牧草地の草管理、ネズミノオの駆除方法

   

 手前の茶色い刈れた草がネズミノオ

 ネズミノオは石垣島の牧草地では一番やっかいな雑草である。何しろ、この雑草に勝てる草は他に見たことがない。例えば、グリンモンスターと呼ばれる葛とか。アメリカセンダングサとか、アメリカハマグルマとか、とてつもない迷惑雑草が、ネズミノオには勝てないのだ。

  それでも、強い鉄道敷地用除草剤を使って駆除することは出来るが、のぼたん農園で除草剤は使えない。自然農法的な駆除の方法はどうすれば良いかである。以前、ユンボを使い大きな株を根こそぎ抜く作業をしたことがあったが、忽ちに再生して、むしろ前以上に広がってしまった。種が原因だった。

 ネズミノオは無限と言えるような数の種を付けるので、すでに地中には恐ろしいほどの種があると考えなければ成らない。ネズミノオの種が野鳥の餌には成っていると言われる。雑草の種というのは数年立ったぐらいではまだ発芽能力は衰えず、いくらでも発芽してくる。

 この際勢力の強い草の、種の発芽力が衰えるまで、物理的に対応する以外にネズミノオを抑える方法はないだろう。繰返し耕耘するほか無い。しばらく前から色々な方法を考えてきたのだが、やっと新しい方法を考えたので、取り組んでみている。新しいといっても、当たり前の古い方法である、土を繰り返す耕すという方法だ。

 前回ユンボではだめだったので、今度は全面をトラックターで耕すことにした。耕せば、今枯れ残っているネズミノオの株は土に混ぜてしまうことは出来る。根が簡単には抜けないとみていたが、1月末の時期であれば、トラックター耕耘で、何と大きな株をを砕きながら起すことが出来た。

 一見きれいな畑になったように見えるが、実は無数の種が新しい耕耘した土壌にまき散らされて、発芽をしてくるに違いない。発芽してきたものにどのように対応をするかが、これから重要になる。発芽させては耕耘するを繰り返して行くというのが一つの方法であろう。

 しかし、ただただ耕耘を繰り返すというのもさすがに馬鹿馬鹿しい。ただ耕せばまた新しい種子が地表に近づくので発芽する。だから耕耘で耐えさせるためには、一年耕耘を続けるくらいのことをしなければ無理だろう。一年間畑にして作物を植えることにした。

 畑であれば、ただの耕耘ではなく、畑の除草である。これから準備して3月3日に大豆の種を蒔く予定である。畑であれば、雑草の対応のために管理機を入れて耕耘が出来る。度々耕耘することが、大豆畑の管理として出来るから、それなりのネズミノオ対策になると考えている。

 大豆が終われば、小麦を蒔くのもありかも知れない。とこかく、何かを作付けて、1年間耕作を続けることで、ネズミノオの発芽を抑える。一年ほど抑えたところで、緑肥作物を蒔くのはどうかと思っている。緑肥作物が良く出たところで、また牧草地として水牛を入れれば、ネズミノオのない牧草地が再生できるかも知れない。

 例えば今回上半分の畑にする以外の場所に、菜の花の種を蒔いてみて、菜の花がネズミノオとどのような関係になるかを観察してみたい。菜の花である程度抑えられるならば、他の部分の牧草地でも同じことをして行きたい。菜の花でだめならば、牧草の種を蒔くというのもある。

 B牧草地の上の段などはかなりネズミノオが広がってきている。A地区で上手くゆくようならば、B地区でも試みてみたい。多分他所の牧草地では、ネズミノオが出たらすぐに取り除いているのだろう。これがなかなか出来ないことだが。すこしづつ始める以外、対応策がない。

 除草剤を使わない牧草地管理はなかなか難しいものと言うことが今更ながら分かってきた。冬のない石垣島では確かに一年中牧草地は緑だ。年5回牧草をかることができると言われている。それは雑草も一年中繁茂していると言うことになる。
 
 トラックターで耕すことで、ネズミノオの根が砕けると言うことは分かった。これはススキでは無理だ。しかしススキが増えてきたら、ススキを刈払機で刈り取れば、水牛は出てきた新芽は食べてくれる。水牛がある程度食べてくれれば、ススキが牧草に勝って繁茂することはない。

 水牛が居てくれるから、牧草地の管理が出来ている。これでネズミノオまで食べてくれる、家畜が居れば一番良いのだが、そんな家畜は居ないのだろう。草地管理は亜熱帯地域なりの難しさがある。ネズミノオが広がったところは、一度畑にして無くなるまで管理するというのが、今のところ良さそうだ。
 

 - 楽観農園