米中対立と石垣島
米中の対立は、経済でも軍事でも日に日に深刻さを深めている。日本はアメリカと同盟を結びその対立の一翼を担っている。石垣島に暮らしていると、沖縄本島よりも、台湾の方が近い場所である。領土問題が懸案になっている尖閣諸島は石垣市に所属するとされている。米中対立の動向が他人事とは思えない。
石垣島には現在ミサイル基地が建設されている。住民の意思は確認されないままである。来年2月の市長選挙では自衛隊推進の中山市長を落選させて、自衛隊基地反対の市民の意思を表明しなければならないだろう。そして自衛隊基地建設を止めなければならない。
石垣空港には自衛隊機が配備されることも想定されてきている。日に日に日本の防人の島化しているわけだ。日本政府は最前線基地として石垣島を考え始めている。何ら石垣島の住民には相談もない話だ。住民の平和などどうでも良いと考えているのだろうか。民主主義国家では無いことがよく分かる。
石垣市長は石垣島を最前線の軍事基地の島にすることを歓迎している中山氏だ。それが日本全体の安全保障から来ているのだろう。しかし石垣島に暮らす一人一人には、軍事基地の島になれば、最初に攻撃される島になるのだから、命の危険当然増すことになる、それを嫌だという権利が住民に無いのだろうか。これは原発建設と同じ構図である。
一番大切なことは国の安全保障とは何かと言うことになる。中国が軍事大国化しているのは事実だろう。だから日本も対抗して軍事力を増強するというのでは、少しも国の安全保障と言うことには成らない。現代の戦争は米中が今戦っているように、経済戦争からである。
その背景に情報戦争がある。情報が経済の要だからだろう。誰も米中が軍事衝突をするようなことは、まだまだ先だと考えている。そして一番重要なことは広い関係国の連携である。中国が世界への影響力を高めている一番の要因は経済的優位を築くためである。経済をいくらかづつでも良くしてゆかなければ、中国は破綻するはずだ。中国は独裁国家化している。国内には香港のように抑圧された不満が潜在化しているに違いない。
この不満がかろうじて抑え込まれている原因は経済が成長しているからだ。共同富裕政策の背景も、貧困層が不満分子にならない為の切実な対策なのだ。生活を良くするためにあらゆる手段を執っているのが習近平政権とみて良いだろう。
そしてその経済を成長させるためには、アメリカとの競争に勝たなければならない。いままでのように廉価な労働力故に優位だったという段階は終わりつつある。中国よりも安い労働力は世界中にある。技術を盗んで出し抜くようなやり方ももう終わりだろう。中国の経済発展は新産業の創出以外にないのは日本と変わらないはずだ。
そのために中国は覇権主義を強め、一帯一路政策を進めているのだろう。日本を攻めてくるほど愚かな国では無い。日本に侵攻したところで、経済的に考えればマイナスばかりである。もし日本を軍事攻撃すれば、世界から孤立して経済的な封鎖が行われるだろう。
だから、中国に対する安全保障はまず、中国の覇権主義に反対する国々の連携である。多くの国が中国の軍事的威圧を問題だとするようになれば、中国の経済的損出は大きくなる。そうなれば、中国は国内的に不安定要素が増大する。日本はアジア諸国に平和外交を行うことだ。
そのためにも日本が軍事大国化するなど、間違った政策になる。日本は軍事力で国際問題の解決を図らないという、憲法に示された旗印を具体的に示すことだ。なまじの軍事強化をしたところで、とうてい中国に勝てるわけもない。アメリカに敗れた苦い歴史を思い出さなければならない。
平和に暮らす権利は国民一人一人にある。憲法に保障された権利である。日本全体の安全保障に必要であるとするのであれば、日本政府は石垣島にくらす住民の命の守り方を、暮らしの安全をまず確保して、その説明をしなければならないのでは無いだろうか。
例えば、中国が尖閣諸島の軍事支配を意図して、軍事攻撃を石垣島の基地に行ったときに、住民は避難しなければならない。一体どうやってどこに避難させると計画しているのだろうか。説明を聞いたことはない。まったく準備もされていない。簡単には避難などできるわけが無い。
つまり、日本全体の安全保障のためには石垣島の住民の命の犠牲は止むえないことだろうというのが、石垣島中山市長の考えである。石垣島の市民の命を、日本政府に勝手に差し出してしまって、住民には拒否権が無い状態だ。これは核廃棄物の受け入れを検討している北海道の町と似ている問題では無いだろうか。
北海道の核廃棄物受け入れの町は、莫大なお金を貰うことで、まず調査をすることまでを受け入れた。それをテーマにした選挙で推進派の市長が選ばれたのだから、現時点では住民自身が選んだと言うことと考えていいのだろう。今度の市長選で、石垣市民が中山氏を選択すれば、石垣市民は防人の島を受け入れたと言うことになる。そして自衛隊員が来れば、もう選挙でも覆せなくなる。
石垣島では、最前線の自衛隊基地を認めるかどうかの選挙が行われていない。自衛隊基地をどうすべきかの
住民投票を3分1の市民が署名入りで要求したにもかかわらず、住民投票は石垣市議会で拒否された。住民投票をすれば、自衛隊基地反対に決まっているからやらせるわけにはいかないと言うのが、自衛隊基地誘致派の議員の考えだと言われている。
住民投票を3分1の市民が署名入りで要求したにもかかわらず、住民投票は石垣市議会で拒否された。住民投票をすれば、自衛隊基地反対に決まっているからやらせるわけにはいかないと言うのが、自衛隊基地誘致派の議員の考えだと言われている。
これは、困ったことだ。住民の意思は表明できないまま、自衛隊基地はどんどん建設され、いよいよ攻撃型ミサイルが配備され、攻撃用の戦闘機まで配備されると言われる事態に進んでいる。次はアメリカ軍の進駐である。次の選挙は来年の2月27日の石垣市長選である。
ここで、推進を表明している中山市長を選べば、間違いなく自衛隊基地を認めることになる。もし、中山市長が落選すれば、自衛隊基地をこのままでは容認はしないと言うことになる。すでに作られてしまったものではあるが、基地に対して反対を表明して、自衛隊員の配備を民主主義的に止めることは可能だ。
少なくとも、様々な受け入れ条件を付けることが出来るはずだ。市内を軍服で歩かないとか。軍事車両は基地の外には出れないとか。石垣空港の自衛隊利用は受け入れないと言うことも出来る。基地を攻撃用のミサイル基地では無く、あくまで専守防衛の基地にすることは可能だ。
2月27日の選挙は石垣島の未来のかかっている選挙になる。重要なことは公明党の動向である。公明党は本来基地には反対であった。今は曖昧な態度であるが、結果的には受け入れになってしまった。今度の市長選挙では少なくとも中山市長を推薦をしないで貰いたい。自由投票にして貰いたい。