ロシアとミャンマーと北朝鮮。そして中国

ミャンマーでは軍事クーデターが起きた。2021年2月1日、ミャンマーで国軍がクーデターを企図し、民主主義政権が終わった。やっと出来た民主主義政権を、ミャンマー国民は熱い支持をしていたにもかかわらず、軍事政権は民主主義政権の中枢人物を処刑してしまった。
そして、ミン・アウン・フライン総司令官が国家行政評議会議長に就任し、軍事独裁者として支配している。 アウンサンスーチー政権がクーデターで壊滅され、今も監禁状態である。軍事政権はデタラメな政治を行い、経済は破綻状態になっている。内戦状態も続いている。
子供の頃小学校の映画鑑賞で見た「ビルマの竪琴」そして中学生の時に読んだ、世界ノンフィクション全集に入っていた。「カチン族の首カゴ」でビルマという国の印象が作られた。ビルマには様々な民族がいて、仏教国らしい優しさの国と言うことだった。そこに日本軍は攻め入ったと言う悪行。
ミャンマーの軍事独裁の政権の、最悪の状況に対して、世界中が何の手立ても打てない。日本政府も見て見ぬ振りをしている。民主主義を守るという意味では、やっと芽生えたミャンマーの民主主義が暴力によって潰されたのだ。このままで良いはずがない。
しかし、アメリカも、中国も、ミャンマーには上手く関わる事ができないようだ。民主主義はもろい物だ。反政府勢力と軍が結びつけば、忽ちに民主主義政府は失われる。日本だって同じことだ。民主主義は国民が大切な物だと認識して、いつも守るという気持ちでいなければならない。
ミャンマーは落ち目の暴力国家ロシアが登場し、関わりを持とうとしている。ミャンマーの経済は崩壊に進んでいる。経済統計すら出せない状況らしい。通貨の下落が続いている。国民の協力が得られない軍事政権で国家の衰退が進んでいると言うことだろう。
そこに戦争で経済崩壊中のロシアが介入の形でミャンマーに近づく。7月からミャンマー国際航空が両国間の直行便を就航し、最大都市のヤンゴンと第二都市マンダレー、ロシアの首都モスクワ、中部ノボシビルスクを結ぶ路線を、週1便ずつ運航する。 ミャンマーの入国者数月に2$301C3万人程度にまで落ち込んだままである。
ロシア人は1200人余りと、全体の1%程度に過ぎない。 ロシアから観光客に来てもらう計画自体が、どこか馬鹿げている。ロシア人が観光に出掛けるなどと、いつまでそんな余裕があるのだろう。それなら中国からの観光客に期待したいところだが、中国はミャンマーの独裁政権と一事は関係を持とうとしたが、中国は現在距離を持っている。
中国の言いなりにはならない軍事政権だからだ。そもそもミャンマーは中国に対して、歴史的な敵対心が強い。しかし、ミャンマーの行き詰まった経済のてこ入れに、中国は関わりを持とうとしている。中国は軍事政権であろうが、民主主義世間であろうが、同じことである。
5月には中国の秦剛国務委員兼外相がミャンマーのミン・アウン・フライン総司令官とクーデター以降で初めて会談したが、中国はミャンマー国軍との関係を冷静かつ慎重に見極めようとしている。関わりは持つが、慎重にと言うのが、今の中国の態度である。
そもそも中国は、ミャンマーの開発を全面的に支援しようとはしていない。以前国境地帯の中国資本の中国向けのミッソン水力発電ダム 計画が、欧米の介入もあって、アウンサンスーチー政権下、環境保護に対する世界中からの反対もあり、中止になったことがある。
中国の圧力に対して、警戒が強いと言うことでの中止とも言われた。中国は国境に近いこのダムの電力を利用しようと考えたていたらしい。また中国に近いミャンマー北部開発を中国主導で行おうとしていた。中国に対する警戒心は民主的政府も、軍事独裁政府も変わらないと言うことだろう。
そこで、戦時体制で行き詰まっているロシアに近づこうとしている。もう藁にもすがると言うことなのだろうが、つかんだロシアが頼りになるかどうかは疑問だ。ロシアは世界から孤立して行く中で、民主主義国家から批判されている諸国連合を目指しているのだろう。
それは北朝鮮も同じような動きをした。北朝鮮はロシアのウクライナ侵攻を支持している。軍国3兄弟だ。中国を取り巻く3つの軍国主義国家が奇妙な連携を持とうとしている。中国に助けられている3つの国だが、やはり中国一辺倒になることが恐ろしいということもあり、対中国を意識した連携でもある。何とか3カ国が連携を取る形で、中国牽制が出来ないかと言うことになる。
ロシアと中国の関係は急速に深まっている。貿易額はどんどん増えている。通過も脱ドル価と人民元化が進んで行く。ウクライナ侵攻を機に、新しい経済圏が生まれてきたと言えるのだろう。ここにインドがどう加わるのかと言うことが出てきている。
ロシアのウクライナ侵攻はやはり、予想したとおり、漁夫の利を得た中国が一番上手く立ち回っている。困ったロシアの資源やエネルギーを輸入できる。と言っても増加は限定的だ。むしろ中国のロシアへの輸出の伸びが大きい事に驚く。
2022年の中国の対ロシア貿易は、輸出額は前年比12.8%増の762億6,480
万ドル、輸入額は43.2%増の1,122億2,531万ドルだった。これにより、中国側の貿易赤字は359億6,051万ドルとなり、前年から252億550万ドル拡大した。 ドルになっているが、ドルで行われてはいない。
万ドル、輸入額は43.2%増の1,122億2,531万ドルだった。これにより、中国側の貿易赤字は359億6,051万ドルとなり、前年から252億550万ドル拡大した。 ドルになっているが、ドルで行われてはいない。
中国のウクライナ戦争和平の仲介は結局成果を上げなかった。中国にとって、ウクライナ戦争は商売に利用できるものなのかも知れない。中国はロシアに軍事物資の輸出は、提供はしない。ロシアよりもウクライナとの関係を重視してきた外交の歴史がある。
中国は軍事国家ロシアに対して油断したことはない。軍事衝突をしたこともある。中国はこの機会にロシアが衰退してしまうことが一番望ましいと考えているだろう。それは欧米各国も同じことだろう。軍事国家ロシアはどこの国にとっても迷惑な存在なのだ。
それは、北朝鮮も、ミャンマーも、ベラルーシュも、同じことである。軍事独裁国家連合が作られても、上手く行くはずがない。独裁者同士は欲得でしか動くことはない。ここに中国が加わるとは考えたくない。中国はおなじ独裁でも商業の独裁政治である。と見ている。
世界は不安定化して、日本もそのなみにもまれ巻き込まれている。岸田政権は何の方針も示さないままに、憲法違反の軍事態勢に進んでいる。それは極めて危険な道だ。民主主義国家であるはずの日本は、岸田政権の驚くほどのアメリカの手先化を押しとどめる必要がある。