ミサイル防衛は現実的なものなのか。

   

麦畑

 2012年度から調達が開始されたことから「ひと・に」式と呼ばれているミサイル。現在の射程は百数十キロとされる。南西地域の防衛体制を強化するため、宮古島のほか、鹿児島県の奄美大島、熊本市に配備されている。今年度中には沖縄県の石垣島にも配備される計画だ。 国産ミサイルは1000キロの射程を目指している。ーーーNHK報道

 ミサイル防衛は現実的なものなのか考え無ければならない。これまでの日本の防衛は盾を強化すると言うことで、ミサイルを撃ち落とす迎撃態勢を作ろうとしてきた。専守防衛の日本の姿勢として当然のことだった。時々石垣島の港にも、北朝鮮のロケットが飛ぶと、見せびらかすつもりか陳列されるペトリオット 。

 ところが、北朝鮮のミサイル開発や潜水艦からの発射実験の結果、ミサイル迎撃は不可能と言うことが、現実になってきた。攻撃側が防御側より有利なのは、ピストルの弾をピストルで撃とうというのだから、かなり無理があるのは誰にも分かる。

 何しろハマスというテロ組織規模ですら、鉄壁と言われたイスラエルのミサイル迎撃態勢を突破したのだ。それは、一気に5000発ものロケット弾を発射する大量ミサイル連射の手法だった。北朝鮮には1時間に6000発のミサイルを、多方面から発射する能力があるという事が分かっている。

 日本が仮想敵国とする中国となれば、一気に何万発を日本めがけてミサイル攻撃をしてくるとみなければならない。これでは迎撃などまったく不可能なことになる。しかもそのミサイルには原爆の搭載や、生物兵器の搭載すら可能なのだ。すでに、世界の軍事力の破壊力は、桁違いなものになっている。

 もし日本と中国との戦争が起これば、過去とは比べものにならないほどの日本の被害が想定される。東京大空襲で、死者8万4千人とある。もし中国が、一気に東京に向けてミサイル攻撃を行えば、間違いなく死者数はその100倍になり、ほぼ東京にいる人は壊滅するだろう。

 軍事武器力の破壊力の大きさは、級数的に大きくなっている。原発がミサイル攻撃を受ければ、その時点で日本が終了になる。原発はミサイル攻撃でも破壊されないと主張していた人がいたが、まったく空想的楽観主義者だ。現在のミサイルの破壊力は防御可能なものではない事が分かっている。

 結論から言えば、武力攻撃が起これば、防ぎようがない。だから、原爆を打ち返せるという能力を誇示して、アメリカからの暴力攻撃を抑止するほかないと言うのが、北朝鮮の考えである。残念ながら北朝鮮の主張の方がまともとも言えるのだ。何故原爆保有がアメリカには許されて、北朝鮮はだめなのか。両方が止めなければならない。

 日本は原爆を保有していない。その変わりにアメリカの核の傘を借りている。この傘は本当にミサイルの雨を防げると思えるか。傘ぐらいで到底防げるはずもない。アメリカはトランプの自己本位が本音と考えて置かなければならない。都合の良い間は日本を持ち上げているだけだ。
 
 アメリカが、自国が原爆攻撃を受けることが分かっていて、日本の為に原爆攻撃をできるかと言えば、行うわけがない。そんな馬鹿なことをするはずがない、と考えている。その国の政府は自国民を守ることが優先である。日本の為に、自国民の安全を捨てるようなことをするはずがない。

 と言うことは日本も原爆保有をして、北朝鮮やイスラエルのように異端児になるのか。そうした主張をしている、自衛隊の元幹部もいるのが現実である。武力競争になれば、原爆がないと言うのは、競争を放棄したようなものなのだ。原爆は弱い国にこそ有効な対抗手段なのだ。

 武力的な問題解決は日本にはやりたくても出来ない。こう考えざる得ない。ではどうするか。ここで主張すべきは日本の平和主義だ。アメリカが押しつけたとされる平和憲法である。世界はこの平和主義以外に道がないのだ。平和主義の有効性を疑ったところで、他に道がないのだから仕方がない。

 日本はとことん平和主義の様々な手段を探らなければならない。琉球王国の平和主義は、泡盛外交である。100年古酒を飲んで貰い、琉球舞踊を見て貰う。空手の演武もあったかもしれない。この素晴らしい国をないがしろにしたくないという気分に成って貰ったのだ。

 今の時代そんなに甘くないよと誰もが言うことだろう。それは分かる。しかし、日本に観光に来る人達は随分日本を楽しんでくれているようだ。これだって平和外交ではないだろうか。私は台湾に行ってすっかり台湾の素晴らしさに惚れ込んでしまった。今月また台湾の有機農家を訪ねてゆくのだ。

 文化とはそういう物ではないだろうか。こんなに素晴らしい台湾を、中国にしては成らないと思うようになった。世界中の人がそう思えば、中国もさすがに軍事侵攻は出来ない。日本人が台湾の人と同じように素晴らしい人達になれば、日本はないがしろにはされない。

 平和とはそうして友好親善で生まれるものだろう。武力での均衡と言う考え方が、だめだったことは今現在ガザとウクライナで示されている。石垣島に敵基地攻撃ミサイルが配備される。石垣島は防人の島になる。これは石垣島の平和を壊すミサイル基地に違いない。

 石垣島がハワイ以上の観光地として評価されたぐらいだ。石垣島を素晴らしい場所にして、世界の人達にきてもらい、楽しんで貰える島にする。自然と共存した平和を体験して貰う。それが日本の平和に役立つはずだ。それ以外に平和への道はない。

 日本は琉球王国の平和外交を思い出すべきだ。やられても、やられても、平和な暮らしを再構築してきた島。その歴史を思い出して一切の軍備を排除すべきだ。この美しい島にミサイルを配備するなど、狂気のさたである。ミサイルで狙われている島に、中国の人達は来たくなくなるだろう。

 日本国の支配が存、アメリカのその上の支配がある。薩摩の支配、幕府の支配。その歴史が再現されている。もうこれは一見解きほぐせないように見える。しかし、諦める必要は無い。次の選挙で、自公に入れなければそれで解決できるのだ。日本の平和はまず政府の交代からだ。

 

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