夏の肉体労働も悪くない。

   



 いつも来るカンムリワシだ。良くなれていて、人のすぐそばまで来る。触ったことはないが、触れそうな距離まで近づくことが出来る。カンムリワシは特別天然記念物である。100羽程度が石垣島に生息すると言われている。この地上に存在する100分の1である。

 のぼたん農園では毎日何かしら身体を動かしている。絵ばかり描いていることもあるのだが、それでも1,2時間農作業をしない日はない。これが絵を描く上で気晴らしになり、良いような気がしている。今回の田んぼの整備では、朝8時30分から、夕方7時頃まで3日間連続で働いた。今日もう1日作業があるから、4日関連ぞきうである。

 石垣の強烈な暑さの中何とかなった。身体に問題が起きなかった。まだまだ肉体労働ができる身体だと言うことが分かった。良く熱中症が問題と言うことが言われるが、今のところは大丈夫だ。水分補給は良くしている。昼ご飯もしっかり食べている。暑くても食欲は減らない。

 熱中症になった事が一回ある。はサウナに行ったときで、普段の農作業で熱中症になったことはない。サウナで熱中症になったときも、自分で対応できる範囲だった。この時の経験で熱中症のことがある程度理解できた。思考能力が低下すると言うことだった。熱中症である事が自分で分からないのだ。

 熱中症と言うものを体験できたので、その後肉体労働中にどういう状態だと、この後熱中症になるかが分かるので、事前に対応が出来るようになった。熱中症は身体が弱っているときになりやすいようだ。水分塩分を取ると言うが、普通に冷たいお茶を飲んで休んでいれば大丈夫だ。


 建設途中の道。

 去年と一昨年連続で、強烈な陽射しで皮膚が炎症を起してしまった。病院は極力避けているのだが、皮膚科の病院に行かなければならないほどになってしまった。それから日除けには気をつけている。今年は今のところ何とかしのいでいる。やはり、ワークマンのUVカット作業着を着てから調子が良い。

 腕には2重にUVカットの腕カバーをしている。去年は腕からやられた。もちろん長袖は着ている。昔から、農作業に長ズボンと長袖は当たり前だったのだが、石垣では重ね着をしなければ、ひどい日焼けになることがある。長袖に腕カバーを縫い付けてある。これで腕からの日焼けは何とかなっている。

 次の問題は首筋である。つばの広めの帽子は常にかぶっているのだが、それでも首筋がやられる。それで最近は手ぬぐいを首に巻いている。汗をかけば手ぬぐいで拭くことも出来るので具合が良い。いつもマフラーのように手ぬぐいを巻いていると暑苦しいのだが、これも農作業の必需品だ。

 一体型の肩から背中腕を覆う、UVカットカバーも有効。石垣の夏の陽射しは強烈だ。服を突き抜けてすぐ火傷になる。石垣の夏5年目ですこしづつこの強烈な陽射しに成れてきたと言うこともあるかも知れない。顔や手は日に焼けているが、火傷になることはない。



 中央の道路は整備が終わった。

 身体がまだなんとか使えると言うことが嬉しい。あと何年動けるかは分からないが、何とかあと3年は一日中働ける体力が欲しい。3年すれば、なんとかのぼたん農園の大きな作業も一段落するはずだ。今回かなりきつい肉体労働を、それは私の体力の範囲でと言うことだが、乗り切れたのは、うれしい。

 肉体労働にはやり遂げた充実感がある。3日目は朝から道路造りをやった。福仲先生が来る前に道を整備した。福仲先生が見えてからは田んぼの整備をやった。石拾いもやったが、これはなかなか厳しくて完全には出来なかった。それでも8番田んぼの整備は終わった。

 0番田んぼの拡張もだいたい目途は立った。後もう少し土を出して高さを合せれば完成する。なかなか良い雰囲気になってきた。1番の溜め池も悪くない。だんだん池の整備が進んで来た。前よりも良い池になった。ここまで来るのに2年以上かかったことになる。


 
 0番田んぼの整備が進む。

 自分の体力で、正面からのぼたん農園に向き合い、整備をしているのが良い。修学院離宮を後水尾上皇 が造営したと言っても、人に命じて作ったのだろう。それではちょっと面白さが減じたに違いない。身体を張って作った肉体労働者が真実の喜びを知ったはずだ。

 肉体でやれると言うことほど素晴らしいことはない。生きているという醍醐味である。その身体で作り上げる物が、自分の食べるものを作るための田んぼである。何という農作業の素晴らしさであるかと思う。自分の食べるものを作れると言うことが素晴らしい。その上にその生産の場
である田んぼまで作れる。

 こんな肉体の喜びは他にはないだろう。身体を張らなければ感じられない物だと思う。もうこういう経験は出来ないと思っていたのだが、石垣島に来て、やらせてもらうことが出来た。良い仲間がいるからだ。一人ではここまで出来るはずが無かった。



 8番田んぼの整備。

 石垣に来て、様々な方に出会うことが出来た。身体を使って田んぼを始めた御陰だ。有り難い経験をさせて貰えた。今年も少しだがお米も収穫が出来た。5年計画である。だんだんに良くしてゆけば良い。五年間肉体でのぼたん農園の建設にぶつかってゆきたいと考えている。
 今回の土木工事は今日一日で終わるのではないかと考えている。今日も軽油を買ってからのぼたん農園に行かなければならない。

 - 楽観農園