水牛放牧地
水牛池 水はすこしづつだが湧いている。深さは1Mほど。
水牛池の向こう側にはアダンの林がある。
のぼたん農園ではやっと3つの放牧地が出来た。のぼたん農園は全体では3.6$33CAあるのだが、そのうち2ヘクタールが水牛の放牧地である。Aの放牧地が0.3$33CA。Bの放牧地が0.7$33CA。Cの放牧地が1$33CAある。3つの放牧地は有刺鉄線とワイヤーメッシュの柵で作られている。
3つの放牧地が完成するまでに、1年半かかったことになる。柵の費用は杭と有刺鉄線とワイヤーメッシュを併せて100万円くらいはかかったかも知れない。作業もまだ完全には終わっていないのだが、柵は3.6ヘクタール全体を囲むように進めている。
イノシシの足跡
田んぼや果樹園などを囲む部分も工事を現在続けている。ここもワイヤーメッシュで囲まないと、イノシシが入ってきてしまう。この前の日曜日に猟友会の人達が来て、周辺でイノシシ刈りをしたら、たぶん追い回されたイノシシがのぼたん農園に来るようになってしまった。
今月末には稲刈りをする状態なので、ここはしっかりと柵を完成させないと、稲がやられてしまうことになる。しかし、完成できない間にイノシシが来てしまう可能性もかなりある。それも力が足りないから起こることで、現状では受け入れるほかない。完成までにはまだまだやらなければならないことがいろいろある。
水牛の放牧地A,B,Cは3つ合せて2、5$33CAある。ここに3頭の水牛だから、まだまだ草には余裕はある。たぶん5頭ぐらいまで飼育可能だ。草は足りるのではないかと思う。放牧牛の草地の面積は有機基準では1頭1$33CAと言われる。
それは糞をしたものが自然に牧草などに吸収されてゆく面積だろう。石垣島は冬場の草の伸びもかなりのものなので、1頭0.5$33CAあれば草は足りる。糞も自然に消滅している。窒素の流出は起きていない。周囲の環境に吸収されているようだ。
最初から居るのがワカバで、ワカバからのぼたん農園で生まれた水牛が、今1歳1ヶ月がノボタンである。ワカバは前のシーラ原の頃から居て、始めて飼い始めた水牛である。ノボタンは雄牛で、近く去勢することを獣医さんに頼んでいるところだ。
雄牛は去勢しなければ農耕用には使えないと言うことらしい。ノボタンはこれからすこしづつ、親のワカバの農作業を見て、覚えさせて行くことになる。この訓練もそう簡単ではない。私には無理なので、頼まなければ出来ないことである。
と言っても若い人が覚えてくれない限り、無理なことなので今のところどうなるかはまだ分からない。のぼたん農園の水牛はすべて、福仲先生から預からして貰っているものなので、これからのことは指示を仰いで進めるほかない。
今水牛を放牧しているのは、Cの放牧地である。写真の池は湧き水が湧いていて、いつも水があり、水牛は良く中に入っている。どれくらい水が湧居てくるかは分からないのだが、昔から池があったところだそうだ。掘ったところ大量の粘土が出てきた。池があったとしてもいつの間にか土砂が堆積してしまいぬかるみになっていた。
池の下のはアダンの茂みが続いていて、その下には田んぼがある。下の田んぼは染み出てくる水で作っている。田んぼに入る水はアダンが斜面から湧いてくる水である。アダンの上にある水牛池は下の田んぼの溜め池になっている。そこからまた地下に浸透して水源になる。
池の手前にあるものが牧草
放牧地で一番問題なのは草の管理である。広いところに放牧してしまうと、嫌いな草を食べなくなる。好きな草だけを食べているとだんだん良い牧草が減って行く。これを上手く回すことが、これからの課題だろう。例えば今のうちに、一度上の放牧地を耕してしまい、牧草の種を蒔くという考えもある。
水牛は牛やヤギよりも食べる草の種類が多い。例えばススキは食べてしまう。細葉ススキは小さい内は食べる。アメリカハマグルマも他に草が無ければ食べる。アメリカセンダングサもまったく食べないことはないようだ。他に草が無ければ食べている。
今放牧地全体に広がっている牧草はフィリピン原産のものらしい。すごい成長力があり、田んぼの水の中にもどんどん入ってくる。この草は石垣島の放牧地のどこにでも広がっている。これを他の牧草に変えると言うことも難しいので、今はこの草をどのように優勢にしてゆくかを考えたい。
大分成長した1年1ヶ月のノボタン
現在ノボタンを今後どうするかが課題になっている。ノボタンは本来竹富島の新田観光に返す約束の水牛であった。新田観光が現在休業中のために、引き取りが延び延びになっていたものだ。このままでは、訓練する時期や去勢する時期も延び延びになる。そこで一応のぼたん農園で飼うと言うことになった。
飼う以上慣れさせて、訓練もしなければならないだろう。水田の作業はなかなか難しいので、黒砂糖を栽培してそれを絞る作業をノボタンにさせられないかと考えている。黒砂糖を絞る機械は絞り器の回りをぐるぐる回るだけなので、足下が危ないと言うこともない。
水田作業では柔らかい水田の中を歩かなければならない困難もあるので、若い人でなければ出来ないと言う事もある。今後そうした人材が出てくるのかどうかも含めて考えておかなくてはならない。水牛の耕作は日本ではのぼたん農園だけだと思うので、何とか残せれば残したいと考えている。