千葉のお米が放射能不検出

   

千葉県北東部の多古町「ふさおとめ」の玄米を採取し検査した。放射能は不検出であった。嬉しい。こんなに喜ばしいニュースは久しぶりである。やはり土壌からの吸収は少ない。千葉県の水田土壌は場所にもよるが、200ベクレル以上はある。たぶん多古町は少ない方ではないはずだ。同時に土壌の調査も行うのが、科学的態度だと思うが行っては居ない。土壌が200ベクレルを越えてもお米には表れない。これは朗報である。土壌が5000ベクレルと言うのが作付限界とされていたが、今回の第1報からすると移行計数は0,1より低いとみられる。放射能が化学肥料と同じならば、移行は少ないほど高くなるはずである。200ベクレルの土壌で10ベクレル以下であったための不検出とみられる。この値が正しいものであるなら、稲の移行計数は、土壌からの根の吸収による移行計数は0,05以下となる。これならさして恐れるに足らない。

例えば小田原の一番高い水田が100ベクレルあったとしてもお米には放射能は現れないということに成る。良かった。案ずるより産むがやすし。舟原田んぼは走り穂が出始めている。昨年の出穂が8月15日だった。おととしは20日過ぎだったので、例年通りと言うところだろうか。我が家の百日紅が8月に入るまで花を咲かせないという状況だったので、だいぶ心配したが何とかなってきたような気がする。今年は我田引水的ではないかと思うのだが、手植えの田んぼは出来が良い。田植え後低温日照不足があり、活着に機械植えの田んぼは時間がかかった。苗代で作った手植え苗はスタートダッシュが良かった。その後梅雨明けが早いというか真夏の暑さがやってきて、どれどれと思っていたら、梅雨が戻ったような天候になった。これで稲の色上がりが悪く、葉も薄く軟な期間が続いた。下の平地の方の田んぼはそれが幸いしたのか、どんどん良くなったのだが、久野では回復できずそのまま出穂期を迎える状況に成っている。

やはり稲に愛情が薄かったことがある。セシュームが何ベクレルとかいわれると、頑張らないといけないような、無理があった。何しろお茶摘みが終わって、放射能の検出、廃棄処分。その後始末。除染作業。気の重いことが続いた。今も続いている。田んぼもどうなることか心配が尽きなかった。山に降り積もった。放射能が田んぼに流れ込み、田んぼの汚染が強まるのではないか。そう思って居た所に、稲藁の汚染が見つかる。どういうことか把握できないまま、不安だけはどこかに残っていた。それが、何と千葉県北東部の多古町で不検出である。ほっとした。すべては科学的調査である。調査をしないで、あれこれ不安だけを増幅していれば、心理的に参ってしまう。今回の事故以前の土壌の数値を自分なりに把握する。他人が言うことを聞いても駄目だ。そして、現在の土壌調査を自ら行う。これ以外、不安から抜け出す方法はない。

堆肥から放射能が検出されて、一切の移動の禁止が農水の指導である。これも、科学的な測定をする以外に安心は確立できない。空間線量などいくら測定しても、疑心暗鬼だけ深まり、何の安心にもつながらない。放射線量ではなく、放射性物質の量の把握である。落ち葉にはどのくらいの放射性物質が付着しているのか、測定すべきである。有機農業を行うものには深刻なことである。小田原位だと、場所によっては全く影響のない場所もあるが、場所によっては濃度の濃い所もある。いずれ落ち葉は、稲藁と似たような濃縮をしている可能性がある。雨が集まるような所はまずい。常緑樹も良くない。しかし、稲藁について本当のところは、解明されたのだろうか。

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