のぼたん農園の新たな目標
台湾の自然農法農家を見学させていただき、大切な学ぶところがあった。それを踏まえて、のぼたん農園の今年の目標を、新たな気持ちで考えてみたい。その一番は美しい農園である。そこに居るだけで、気持ちが明るくなるような農場を目指したい。
具体的には花の咲いている農園である。花が至る所に咲き乱れたような農園が良い。花は人の心を明るく豊かにしてくれる。現状は雑草に負けている。これをなんとか制御して、花が咲くような環境を作り出したい。石垣島の旺盛な雑草に負けない。制御されている美しい農園でなければならない。
のぼたん農園の名前にあるように、先ずはのぼたん園の整備をしたい。最近ススキがのぼたんを圧倒するようになっている。ススキを刈払い、のぼたんの群生地である事を大切にしたい。まず、ハンマーモアーで周囲をきれいにする。その上で、のぼたんの間を草刈りしたい。
牛が放牧されていた頃は、のぼたんは牛が食べないので、のぼたんの群生地が出現したのだと思う。のぼたんがの群生地を保護することは、石垣島らしい美しい農園に成る第一のことだろう。のぼたんがある辺りは水牛を放すことは出来ない。もう少し手を入れて管理してゆく必要がある。
そしてネズミノオ対策だ。ネズミノオが放牧地に広がり始めている。刈払機で刈り取ってから、トラックターで丁寧に耕耘を繰り返す。そして一ヶ月ぐらいおいてから、再生してきたところで、もう一度耕耘を繰り返す。そして牧草を撒く。先ずは黄からしなを蒔いてみようかと思っている。
牧草地を黄色い花で先ずは一杯にしてみる。それでもネズミノオは再生してくる。もう一度トラックターできれいに耕す。これを繰り返して行う。ネズミノオを根絶出来るところまで進めてみたい。先ずはA 放牧地の下半分の平らな部分は耕耘した後、大豆を作ってみたい。
A牧草地の下半分は大豆を作りながら、ネズミノオが芽を出したところで抑えてゆく。これを繰り返して、しばらくは畑として管理してゆく。畑として使わないときには、緑肥を撒いて置く。それが水牛の飼料としても利用できるように、マメ科の緑肥を撒く。
次の課題は水源の林作りである。溜め池の上に大きくなる木を植えてゆく。どんな木でも良いが、現在は草地になっているが、ここに大きくなる樹木を植えてゆく。将来樹木が育てば、下のため池に沸く水も増えてくれると考えられる。
苗木が手に入るものをまずは植えてゆく。先日文香さんが持ってきてくれた、ビワの苗木は良い場所に植え込みたい。ビワは薬用植物である。ビワ葉はシップに使うことができる。実がなるようになれば、来た人が食べることもできる。まずは道路際に植えてみよう。
小田原でも舟原に越したときに植えたビワが今は一派な大木になり、毎年実をつける。欠ノ上田んぼの田植えのころに実をつける。毎年ビワのみを食べる。自分が苗木を植えた木が、見事な木になり、実を食べることができることが、実に楽しい。
栴檀の苗を植えたい。前にも注文したのだが、後から石垣島なので送れないといわれてしまった。もう一度申し込んでみる。どうしてもだめなら、小田原の渡部さんに買ってもらい、送ってもらう。ついつい後回しになっているが、もうこれ以上先延ばしにしないほうがいいだろう。
田んぼの周りにも花が欲しい。各田んぼの邪魔にならない場所に、ハイビスカスを風よけを兼ねて植えたい。今は一番田んぼだけハイビスカスがあるのだが、各田んぼが好きな花木を植えると、自分の田んぼの木になっていいと思う。その木が育ち、自分の田んぼの象徴になる。
牧草地が美しい牧草で満杯になるように徐々にいらない草を取り払ってゆく必要もある。ススキも風よけや日陰になっているので、邪魔にする必要はないが、適度に広がらないようにしないと、牧草がきれいに広がらない。やはり美しい範囲で調和する牧草地にしなければならない。
ため池の整備もしたい。ため池の周辺に植えた、バナナやヒカゲヘゴがもう少し美しく見えるように整備したい。木に付けた蘭ももう少し管理しなければいただいた峯田さんに申し訳がない。ため池の周囲は入りにくいので管理がおろそかになっている。
一番田んぼとの関係で作業道とあぜ道の整備をする必要がある。まず田んぼの周囲に作業道を作り管理しやすくする必要があるだろう。刈払機を持って作業ができれる道があれば、もう少し管理が行き届くだろう。その作業道が水神の周辺までうまくつながればいい。
次に、現在使っていない下の5つの田んぼの整備である。8番田んぼにあたるところは現在、田芋の畑になっている。もう少し田芋を植えて田んぼ全体に広がるようにしたい。その下の9番田んぼも水はたまるので、水があってもいい作物を植えたい。
水が安定して増えてきたら、9番までは田んぼにできると思われる。それまでは暫定的な形で、管理してゆきたい。今、ため池に漬けた中流米の種もみを実験的に直播にしてみるのもよいかもしれない。ネットをかぶせておけば、それなりに残るのではないだろうか。ダメでもいいので試みてみよう。
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10番から、11番、12番は、水が行かないようにして、畑として利用するようにしたい。ここは土が比較的良いので、パイナップル。サトウキビを植えたい。サトウキビができたならば、水牛で砂糖づくりをしたい。みんなの自給用の砂糖ぐらいは生産したいものだ。
こうして改めて考えてみると、やりたいことがまだまだ出てくる。3年目の課題は美しい農園の環境整備ということだろう。ここに挙げたことは、3年目の目標として、やり遂げたい。美しい農園の完成に向けて、まだまだやることは山済みだが、不可能な目標ではない。
修学院離宮が天皇家の国家を考えた美意識だとすれば、のぼたん農園は自給農業者一人一人の多様な美意識の集合体である。淡水の幸福農荘が秀明自然農法の美意識だとすれば、のぼたん農園は、一人一人違う美意識が重なり合い、総合としてのぼたん農園の美になるような世界観。
個々人としての多様性があり、そして自給という価値観での総合。宗教的ではなく、個人の自立した思想に基づく自給。自立しているから、それぞれに違う。違うものであるが、自給という思想で総合される。それがのぼたん農園全体としての美として表現される。
石垣島の気候がまだ十分に把握できていない。十分に作物ができるようになれば、必ずそこには周囲の環境との調和ができるはずだ。それには最低でもあと3年かかる。土壌が豊かなものになるためには、「あかうきくさ農法」が重要になるだろう。私個人の自給の目標として、「ひこばえ農法」の完成を目指したい。