筆袋を作る

   

筆袋である。10本の筆を入れることができる。これを持って絵を描きにゆく。

広げたところ。燕絣の琉球模様である。材料は絹

絵を描きにゆくときに入れてゆく袋である。10本の筆が入る。絵を描いて居ると夢中でつい筆は失くすものだ。何度悲しい思いをしたか。それで、10本の筆のはいる筆袋を作ってみた。描き終わったらこの筆袋に必ず入れるようにする。1本でも足りなければすぐにわかる。しかしこういう袋は普及しないだろう。水彩の人で10本筆を必要とする人は少ないだろうと思う。

こちら汕頭刺繍の絹布である。

閉じたところ。こちらも来るんで丸めて使う。

 汕頭の刺繡である。とても美しい。

こちらは琉球の紅型を利用した袋物である。銭湯に行くときに使っている。この袋が3000円くらいなら買いたいという人はいる気がする。絹の布は丈夫なものだ。実験で普通に洗濯機で10回洗ってみたが、毛羽立つようなことはなかった。

どれも着物だったものである。素晴らしい絹布が廃棄処分されている。余りにもったいなくて、使い方を考えている。どの布もネットオークションで購入したものだ。使われていない反物だともう少し高くなるが、着物になっている場合、なかには1円購入したものもある。送料の方が高くなるので、同梱希望という事で、10枚まとめて送料込みで3000円くらいで購入できる。つまり高級な手織りの絹の着物でも、1枚300円というような価格なのだ。着るつもりで購入するのではないのだが、物によっては着るように直すこともある。本当は着れる服に直したいと思うのだが、それはさすがに難しい。日本の手織りの織物で、洋服を発表している人も居るのだが、これは普通に使えると思うものは見たことがない。だから伝統的な手織りが廃れ、日本の織物文化が危うくなっているのだろう。どの伝統工芸も似たような流れの中にある。農業も私のやっているようなものは伝統農業と呼ばれ、廃れてゆくものなのだろう。天皇にまで洋服を強制したのが明治政府である。

私は子供の頃から裁縫というものは好きだった。小学生のころ唯一の男性手芸クラブ員であった。父方の祖母は銀座で洋装店を開いていたことがあって、父も洋裁屋をやっていたことがあった。そんなこともあって、ミシンは子供の頃から親しんでいた。今でも袋物位なら、すぐにでも縫える。どれも1時間ほどで楽しく、遊びとして作ったものだ。材料費を入れても3000円くらいなら十分販売できるものだと思う。もちろん廃棄される古着を利用してという事であるが。一枚の着物から、4枚ぐらいは取れる。だから材料費は相当に手織りの良い布を使ったとしても、一つ作るのに100円ぐらいのものだ。手間賃が1500円としても原価1600円である。それを倍で売れば採算が合うのだから、売れないことはないと思っている。やる人はいないものだろうか。自分でやる方が良いのかもしれないが、それを始めたら面白くてやめられなくなり、絵を描く時間が無くなる心配がある。

宮古上布とか、結城紬とか、牛首織とか、アッと思うような布が格安の時がある。何だか騙されたのかという時もない訳ではないが、そんな騙された布でも使いようである。もしこういう布を使ってみたいという人が居たら協力したい。ネットオークションというのが分からないという人が居たら、私がすでに購入しものをお分けしてもいいが、難しいことではないので、慣れることだと思う。オークションで騙されたり、詐欺にあったり、カードを悪用されるのではないかというような不安がある人も居るだろう。私はネットで買い物を日々しているが、おかしなことがあったという経験はない。それほど心配することはないと思う。

 

 

 

 - 水彩画