と通路の違いが残っている。奥の2番田んぼはもう稲刈りが進んでいる。

2018年の稲作が無事終了した。畝取りの豊作であった。サトジマン面積が29.71アールで収量が1799.7キロ 反収で605,8キロ。ほぼ安定して畝取りを達成できる状態になっている。難しいこと、特別なことをしているわけではない。ごく当たり前に有機農業の稲作を行っている。有機農業というものが、様々な農法の中でも優れたやり方という事なのだろう。長年土壌を育んできた結果が出ている。土壌づくりの基本は腐植の増加である。あらゆる手段で腐食を増加してきた。腐植を増加させるには時間がかかる。5年間蓄積するとやっと十分な腐植の土壌になる。腐食は耕作する事で減少する。だから、毎年減少分以上に積み重ねて行かなければ良い土壌にはならない。腐植の継続的な増加努力によって良い土壌が形成される。消毒をしないのだから当然病気も出る。虫もつく。しかし、健全な生育のイネが生育していれば、収量に影響が出るほど病気が広がるようなことはない。周囲の環境を含めた、良好な環境が維持できれば、虫が異常繁殖するようなことはない。わずかな虫を見て、慌てて消毒をして、環境を崩す方が被害は大きくなる。

4月7日に籾洗いにはじまった。4月21日に種まき。5月26日に田植え。9月29日と10月7日に稲刈り。10月14日に籾摺り。例年とほぼ同じ流れである。今年の特徴は梅雨が無かったことだろう。天候が良かったので、苗作りは良好であった。苗が良かったので、ここで7割は成功したとみんなで大いに喜んだ。田植え後も晴天が続き初期生育も良かった。途中のイネの観察日では分けつが23本ほどあり、これは相当に良くなるといよいよ喜んだ。この段階では大豊作の予感がした。ところが、夏になり異常な暑さになった。ここからイネの不調が見え始めた。葉色の緑が浅い。いつものように黒々とした緑にはならないまま、むしろ葉色が落ち始めた。土壌が早くも消耗した感がある。イネの初期生育の良さもあり、土壌の肥料成分が使われてしまったような印象があった。草の勢いも例年よりも激しく、雑草による肥料収奪も多かったと思われる。そこで穂肥は確実に与えた。これが最終的には効果を上げた。

出始めた止め葉は50㎝台で十分とは言えないために、心配になったが、その後出た穂の状態はそれなりに回復して、120粒以上で、粒張りもなかなか良く大粒の穂が目立つようになってきた。ところが、この頃から暑さ負けしたかのように、紋枯れ病が出現した。倒伏したかのように見えるのだが、紋枯れ病で倒れた感が強い。今年の稲わらは田んぼに戻せないとここで確信した。しかし、全体を見れば一部だけのことで、あまり心配まではしなかった。所が穂が出たころからスズメが集まり始めた。このスズメの襲来は日に日に数を増して、数百羽にも及んだ。案山子で脅したのだが、もうついてしまったスズメは離れることはなかった。早稲系の峰の雪糯を作ったことが一つの失敗であった。仕方がないので、出来の悪かった田んぼにスズメを集中させて他の田んぼに入らないようにした。毎朝スズメを追い払う事が、大変な日課になったが、この作戦は一応成功したので、他の田んぼでの被害は少ないもので済んだ。この点今は地獄から抜け出たような気分だ。

来年は稲わらを戻さない分、緑肥を十分に育てなければならない。畦に白クローバーを播く。広めの畔のの草をバンカープランツと考える。同時に大豆も撒く。何故か畦の大豆は出来がそれなりに良い。少し邪魔ではあるが、作業でダメになる株は1割以下だ。畦に稲科ではない植物があることが重要だと考えている。虫が偏った発生をしない可能性がある。ともかく田んぼという単調な世界に多様性を持ち込むことは悪くない。田んぼの周辺を含めた環境に多様性があることが大切だと考えている。作業性も良く、安定してクローバーが生えている畦を作りたい。現在も、播いたクローバーが自然に再生してきている。田んぼの中にはレンゲと、赤クローバーを播く。播き方として、何もしないで播く。耕してから蒔いてレーキで軽く覆土。播種してからトラックターで耕す。この3通りの方法で緑肥の成育違いを観察する。

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