中国とどのように関わって行くべきか。

中国は覇権主義であることを認めた上で付き合う、というのは、詰まるところ属国になる、ということではないのですか?ーーー小出さんという方のコメントでの意見
日中外交の今後を見直せと言うことを7月10日に書いた。それにコメントがあった。それでもう一度中国との関係について、書くことにした。
中国の独裁はあと10年くらいで終わると思う。この予想は全く説得力は無いとは思うが、そのように期待をしている。中国人の多くの人は独裁であることが、世界での競争に有利であると考えているのだろう。独裁の結果、後進国から一気に経済大国に変貌できたと感じているに違いない。だから、その独裁は商業主義国家と言う意味で支持されている。
功利的な考え方をする多くの中国人は、資本主義的な競争に有利な形として、国家資本主義を支持している。共産主義を支持しているわけではない。それが、予想以上の成功をしていると感じているのが、今の中国ではないだろうか。だから自由とか、平等とか、正義と言うような正しい理念には目をつぶっているのだ。
独裁政治は間違ったものだ。中国共産党はその意味で間違っている。人間の根源的な要求である間違ったことを許せないと言う倫理は必ずある。人間はいつか独裁政治を押しのけて、民主主義を求めるものだと考えている。有能な中国人が、独裁政治をいつまでも許しておく訳がないと考えている。今の中国は転換期にあると言う認識ではないだろうか。
19世紀の中国は世界の歴史から取り残された国であった。産業革命以来の世界の高度成長に乗り遅れ、帝国主義を掲げるイギリスや遅れた国であったはずの日本からも、食い物にされるような状況に長い間陥っていた。その遅れた中国の状態は、過去に文化の栄えた歴史を持つだけに、大きな矛盾を抱え、苦悩するような国内情勢に陥った。
この深刻な劣化を来たしている国で、革命を成功させ、何とか立て直したのが毛沢東思想だったのではないか。国の体制すら保てないような腐敗した中国を、毛沢東は何とかまともな正義の通じる国に立て直そうとした。余りにひどい状態であったために毛沢東は独裁的方法での国家の立て直しをする以外に道がなかったのではないか。
毛沢東革命時代の中国は日本を含めた世界の帝国主義に対して、支配された遅れた国々が連帯して帝国主義を跳ね返して行く革命が必要と考えていた。産業革命が作り出した都市の経済を、農村中心の一次産業中心の国に作り直して行こうとした。優秀な青年が地方に送られていった。習近平氏も下方青年の一人である。一つの地方改革なのだが、強権でこういうことを行うところが、独裁政治なのだろう。
日本帝国主義と戦い革命を成し遂げ、中国を再生させてきた毛沢東思想は独裁的手法を持って、いまも世界に支配的である帝国主義との戦いを継続している。この世界を支配する帝国主義を排除しなければならないと言う意識が、習近平氏の政治思想一路一帯の構想となる。その点が中国は覇権主義である言われる政治姿勢だろう。
正しい目的のためにやむを得ず独裁を続けているという建前である。しかし、このことは今や本末転倒になりつつある。コロナを制圧するためには人権を無視しても良いのかという事に似ている。正しい目的であったとしても、間違った手段であれば、人間を最終的には不幸にする。コロナ対応に成功したかのように見えても、コロナを生み出したのも中国の限度を知らない大規模畜産にあるとみている。
中国が国内でも弾圧的な政治を継続しているのは、独裁的政治以外では、やっと立ち直りつつある中国が、又腐敗し崩壊すると言う意識が強いのだ。それほど中国は急激な変化をしている状態にある。又それほど中国の腐敗病巣は根が深い。社会の至る所に腐敗が浸透している。中国人は極めて有能であるが、倫理に欠けている。それで儒教が生まれたのではないかと思うほどである。
経済成長においては戦後日本が75年でたどった道を20年くらいの年限でたどり、追い抜き、アメリカをも脅かすほどの経済大国への道を進んでいる。そのためにはどんな色の猫も利用したのだ。こういうことが腐敗に繋がる。そしてコロナを生み出す。
日本国内には中国経済は崩壊すると、空想的な予測を立てる人が後を絶たないが、日本と中国の経済格差はすでに、極めて大きいものになっている。日本はアジアにおいても遅れた国になり始めているがそれを受け入れていない。遠からず中国は日本の数倍の規模の経済の国になる。
それほど遠くない時代に中国経済はアメリカと並ぶ規模になると私は考えている。理由は中国人は極めて商売に有能であり、又国の態勢が国際競争に有利だからだ。能力を発揮しやすい、国家資本主義と呼べるような共同的で、競争に有利に動く経済的基盤があるからだ。もちろんこれが良いというわけではないが。
その巨大国家の中国の中には、計り知れないほどの矛盾が存在する。香港問題、台湾問題、ウイグル問題。国内の経済格差。貧困な農村部と都市部の関係。人口問題。問題点から見れば、最悪の状況が続いているとも言える。しかし、中国としてはこれでも問題が徐々に片付いていると認識しているのではなかろうか。過去200年の中国の歴史は、日本帝国主義にまで進出されるほどのひどい状況にあったのだ。
日本は戦後アメリカの占領下に置かれ、そのままアメリカの属国として存在している。アメリカの占領軍としての軍事力は、日本の支配のために置かれたものである。軍国主義日本が再生しないために、米軍が支配してきた。現状もその意味は基本的には大きくは変わらない。
日本の独立はアメリカの属国としの範囲である。まだアメリカからの自立は行われていない。何故日本人はこの認識を持てないのだろうか。アメリカの核兵器に支配された状態。アメリカと価値観が共通である間は、ストレスは小さいが、トランプが現われてみれば、アメリカの独善に巻き込まれる日本がはっきりと感じられてきている。
アメリカは日米同盟と言いながらも、日本の米軍支配を手放すことはない。沖縄の状態を見れば、それはよく分かるだろう。日本も経済成長のために、軍事費を節約できると言うことで、アメリカの軍事的な支配下に75年も置かれて、属国状態に無感覚になってきていたのだ。
すでに多くの日本人が、このアメリカ支配の状況を意識できないことになっているほど、奴隷根性がしみこんでしまった。アベ氏の行動や言動を見れば、嫌気がさすほど属国である卑屈が感じられる。これは奴隷の自由である。中国共産党独裁下に置かれた、中国国民とその意味では同じである。
中国から見れば、現状の日本はまさにアメリカの属国以外の何物でも無い。特にアベ政権になり、アメリカの威を借る姿は、反中国的な行動が顕著になっていると言うことなのだろう。アメリカは日本をけしかけて、仮想敵国中国を強化させ、利用しようとしていると見て間違いない。
アメリカの絶対的な経済大国の地位を、中国が脅かし始めているという意識がトランプアメリカにはある。アメリカ国内にある問題を、何でもかんでも中国の卑劣なため起きていると主張する。コロナが武漢で起きたのは事実であるが、アメリカを陥れるための人為的なものだとまで主張する。アメリカの今の感染の状況はコロナ対応の失敗の結果生まれたのだ。感染症対策に限れば、独裁的国家の方が対応がしやすいと言うことなのだろう。
コロナ対応を国民の自由な判断に委ねた国は結局の所大きな経済的な打撃を受ける結果になっている。中国の様々な問題を内包する独裁的政治は、問題が山積みの状況で仕方がないというのが、中国の国内の多数の判断なのだと思う。それがコロナ対策という一例である。
習近平の独裁的国家運営が問題なのは、誰もが分かってはいるが、現状の中国の問題を乗り切るためには、仕方がないという意識が強い。それほど中国は大きな変化の中にあり、しかもすこしづつ改善されているという意識が、多数の中国人にはあるのではないだろうか。
これには高度経済成長下の生活の向上が背景にある。暮らしが前よりは良くなったという感じ方があるから、人権の抑圧や自由への圧迫があっても反発が出にくくなっている。しかし、必ず高度成長は終わる。その時には中国は新たな段階を迎えるのではないかと想像している。
人間の根源的欲求である、自由や平等は必ず力をもたげてくる。日本は今の習近平政権だけで、中国を判断しない方が良いと考えている。中国人が、ある程度開かれた情報の下に10年間生きれば、何が正しい方向であるかは判断するはずである。
功利的判断を優先する中国人は現状では共産党独裁を受け入れている。独裁の方がそれ以前の腐敗政治よりはましだという意識も強い。このバランス感覚が中国なのだ。それも徐々に限界に来ている。中国はそう遠くない間に変わる。そういう期待を中国人に対して感じている。
日本が自立するためには、アメリカとの関係を後退させ、中国との関係を強めて行く。それを軍事力ではなく、平和的手段を駆使して進める。これが日本のこれから道ではないか。もちろんそれは中国の属国になると言うことでは無いのは当然のことだ。日本はこれから自立した国になり、東アジアの国々と手を結ぶことだ。