のぼたん農園で井戸水が出た。

   



 今年の石垣島では水不足が前例が無いほどらしい。この小雨傾向というものも、実は石垣島全体ではない。家のある島の東側はまだ雨がある。石垣島には中央に於茂登岳を始め、500mほどの山が連なっている。島の気象はその山のにし東で、まったく違ってくる。

 島の東側で雨がふる時は案外西側では雨が降らない。島全体が雨降りになるときは案外少なくて、島のどこかで雨でどこかでは晴れていると言うような日が多い。もちろん島全体が雨の日もあるし、島全体が晴れているという日もないわけではない。

 晴れていると思っていても、突然の強い雨が振り出すと言うことも少なくない。そういうときにここは亜熱帯なのだと思う。スコールである。強い雨がひとしきり降り、また強い陽射しに戻る。雨は良く降ると思うが、案外台風以外の雨量は少ないのかも知れない。

 この島特有の天候を上手く把握しておかないと、石垣島で農業は出来ないだろう。その意味で、天気予報というものはほとんど役にな立たない。それでも農業をやる以上天候の様子は十分承知していなければならないので、毎日天気雨雲レーダー予報は色々調べる。

 それにしても水不足で、農業用水を汲みに行っている。200ℓで10円である。10円玉が何枚あっても足りない。みんなが10円玉を出し合っている。麦は雨がなくてもまったく良いようだ。生育は調子が良いようだ。これで収穫の頃になると案外雨が続くのかも知れない。

  ユンボを借りることが出来たので、ユンボがなければ出来ない作業を片付けている。果樹園の排水処理。水が溜まるところがあったので、水が溜まるところを解消した。と言っても水がないのだからこれで解消できたのかどうかは分からない。

 果樹園の上には田んぼを作りそこから水がやれるようにしてある。根付いてしまえば水も今ほどは心配のだろうが、植えて一週間だが毎日水遣りをしている。名札を見ながら楽しんで水遣りをしている。水遣りが終わる頃にはどの果樹がどこにあるか覚えることだろう。

 3番田んぼへの入水管も敷設した。3番は直接水の行く入水管が無かった。2番に入れた水が、回って3番に行くようになっていた。どの田んぼにも水が入ってしまえば、何とか水は回って居たのだが、水がここまで少なくなると、微調整が必要になるので、直接の塩ビ管を敷設した。

 水道管の道路下の敷設も行った。200m露出で配管しているのだが、道路を横切らないとならないところもあり、そこは道路の下を通さなければならなかった。道路は堅く固められているので、とても手で掘れる状態ではなかった。ユンボがあるのでなんとか地中を通した。

 地中を通した水道管は牧場の方にまで延びて、水牛の水やり場まで引き、バスタブの水遣りへ水が入るようにしたい。以前は自動給水を考えたが、毎日水牛を見た方が安心なので、普通の水道の蛇口を付けることにした。水遣りをしながら水牛の様子を確かめている。

 大抵は寄ってくるので、その時に鼻に付けてある紐を引っ張ってしばらくぐるりと歩く。時々紐を引っ張って従うことを確認している。家畜は余りにほって置くと、働かなく成ってしって人の言うことを聞かなくなる。働いて人の役に立つことを喜んでいる。

 家畜はいやいや仕事をさせられているわけではない。水牛のコロバシャだけでなく仕事を考えてやらないとなら無い。黒糖絞りが良いかと思う。ぐるぐる絞り器の回りを回って、黒糖を絞るようにしたいと考えている。やいま村では水牛の黒糖絞りが行われているらしい。

 のぼたん農園でもやりたいものだと思っている。水牛のワカバは先日宮良小学校に主張して、子供達と黒糖絞りをした。子供達が水牛を引いて、黒糖を絞った。あんな風に農作業を家畜が行う姿を残したいものだと思う。石垣島の水牛文化も100年を超えている。

 ユンボでもう一つやったのが、バイオガス装置に水が流れ込まないように土壌の均しをした。上の道路から落ちてくる水が、バイオガス装置に流れ込んでいた。バイオガス装置が水で浮んでしまっては壊れてしまうので、水が入らないように直した。

 この辺りも、土壌が堅く固められているので、とても人の力では無理だった。そこで周辺を平らにして水道を掘った。何とか出来たのだが、これも雨が降ってみないと水がどうなるかはまだ分からない。まだ流れ込むようなら今度は手作業でも何とか出来るだろう。

 ユンボがある内に、やりたい作業はまだある。のぼたん農園の回りの柵をワイヤーメッシュで補強する。現在バラ線で出来ているのだが、これにワイヤーメッシュを貼り付けて、水牛が外に出ないように補強する。動じにこのワイヤーメッシュは、イノシシの侵入も防ぐものになる。

 ワイヤーメッシュが張れるように少し整備しなければ、成らない場所がある。特にアダンのある当たりはアダンが柵のこちら側まで来ているので、一度アダンを片付けないと、ワイヤーメッシュを張ることが出来ない。アダンはユンボでなければかたづけられない。アダンの中が、イノシシの隠れ家になっている。

 この作業は私には少し困難かも知れないが、やれる場所だけでもかたづけたい。もう一カ所水が出そうな場所がある、あそこに溜め池が掘れれば水が湧きそうな場所がある。水が湧けば水牛を繋ぐことが出来る。水牛は水があれば、炎天下でも繋いでおける。

 溜め池作りの方がまだ楽そうだから、そちらを先にやることにしたい。そのうちに福仲先生が来てくれるかも知れない。その時に片付けてもらえれば一番良い。軽油を作業前に入れて置いた方が良いだろう。まだ大丈夫と思うが、入れた方が安心である。

 井戸に水が溜まり始めているので、3番溜め池まで、水中ポンプで水をあげたいと思う。距離にして120mで標高差が5mぐらいだろう。そこまで電線を引かなければ成らないのだが、距離は250mはあるだろう。これはなかなかの工事になる。

 電気を引くことが良いのかどうかも分からないのだが、電気を引いておけば、タイマーを付けて、ポンプアップできると言うことだ。確かに井戸水も上に上げられるのは、溜まる水の量になる。今ある池は15㎥ぐらいだから、これを1時間で汲み上げれば、しばらく待たなければ上げられない。

 用水の間隔を考えて、上に汲み上げれば良いと言うことのようだ。やってみなければ始まらない。水中ポンプのホースも120m必要と言うことになる。これも買いに言ってみよう。これを水道の蛇口に繋いで結わえておけば、苗の水遣りは出来るだろう。

 - 楽観農園