飲み会を絶対に断らない女

   


 バンナだけ南西斜面である。今度ここを描こうと思っている。上の方に草地が続いている。

 飲み会を絶対に断らない女と自らを語った山田真貴子氏。成績優秀で官僚になり出世した人の言葉である。余り良い言葉ではないが、当人が言うのだからそれも仕方がないことである。いろいろの意味でこの人はすごい人だと思う。
 もし本当にそうだったのか、あるいはそうあるべきと考えているのか。ある意味覚悟した打算のある生き方を隠すことなく、公言する人なのだろう。それを良しとする人生観であり、人にそれを勧めている。半端な人ではないと言うことだろう。

 いろいろの場面で女性の方が優秀だと思うことの方が多かった。特に役所とのやりとりの中ではそういう経験が多かった。熱心だし、親身になってくれる女性の人が多かった。お役人と言うロボット対応ではなく、人間だなと思うまじめなことが良くあった。

 絵の世界では飲み会好きの女の人が、のし上がって行くのは確かだ。そういう姿を何人か見たことがある。絵の世界では断らないと言うより、自ら率先して飲み会を仕切るというような女の人がいるが、たぶんそれとは違うのだろう。絵の世界もひどく男尊女卑である。

 何しろ日本の官僚や政治の世界は、ほとんどが、森氏や二階氏や麻生氏のような人達で形成されている。その世界で抜きん出る女の人は大変なことに違いない。その精鋭は女性陣としては丸川氏や杉田水脈氏や河井杏里議員のような変わった人が紛れ込んでいるという感じがしてしまう。そして官僚にも山田女史という怪物がいたのだ。

 官僚の世界でのし上がるような山田女史を作り上げたのは、菅流の人事による汚い人間操作である。総務省で総務審議官や情報流通局長ら11人の幹部職員が処分を受けた。菅義偉首相の長男、正剛氏が取り持った放送関連会社、東北新社の「連続接待事件」に参加し「公務員倫理法違反」を問われた面々だ。

 総務省の役人を倫理のない人間にしてしまったのは、間違いなく菅総務大臣である。そのボスであったアベ長期政権である。菅氏を忖度しない限り重要なポストには付けない。菅氏の顔色だけを見ていて出世できた人間たちである。

 当然、菅氏の長男の動きには敏感なことであったであろう。菅氏の長男の動きに気付かないような総務官僚は出世できないはずだ。その結果、山田氏は見事に出世したのだ。総務省中枢をむしばんだ倫理崩壊の淵源をたどると「菅総務大臣」に行き着く。

 菅氏は3つの大間違いをした。一つは、自分の長男を大臣秘書官にして総務相に売り込んだこと。これが今になってたたっている。二つ目は、かんぽ生命の不正勧誘問題報道でNHKに圧力をかけるようなひとを次官コースで優遇したこと。そして、3つ目が山田氏が外資資本の20%超えを見逃した功績で、総理広報官に取り上げられ、女性として初の次官とするような見え透いた人事である。

 菅氏の人事への介入によって、言いなりになる人間ばかりになった。アベ長期政権の中で、官僚の精神はズタズタにされてしまう。これで傷つかない強靱な精神が、まさに自ら絶対に飲み会を断らない女だと公言した無神経だろう。露骨なおべっかや、国会で菅長男に気付かなかったなどと平気で言える人なのだ。

 あの学術会議の任命拒否事件は菅流の国民奴隷化戦略なのだ。これを許せば、能力ではなく、忖度力で組織が構成される社会になる。究極の独裁体制である。最低の世の中になるのだ。だから、学術会議には頑張ってほしいものだ。勲章が欲しいからここはうまく収めようなどと思う人は学術会議にはいないはずだと信じたい。

 何故、東北新社が総務相を接待していたのかがだんだん明らかになってきた。そして何故、菅総理大臣が一度は留任させたのか。よほどの功績があったのだ。つまり、違法を見逃してくれた。ここで左遷すれば、自分の得意の人事の効力が失せるのだ。それでつい、粘ったのだろう。

 総務省の接待事件の意味が明らかになってきた。ひどい官僚世界の実態が見えてきた。菅氏に言いなりになるような人達では、日本をダメにするばかりであろう。日本の官僚すべてがそんな人ではないと信じたいが。

 菅義偉首相の長男正剛氏の勤務先東北新社は、外国資本の出資比率が20%を上回り放送法に違反していた。総務省から高精細の「BS4K」の衛星基幹放送事業者として認定を受けた2カ月後の2017年3月末時点で外資比率が21.23%に達し、規制に抵触した状態だったが、同省は認定を取り消していなかった。

 認可の決裁者の局長は、情報流通行政局長(当時)の山田真貴子・前内閣広報官だった。同省の吉田博史情報流通行政局長は予算委で「当時の担当者は(東北新社が外資規制に)違反しているとは思っていなかった」と釈明した訳だが、それが事実だとすれば、監督すべき局長が肝心の外資比率を見逃したというお粗末と言うことになる。これだけはあり得ないことだ。

 東北新社が何故、接待部長として菅総務大臣の長男を雇用したのか、わかりやすいことになった。衛生放送会社として認可されるために、総務大臣の長男を雇用し、総務省を接待責めにしたことは、いままでの事実だけでも充分想像は出来た。

 しかし、今度出てきた外資資本出資違反は初めから計画されていたと見るべきかもしれない。どういう外資なのであろうか。中国資本というようなことなのだろうか。何故外資が出資を高めているのを認可直後に東北新社が見逃したのか。よく分からないが、裏があるとしか思えない。ともかく接待をして、無理矢理衛星放送を認可して貰おうという態度である。

 ここに絶対に飲み会を断らない女の山田女史が登場する。飲み会を断らないで人脈を築いて来たのだ。長男から取り入り、菅氏の評価を受けた。実にやり手である。アベ長期政権は日本の官僚の精神をメチャクチャにしてしまった流れが明白になったようだ。

 アベ長期政権がここまで長く止まった理由は官僚たちが、自分の身分の確保のために、アベ政権が続くように回りから支えたが為だ。悔しかった官僚もいるはずだ。そもそも優秀な官僚は辞めていったのかもしれない。能力があるならば、こんな忖度がはびこる官僚社会に嫌気がさしたはずだ。

 官僚の堕落も、日本の劣化の一つの病巣のようだ。官僚が国会答弁したとしても、すべてが忖度であり、政権を助けるため嘘でも平気でつくという人達になってしまったのだ。その象徴的な人物が山田氏である。出資比率を見落とすような無能な局長が、女性初の次官コースに乗ったのは飲み会を断らなかったからと言うことか。

 官庁のブラックワークで若い人の退職が相次いでいるという。無理もないだろう。優秀な人達をだめにしたのはアベ長期政権である。アベ、菅コンビが日本をだめにしたのだ。日本は心底やり直す以外にない。
 

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