自民党パー券キックバック問題

   



 自民党パー券キックバック問題に対して、修正申告さえすれば、1000万円以下ななら犯罪にはならないと説明をしていた自民党議員がいた。たんなる脱税事件だと考えているのだ。この問題はそういう軽い問題では無い。自民党政治家がなぜ、裏金を必要とするのかという問題なのだ。

 自民党議員がパー券押しつけ販売を繰り返してきた理由は、自民党政治にはお金がいるからである。また、パー券を買う側の理由は、メカジメ料である。自民党議員から頼まれて、断れば何かやるときに不都合があるかもしれないと言う不安に基づいている。もちろん議員に何かとお願いをする事もある。

 自民党議員に頼み事をする人は、パー券ぐらいは買うだろう。例えば就職である。NHKのアナウンサーに就職したいという息子を、ある自民党議員に頼んで就職できたという事例を知っている。地元の役所に勤めたいなど就職の依頼を議員にすると言うことは、在りそうなことだ。

 企業であれば、仕事がスムースに進むために、自民党議員に口利きをしてもらうと言うことは、頻繁にあるはずだ。実際にそうした事例をいくつも知っている。公共事業に議員が関与するのは、良く聞く話だ。例えば、先日の風力発電の賄賂事件など事例はいくらでもある。

 つまり、与党議員は様々な口利き屋をやっているのだ。その口利き料がパー券裏金に繋がっている。派閥がパー券キックバック方式を長年続けていたのは、裏金作りのばれにくい仕組みだからだ。個人がパー券を集めて、それを政治資金に報告しなければ、ばれやすい。企業に税務調査が入り、何先生のパー券を購入したと出てくれば、一巻の終わりだ。

 しかし、派閥のパー券のキックバックというか、中抜き方式はばれにくい。この集めたパー券のお金は派閥に上納しましたですんでしまう。上納されたお金の処理は派閥で何とか、出入りが分からないようにしてきたのだろう。前もサクラの会事件での、前日の一流ホテルの飲食代金がおかしいというのがあった。

 パーティーにいくらかかったかなど、一番ごまかしやすい。会場費の仕事が欲しい側とすれば、領収書の方は良いように書きますよ、と言うことはある事だろう。さらに言えば開催もされていないパーティー費用でも分かりにくい。この差額がキックバックされたとしても誰にも見えない。キックバックがあるから、一生懸命派閥のパー券販売に精を出したのだろう。

 また多く売れば、派閥で上位に位置することが出来る。大臣や政務官に成れるかもしれない。上位に位置すれば、大臣になれるかもしれない。大臣になれば選挙も安泰である。そもそも政治家になった以上大臣になりたいというのもあるだろう。名誉欲議員も多い。

 ではなぜ派閥にそんなにお金がいるのだろうか。そもそも議員がなぜ裏金が必要なのか。議員は十分なお金を貰っている。様々な優遇措置もある。その理由は選挙資金である。あのアベ派の河井案里議員は15000万円を選挙資金にアベから配布してもらった。もらったことも認めたし、違法性もないとされた。

 この事件は表沙汰になった。夫婦2人が有罪になったからその手口は公開された。選挙に使ってしまったのだ。なぜ選挙に1億5千万円ものお金がいるのかである。どうも検察はもらった県会議員達に、訴追しないから本当のことを言えと言うことで、ベラベラしゃべったのだ。

 恐ろしいほどのお金が、陣中見舞いと言うことで、配られていたのだ。その結果当選した。これはばれた事例である。ばれない事例がほとんどなはずだ。これは自民党選挙の文化なのだろう。1億5千万がばれたのは、他の議員はそんなにもらっていなかったからにすぎない。

 選挙にお金がかかるのは、選挙に再生してお金を貰うのが慣例になっているからだ。地域の衆議院議員であれば、その手下の議員達に、それなりのお金を配らなければならないことになっているのだろう。それをしないとケチなやろうと言うことで言うことを聞かなくなる。

 こんなような腐った世界に自民党は成ってしまったのだ。自民党をこんな政党にしたのは、有権者である。パー券を買う人達である。つまり、社会の一部に、こうした悪習慣を受け入れている人達がいるのだ。多分、正月にはそうした商工会の新年会などが、全国で開かれることだろう。

 地域社会で上手くやるためには、パー券購入のような学習が必要になる。これが日本社会の現状なのだ。戦後一度はこうした悪い社会は取り払われた。しかし、このグズグズの賄賂社会が、アベ派を中心にまた復活したのだ。その大本締めがアベだったのだ。それがサクラの会事件に見える。

 忖度していれば、悪いようにはしないから社会である。菅が起した学術会議任命事件なども同じだ。政府の言うことを聞かない奴は人事で痛い目を見るという見せしめが必要になったのだ。出世したければ言いなりになれという、真綿首支配である。

 政治家が異常なお金を必要とするのは、こうした忖度社会の潤滑油資金なのだ。これが日本社会を停滞に招いた原因である。公平でない社会では、活力が削がれるのだ。頑張っても空しい気分の蔓延。既成勢力がこの暗黒社会を支配しようとするから、新しい芽が育たないこと
になった。

 パー券を買うような精神の連中には、次の世界を切り開くような進取な精神がない。だから新産業が現われない日本になった。日本の停滞の一番の原因は、この見えない、良いようにしてやるから言うことを聞けという、支配体制である。

 これを直すための方法はある。簡単なことである。政治家の資金の出入りはすべて、クレジット決済のみにするのだ。それだけで良い。このクレジット口座は誰にでも見えるものにしておく。難しいことではない。すぐにでも変えられることだ。

 ところが絶対に自民党には出来ない。そのように変えれば、誰もパー券など買わないからだ。自分だけ得をしたいから、パー券を買うのだ。それが公開されたら、そのメカジメ料の効果がなくなる。それでもクレジット決済にするにはどうすれば良いか。

 これも簡単なことだ。政治資金クレジット法案に反対する自民党に投票しないだけで良い。それでけで自民党政権が交代になる。野党はクレジット決済を選挙公約にするだけで言い。これで日本の政治はかなり変るはずだ。汚いやり口がかなり減るはずだ。まともで公平な社会が戻れば、日本は必ず再生できる。

 誰でもが気持ちよく働ける公平な社会になれば、生産性も上がる。強制されていやいや働くのと、自らが働くことを喜びとして働ける社会になれば、社会は前向きに変る。日本人の活力の衰退した一番の原因は政治の世界の腐敗にあるのだ。

 - Peace Cafe