衆議院選挙の分析
自民党が大勝したように言われているが、比例区での明確な自民党への得票は33%である。これで過半数を超える多数の議席の確保をした歪んだ選挙結果だ。自民党支持者は3人に1人に過ぎないのだ。この欺瞞の原因は、公明党の自民党候補への投票と小選挙区制度という不公正な選挙制度が理由だ。3分の2の国民が安倍政権に投票したわけではない。おかしな制度の結果、肯定されてしまった安倍政権がこれからどのような暴走を始めるか不安な結果になっている。この流れを作ってしまった現況は、小池希望の党にある。小池希望の党は結果的には野党共闘の刺客となっただけだ。小池氏と自民党の一部議員は連携しているのだろう。選挙に勝利すれば、自民党の一部議員と組んで、自民内反安倍勢力結集の総理大臣氏名まで妄想していたはずだ。所が希望の党の惨敗という結果を受けて、アベ忖度政治という、ソフト独裁がますます強化されたという情けない結果となる。日本の政治は安倍政権にすり寄ることが、保身の道となった。
安倍氏は野望である憲法改定をめざすであろう。自衛隊を海外派兵もできる戦前の軍隊に戻そうという想いのはずだ。選挙結果を受けて、今後憲法改定に向けて議論が起こるであろうが、国民投票には入れないはずだ。どれほど巧みに進めたとしても、明治憲法への先祖がえりを望む国民は3人に1人に過ぎない。海外派兵を認めた憲法違反の安保法制を追認する形の、自衛隊の憲法明記を国民が受け入れるとは、思いたくない。立憲民主党は「右でも左でもなく、前へ。」と主張した。大賛成である。憲法を論議することの先頭に立って大いに議論を行ってもらいたい。世界平和にとって、日本国憲法が希望であることが、議論すればするほど明確になるはずだ。安倍政権の野党のどさくさをみて、急きょ行った総理大臣の解散権など、憲法を改正して辞めさせる必要がある。総理大臣が疑いをごまかしたいときに解散する。こんな保身の衆議院選挙ができる憲法では日本の未来にとって迷惑千万なことだ。
前原氏の意味不明の希望の党への合流がこうした情けない結果を産んだ、一つの要因である。小池氏以上に、日本をダメにする政治家の一人である。民進党が前原氏を党代表に選択したという事がそもそも間違いの出発点である。前原氏を選択したがために、希望の党への合流が起きたのだ。前原氏のおかしさを見抜けないというか、良しとする民進党議員は視野の狭い人間だ。前原氏の野心がみえないのだろう。こんな先見の明のない、代表を選んで良しとするような政党に未来がある訳がない。その意味で民進党が消え、明確な主張のある立憲民主党が誕生したことは、今回の選挙のわずかな救いである。平和憲法支持議員は30%はある。憲法自衛隊明記派支持と変わらない結果である。明治憲法の復活を許さない。原発を止める。そして、1、どのように世界の一国主義への傾向に歯止めをかけるのか。2、日本の平和外交とは何か。3、グローバル企業と国家との関係をどうして行けばよいのか。こうした議論を起こしてほしい。
小選挙区制という日本の政治状況に適合しない。小選挙区を有利とする与党は今後ともこれを変えようとはしないであろう。であれば、野党は野合と言われようとも降車の1本化しかない。そして、状況を覆し、小選挙区を終わりにしなければならない。政治家に選挙制度や報酬を決めさせるのでは、多数派政党の意志に従う事になる。選挙制度の為にこうしたおかしなことが起きているに過ぎない。まだ日本を諦める必要がないという事が分かった選挙であった。立憲民主党と共産党社民党を合わせれば、自民党の得票と。安倍政権はアベノミクス推進だそうだ。アベノミクスとは何なのか。これももう一度洗い直してもらいたい。消費税は子育て世代や教育ににあてるそうだ。それでは財政再建はどうなるのだろう。子育て支援と教育の無償化は、消費税の増税を待つことなく、すぐにでもやらなければならない。選挙公約なのだから、すぐにでも具体策を出してもらいたい。