稲刈り終わる。
稲が倒れた。初めての経験である。稲にとって最も悪い時期に台風の強い風と雨が、長時間続いた。どちらかと言えば、いつもの年は収穫の時期をできる限り遅らせている。今年の9日の稲刈りはこの地域の平均的な時期である。十分以上に実らせようという考えである。刈り遅れると味が落ちると言うことが言われるが。何度か実験をしてみたが、別段変わらない。穂の軸の最後のあたりに緑が残る所まで置いておく。そしてハザ掛けをする。穂のままで乾燥が進む状態が、何故味覚が落ちることになると言われるのかよく分からない。ハザ掛けをしないで、稲刈りをしながら、ハ―ベスターにかけたことがある。そのまま脱穀できるほど、16%位まで乾燥していた。まずい米にはならなかった。土壌や気候にもよるのだろうが、置いておけるならできるだけ遅い稲刈りがいいと考えている。今年は倒れて居るのを無理やり、稲刈りまで置いておいた。これではあまり意味が無い。
ことしは、欲張りすぎた。東北の分まで作ろうと思って、思いが余った。過ぎたるは及ばざるがごとし。水管理でもすべて多収の方向に進めた。と言っても何をしたのかと言うと良く分からないのだが、稲を多く植えた。一株も2本から5本になった。セルトレーで蒔くときに多めに蒔いた。補植も多かった。代かきもやりすぎるくらい深めにやった。これは多収ではなく、そうなったということであるが。田植え後もコロガシもかけ、チェーン除草までやった。こんなに力を入れたことが無いほどである。精一杯は足りないである。しかし、それでどうなったかと言えば、台風で倒れた。もしあんな大風が来なければと思うと残念であるが、自然と言うものは、そのように理不尽なものだ。人間の無力さを知ることも、田んぼの大切なことである。
それでも、稲刈りが終わればほっとする。去年はこの後イノシシの襲来でひどい目にあったが、今年は、イノシシの皮での脅かしが効いたと見えて、どこかに逃げて行った。穂田さんが良いタイミングで、イノシシを捕ってくれた。生皮でなければだめなのか。どこかで採れた時皮をもらって、冷凍しておく必要があるか。スズメも30羽程度がたまに来るぐらいである。有難いことだ。スズメは養鶏場にはかなりいる。何故田んぼ方面に来ないのか。理由が分かれば対策になる。養鶏場の方で、スズメの餌を蒔いている。これでいいのなら、来年もやってみたい。このまま行けば、ほどほどの収穫はあるはずだ。何か後半病気が出た気がする。倒れた稲が忽ちに枯れたものがあった。病気で弱っていたものが倒れて、枯れて言ったような気がした。イモチがあったのだろうか。田んぼの中央部で、イモチが出るような場所ではなかったのだが。無効分げつが無かった。ヒコバエも少ない。秋落ち気味なのかもしれない。
来年の田んぼは、冬水田んぼにする。地域の方にお願いをする。了解を得られたら、11月には冬水田んぼの準備をする。今までも何度かやってみたが、そうは上手くゆかない。冬水の水管理が出来る田んぼでなければならない。しかし、今年は坊所で、21世紀の農学校が見事な冬水田んぼをやった。その経過を見ながら、少し、やり方が見えた。農の会の坊所田んぼの成功は水土工事であった。しっかりした水土の整備を行うことが、良い田んぼになる。まず平らな田んぼにすること。徹底した平らである。畔は高くしっかりと積む。土手は補強する。入水口、排水口の再検討。整備が終われば水を入れる。