のぼたん農園の田んぼの土木工事
のぼたん農園では田んぼの土木工事を行った。ユンボと軽トラダンプの作業だ。工事をしなければならなかった一番の理由は水不足である。今年の石垣島は例年の半分以下の雨量だ。特に崎枝地区は雨が少ない。島の地形では雨が一カ所に集中することが多い。何故か今年は崎枝付近は雨がない。
島中の湧き水が涸れてきているという話も聞いた。ダムの水も減少しているらしく、節水注意が行政からでている。田んぼの稲作は水がないと言うことが致命的だ。特に天水田で雨が降らなければ、深刻なことになる。色々対策をしているのだが、今回の田んぼの土木工事はその一つだ。
のぼたん農園では一番下に井戸を掘り、田んぼから浸透している水を再度汲み上げている。それでも全体の井戸に回るほどの水はない。田んぼは湛水していると言うより、湿潤状態で維持されているという状態だ。何とか水を入れなければならないのだが、ままならない。
そこで、田んぼの配置を変えて、水源に近い上部に田んぼを集めることにした。0番田んぼを2畝の田んぼに直す事にした。0番が一番井戸に近いのだから、水に関しては一番安心な田んぼだ。この田んぼを広げると言うことは、遊水池を広げると言うことにも成る。
田んぼの番号については、今度は0番田んぼを1番田んぼにすることにした。0番田んぼは畑は無い状態になる。新しい1番田んぼも広げられるだけ広げると、2畝ぐらいになりそうだ。どの田んぼもおなじ大きさが良いかと考えている。大きさが違うと作業量もグループごとで違ってくるからだ。
もう一つの工事は8番田んぼが少し短かったので、広げる工事をする。去年作った田んぼなのだが、土が足りなかったので、少し短い田んぼになってしまった。この田んぼを直して、2畝ある田んぼに直すつもりだ。番号は振り直して、1番からまっすぐ南に5番田んぼまでとし、そして東側に6番、7番となる。
全部で7つの田んぼと言うことになる。今現在7グループなので、この7つの田んぼを、それぞれのグループが充実させて行くことがこれからののぼたん農園のやることである。担当のグループがその田んぼについては、完全にやりきる形である。
石垣の田んぼは手強い。様々な試練が起きている。「とよめき」にウイルス病が出たのも初めての経験である。やはり亜熱帯のためだろうか。それぞれ担当の田んぼがやりきらないと、どうしても荒れてしまう。荒れたところが一部にでも出来ると、全体が良くないことになる。
これから広げた0番田んぼで「台光」という台湾の品種を作ってみるつもりだ。「とよめき」とは違う品種であれば、耐病性があるかも知れない。「西表安心米」の那良伊孫一さんと言う方が、昔から作られている品種と言うことである。この方は無農薬でやられていたというから大丈夫かも知れない。しかし大きくなる品種のようだ。
このお米は西表で作られている品種だ。他では調べても分からない。台光と言う名前からして、台湾から伝わったお米の生き残りかも知れない。「とよめき」にウイルス病が広がっているので。「とよめき」に変わる品種を探さなければならない。台光はその候補である。味が良ければ良いのだが。
「ゆがふもち」「ミルキーサマー」は石垣の気候でも何とかなりそうな気がしている。耐病性もある程度はあるようだ。これに「台光」を加えた、3品種で今年の2期作は進めようかと思う。品種についてはひこばえ向きの品種を今後も探って行かなければならない。
中央の道路を高くすることにした。理由の一番は現状では田んぼへのトラックターの出入りが難しくなっている。畦が高すぎるのだ。田んぼの土を畦にすくい上げるので、畦が不自然に高くなり、歩きにくい。畦は歩きやすくなければならない。
畦を低くして、道路からの出入りがしやすいようにする必要が出てきた。トラックターの横転事故は田んぼへの出入りで起こる。事故を未然に防ぐ為にも道路と田んぼの関係を見直したい。道路が低いために大雨の時に河になるので、土が削れて低くなってきたと言うこともある。
道路の水は田んぼに入るようにした方が良い。田んぼから染み出た水が道路を流れると言うこともあった。道路を高くして踏み固めることで、田んぼから染み出る水を減らすことが出来るだろう。田んぼへの出入りが容易になるように中央道路のかさ上げを行い、全体の作業性を直した。
8番(新7番)の畦が低いと言うことも直せれば良いのだが、今回その位置には入れないだろう。畦際を穂って畦を直すという手作業を根気よく行うと言うことしかないかも知れない。新7番も今回の直しで良い田んぼになると思うので、色々田んぼの整備をしたい。
いずれにしても0番か8番が私の担当の田んぼになるか分からないのだが、どちらかに決めて、担当カ所の整備を進めたい。これからは自分の担当田んぼに集中して整備をしたいと考えている。今までどうしても自分の田んぼが手抜きになっていた傾向がある。
1番溜め池も直した。溜め池はだんだん腐敗してきた。草にも覆われてしまった。草刈りが追いついていなかった。溜め池の中
に牧草が入り込み、草取りが出来なかった。コナギが増えたことが不安だった。今回ユンボでコナギも根こそぎ取った。
に牧草が入り込み、草取りが出来なかった。コナギが増えたことが不安だった。今回ユンボでコナギも根こそぎ取った。
溜め池をできるだけ深く広くした。そのこともあって田んぼの前の畦は低くした。前よりため池付近の雰囲気は整備されたかも知れない。大きな土木作業は今回で最後になるだろう。3番放牧地の入口に車が戻れる場所も作った。水牛を見に行くときに便利になるだろう。
そのために、バナナと扇芭蕉の並木道も少し土をいててかさ上げした。ここは通る機会が少ないので、道自体が草に覆われてしまい、通りにくくなっていた。今度は道を平らに直したので、ハンマーモアーで簡単に通ることが出来るだろう。3番放牧地の中まで入ることが出来る。
今回0番田んぼ前の土をどけたので、かなり土がでた。今まで土を入れたい場所はあったのだが、土が足りないこともあって、直せないでいた。それを軽トラダンプであちこちに土を配り、思い切った直しが出来た。軽トラダンプは随分と役に立った。
軽トラダンプは今はのぼたん農園に通うためにも使っている。それが昨日作業中に、突然空気が抜けてしまった。それはホイールが石に当たり、曲がったためだそうだ。前から空気が抜けるとは思っていたのだ。何とそれも福仲先生が直してくれた。
福仲先生は本当にすごい。何でも直すことが出来る。今回の田んぼの直しは私には出来ない。田んぼを平らにすることがとても難しい。ユンボで直していると平らにするどころかだんだんでこぼこになる。直し方は何度も見て分かっているのだが、真似しても出来るものではない。
特に畦の作り方がすごい。畦を固めながらユンボで傾斜を付けて、固めて行く。しっかりとした漏れない畦になる。今回水が足りないので最後の平らにする作業は出来そうもない。残念である。毎回のことだが、福仲先生がいなければのぼたん農園は出来なかったとつくづく思う。