放射能不検出の問題
NDと表示されている放射能不検出が、実は0と言うことではない。キロ当たり10ベクレル以下は測定できないので分からない。あるいは20ベクレル以下はという場合もある。70と言うのもどこかで見た。水道水のように、0,2ベクレル以下と言う場合もある。それを意図的にというか、不検出という言葉を使うようになった。大抵の人の常識になりつつある。良くないのは、測定法や検出限界を示さないで表示する。ごまかそうと言う意識が見え隠れすることである。こうした行政の一般的な態度が半年以上も続いた結果。放射能の数値の行政のデーターはそうとう怪しいものだということが、普通に言われるようになってしまった。これが放射能不安を広げ、責任のない子供たちに対して、いい訳の出来ない不安を作り出している。
さらに悪いことに、行政は放射能のデーターに過敏に反応することを恐れ、測定すること自体を避ける小田原のような自治体も現れる。これは人災と言っていいレベルに達している。それを問題だとする市民測定が現れる。しかし、放射能に対して専門家でもない人たちが、どこかまでこの問題に対して向かい合えるのかという限界もある。私自身の事でいえば、土壌の測定をすればいいと考えていた。つまり、1000倍くらいの値が出る。土壌が100ベクレルであれば、作物には0、1ベクレル程度である。これなら子供が食べても大丈夫だという考え方である。これはおおよそだから、10倍くらいの1ベクレルまで幅を持って考える。土壌100ベクレルは普通の機械で測定できる。費用も手間もさしてかからない。と言う風に漠然と考えていた。
自給と言うことでは、小田原の普通の畑は15センチの深さで採取すれば、100ベクレルを越える畑は殆どない。つまり耕してしまい15センチを採取して、測定すれば100ベクレルは超えない。一部の耕作してはならないほど高い畑では作らないことである。いずれ、土壌を測定するところから始めなければならない。少しづつ、放射能の値が高そうな地形などは見えてきた。ところがどうもこの考えでは不安な人は収まらない。放射能の移行計数は、どんどんデーターが増えている。これを研究して行けば、100ベクレルの小田原あたりの黒ボク土壌であれば、1ベクレル以上の作物がないことは科学的事実として、認めて大丈夫である。私がそんなことを言った所で信頼性が無いが、専門家は是非科学的に書いてもらいたい。測定が安価で、手軽なら、0,1ベクレルまでできるなら、話は別なのだが。
東京都の水道水の説明ではNDとは、ゼロということではなく、計測器のND値を0.2Bq/kgや0.3Bq/kgに設定することがあるので、それ以下の線量が検出されてもNDとするとある。それでも20ベクレル以下だと思い込んでいる人が結構いる。検出機器の性能と言うこともあるが、大きく言えば検体の量がある。1キロ当たりが一般的なものであるのに、500グラムを測定して、倍にすると検出限界も倍になる。液体の検査をゲルマニウム半導体で10Bq/kgまで詰めるのに、一万円を請求し、1Bq/kgまで詰めるのに一万五千円という記載があった。もう一つ測定誤差がある。測定値がその測定誤差の3倍より小さい値の場合には、結果を数値として示すと正確さを欠く可能性があるため、「ND(不検出)」と表示する。以上の理由で、個々の作物を測定するのでなく、土壌を測定することが重要であると考えるにいたった。自給する私としては、お米を測定して、20以下不検出と言われるより、土壌が50と言われた方が分かりやすいのだが。