お米の価格

   

今年のお米が、低価格に成りそうだ。豊作という訳でもないのに、米余りと言う事らしい。何しろ食べなくなったのだからしょうがない。政府の米価対策が、テレビで「お米を食べましょう」のCMを入れるというのだから、どうにもしょうがない。以前はお米の価格は政府が全てを決めていた。これが、物価の上昇にしたがって、毎年上がっていた。所が、これに対し、都市住民から、反発が強く起こった。20年ほど前の事だ。それを主導したのが、マスコミだ。農家に対して、憎しみがあるかのように、米価だけを、政府が保証することが、農家優遇でおかしいという。政府は、逆ザヤで、赤字を出して、販売価格とする。今問題になっている民主党の言う補助金。

お米の流れを整理する。「お米の取り入れが終わると、農家は農協を通じて、全農などの自主流通法人という団体にコメを売却する。自主流通法人は、自主流通米を管理する団体である。 次にコメは、自主流通米価格形成センターというところに集められる。ここは米の卸価格を決める所である。米の品質や味、収穫高などによって、産地品種ごとに入札が行われる。ここで決まった価格で、自主流通法人は米を卸売り業者に売却する。 最後に、卸売り業者は小売店に米を卸し、スーパーなどで米が並べられる。この段階で消費者にお米が届く。 米は、その年の8月には、早場米として第一回目の入札が行われる。その後、8月末に第2回、9月末に第3回…と、毎月入札が行われ、値段が決められる。豊作の年は入札価格が安くなり、したがって小売価格も安くなる。 自主流通米のほかに、政府米もある。こちらは政府がお米を農家から買い取り、卸価格や販売価格を決める。」

以前は自主流通米という制度が無かった。全てが政府米だった。今言う政府米は、備蓄用のお米だ。一年経過してから、米価を崩さないように販売する。お米には更に、もう一つには「計画外流通米」がある。特別な栽培法や考え方で、生産され、消費者が高くても農家から直接買うような、お米の事だ。農家の努力が反映できるようになった。以前は、これが闇米と言われ、違法行為だった。自由に売れない、政府の買い入れ価格は努力を認めない、低価格。その上減反しろ。これではやってられないと言うので、富山の人が、逮捕覚悟で、埼玉の方の団地まで来て、お米の販売を続けた。全国発送もした。富山県警は、本当に逮捕した。しかし、それをきっかけでお米を自由に売る事が、合法的なことになった。

足柄地域では、正確な数値は分からないが、80%以上が、計画外流通米だ。消費地に近いと言う事、小さい農家なので、自家消費や親戚ぐらいで済んでしまう。自分で消費者やお米屋さんに販売する人もいる。さらに、レストランチェーンなどが買い付けに来る農家もあるという。価格の割りにおいしいと言うので、弁当屋さんなどで、目をつけるところがある。神奈川県産が安いということがある。全農ではパールライスとして販売するのだが、銘柄米という訳ではないし、量が少ない、味の点で余り評判が良くない、と言うので、余りいい価格にならないようだ。所が、同じ神奈川でも、足柄地域のお米は別。パールライスに混ぜられるのは損だというのがある。所が、パールライスの殆どが、給食用になるのではないだろうか。それでも足りない訳だ。この辺りが、きちっと見える形になれば、米農家の励みにもなる。

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