コロナでの畜産学からの見解
石破茂氏がブログで獣医学の知見ということで発言している。
唐木英明・東京大学名誉教授や宮沢孝幸・京都大学准教授などの獣医学系のウイルス学者から傾聴すべき意見が表明されています。「新型コロナウイルスの多くは獣医が研究をしている」「ウイルス自体が人を殺すのではなく、ウイルスが引き金となって、基礎疾患を持つ方々の症状を悪化させ、あるいは死に至らしめるのであって、若者や持病の無い人が過剰に心配する必要はない」(宮沢准教授)「評価の対象は、軽症者の多い『感染者数』ではなく『死亡者数』にすべきであり、医療対策は基礎疾患がある高齢者の保護に集中すべき。このような選択と集中により多くの人命を救うことが可能となり、国民はほぼ通常の生活を送ることができる」「病床不足の責任を認めず国民の自粛不足に転嫁してはいけない」(唐木名誉教授)
獣医学においてはコロナはよく知られたウイルスであるという。コウモリだけでなくミンクなども感染する。猫などのペットが感染したというので話題になってもいた。ただ獣医学においては若い内発病しない病気はあまり問題にされない。
一般の畜産業においてはだいたいの動物が一歳前後で殺されてしまうのだ。しかも、病気が出れば、その畜舎全体を淘汰してしまうと言うことになる。狂牛病も若い内ならば問題がないというので、問題が深刻化した。
そうした中で、私は10年以上長期的に鶏を飼うという自然養鶏業をやっていた。どうすれば元気に鶏を飼育できるかと言うことをひたすら考えていた。その中で、鶏がどうすれば自然免疫を確保できるかを学んでいた。
その中で自然免疫と言うことの重要性を見つけた。そしてどうして免疫を強くできるかと言うことで、3つの条件を考えた。一つ目が、2つの発酵を利用したエサ。2つめが放し飼い。3つめが自家繁殖。この3つを通して、より免疫力の強い、ササドリという自分の鶏種を作出した。
免疫というものはワクチンによるものは限定的なものなのだ。インフルエンザワクチンでも少しでも、型が違えば効果がないことになる。ところが、自然免疫でえた抗体は、交差免疫の力が強く、何故効果があるのかというほど広く対応が出来る。今東アジアで言われている、ファクターXである。
発病しないようなウイルス感染を繰り返すことで、むしろ強い病原体に対しても、耐病性を高めると言うことがある。それは世代を繰り返すことでその地域での発病する病気への対応力を高めて行くことになる。これが自然養鶏の病気対応の基本となる。
トリの病気のことをありとあらゆる角度から調べていた。その間には高病原性の鳥インフルエンザの流行なども起きた。そして、私の結論としてはいつか人間に感染するウイルスが畜産から変異して、蔓延するだろうという結論に至った。10数年前になる。そして、その危険を私なりに発信してきた。
今もコウモリ由来ではなく、今回のウイルスはミンクの養殖場からの変異で人感染が起こるようなウイルス変異が起きたと推測している。この考え方は世界中でどこの誰も主張しないので、たぶん間違いなのだろう。しかし、ありうることだと思っている。
このブログもウイルス危機の国の安全保障が目的でもあった。しかし、養鶏屋の親父の主張など、誰にも相手にされないのも当然かもしれないが、政治家も医療関係者も何の準備もしなかったことはどういうことだろう。不幸にも私の予測通りのことが起き始めた。そして、ついにコロナの感染爆発が日本でも起きてしまった。
相当に手強い病気であることは確かだ。老人に限って深刻であるところなど、家畜由来の病気らしい特徴と言える。野生動物にとってはそもそも老齢の動物など存在しないのだ。衰えれば死ぬ。これが野生動物の宿命である。人間にだけ、老齢病が存在する。
その意味では人間は極めて特別な生き物と言うことになる。だからこの病気と戦うということは、老人の問題と言うことになる。若い人は普通に生活をしてかまわない。普通に経済活動を続ければ良い。そして、老人のできる限りの接触禁止である。老人のライフラインは若い人が維持するほかない。
これが一番死者を減らす方法である。これはイスラエルのスーパーコンピュターが出した結論である。私には畜産学的な知見から行ってもこれは正しいことだと思えた。しかし、そんなことをした国はなかった。果たして次に起きたときにおいても、そうした手段が取られることは可能だろうか。
もう一つは判断で死者数を見るべきと言うことだ。現在が最も悪い状況なのだ。まだ峠は越えていない。100名を連日超えている状況は、その一ヶ月前最悪の状態だったと言うことになる。一ヶ月前の何が悪かったのか、反省するべきだ。
1月19日に100名を越えて、ついに2月10日121に人の死亡という過去最悪の状況に達した。今はまだ厳しい状況である。と言うことは正しい判断としては12月19日には緊急事態宣言を出さなければならなかったのだ。
緊急事態宣言は有効だったのだろうか。出すタイミングは遅れたことは確かである。それは医療崩壊との兼ね合いである。家で死ぬほかないような状況は、明らかに政府のコロナ対応の失敗だろう。家で亡くなられた方々の無念を思うと、なんと申し上げたら良いか言葉を失う。
宮古島では大変な感染爆発が起きた。日本で一番コロナ発生密度の濃い地域になった。しかし、ロックダウンに近いような状態で2週間経過したら、新しい感染者がこのところ3日間いなかった。この病気は徹底した防御をすれば防げると言うことが証明されたとも言える。
石垣島でも恐怖が伝染したかのように、余り人が出歩かない。もう2週間感染者0である。防げると言うことが分かったことは良かった。人口5万人ぐらいの2つの島で、感染への対応の実証実験が行われたようなものだ。この2つの島で起きたことを比較してみると、どういう対応をすれば、コロナと折り合いが付くのかが見えてくるような気がする。
まず外部からの流入を止めること。宮古島では完全に止まった。飲食店はほぼ閉鎖された。ほとんどの人が、最低限の外出にした。市内感染が広がっていても、この3つのことが徹底されれば感染拡大は止まると言うことのようだ。次の感染症に備えて、いろいろの知見を集積して行く場面であろう。
石垣島では2週間患者がいなかったところ、早速昨日あたりから、観光客が増え始めた。よく調べているものだ。観光客が来てくれなければ、暮らしていけないのだから、有り難いことなのだが、今後コロナがどうなるのか。注意深く観察して行く必要がある。