辺野古米軍基地 自衛隊使用の密約
自衛隊と米海兵隊が、辺野古新基地に陸自の離島防衛部隊「水陸機動団」を常駐させることで2015年、極秘に合意していたことが24日、分かった。沖縄タイムスと共同通信の合同取材に日米両政府関係者が証言した。日本政府は新基地を米軍用と説明してきたが、実際には日米が共同使用し、一体化を進める中核拠点となる。(沖縄タイムス編集委員・阿部岳)
加藤官房長官は密約を完全否定した。何故認めないのだろうか。この機会に日米安全保障の実態を示すべきだろう。国民に猜疑心を持っている。共同利用しないと言うはずがない。このままでは国防が安定をしないだろう。日米が協力して有事に当たるということが、現在の安全保障の骨格なのだ。隠すこと自体がおかしなことになる。
アメリカの一国主義の変貌を見れば、日本の自衛隊がアメリカへの攻撃の防御も担うことが要請されて当然である。中国が太平洋に進出してアメリカのリスクが高まることを、琉球弧の島々の自衛隊基地が、監視をする。中国の攻撃を確認した時には、いち早くミサイルによって先制攻撃をして、日本本土およびアメリカ本土の被害を防ぐ。これが現状の防衛戦略の計画である。
どのようにごまかしてみたところで、自衛隊と米軍が基地を共同利用し、共同訓練をしないことには、今のままでは中国に軍事的には対抗できないという現実認識が日米政府にはある。自衛隊の敵基地先制攻撃ミサイルの配備はまさにこの現状を日米が確認して合意していることだろう。
そして、中国は琉球弧に並んだ米軍基地および自衛隊基地がどのような配備をしているのか、偵察衛星で監視していることだろう。あの北朝鮮の核実験場の車の通過まで観察していることと同じである。石垣島の自衛隊基地も当然、建設の初めから、徹底して施設の建設状況を見ているに違いない。
石垣島にはミサイル基地を作ろうとしていると中国が考えて当然のことだ。なぜ、石垣島の神聖な守護の山である於茂登岳の山麓に基地を作ったかと言えば、於茂登岳に穴が掘れるからである。カモフラージュされた穴蔵の倉庫からミサイル発射台が引き出されるはずだ。
中国にしてみれば、自分を狙っているミサイル基地を研究しないはずがない。孫子のように敵を知るということから軍事は始まる。そして尖閣への中国艦船の領海侵犯が始まったのだ。中国にしてみれば、中国包囲網に対して黙っていられないというところである。
中国にしてみれば、自国の権益を守るために、どのように日米の間にくさびを打ち込み、不信の関係を作るかがこれからの戦略だろう。これからの日中関係は極めて難しいことになる。攻撃用のミサイル基地を作りながら、お互いの腹を探ろうという外交の状況である。
平和外交とは正反対の現状である。日本は中国に対抗出来る軍事力など持てるはずもない。そもそも、原子爆弾を持てない国なのだ。日本は北朝鮮にすら脅かされてしまう。日本はなまじの軍事的な対抗策は採らない方が安全だと考える方が良い。
専守防衛に徹する。中国を攻撃する能力はないと言うことを、明確にする。そして、攻撃力のない国であることをむしろ平和外交の力として、アジア諸国との友好関係を作り上げる。日本はアジア諸国を侵略する意志がまったく無い国であることを証明する。その武力も明確にないことを示す。だから安心してお付き合いくださいと、良い経済関係を構築していく。
日本はアメリカとの関係を見直す。独立国家として対等な関係を作る。日米地位協定を見れば、アメリカが日本を軍事基地利用としてしか見ていない本質が分かる。米兵の米軍基地の外での犯罪の裁判権すら日本にはないのだ。米軍ヘリコプターが日本で墜落しても調査する権利もないのだ。
沖縄では頻繁に米軍飛行機からの落下物がある。しかし、そのことすらまともに取り合ってくれないのが現状である。夜間の発着訓練はしないと約束しながら、平気で行う。落下傘の訓練も行わない約束をしながら、頻繁に行っている。しかし、日本政府はせいぜい要請をしましたぐらいの範囲である。
辺野古には米海兵隊の基地が建設中である。沖縄の民意を踏みにじっての建設である。米軍基地負担の軽減と言いながら、まさに基地強化の一環として辺野古基地の建設が進められている。沖縄を又日本本土の犠牲にしようとしている。無人島はいくらでもある。しかし、辺野古なら我慢するという米軍に対して無力なのだ。これが、日米安保の実態である。
この米軍基地は自衛隊が常駐するものであると言うことが密約されていた。当然のことで、南西諸島全体に配置され始めている自衛隊基地は米軍との共同使用が想定されているのだろう。これは日米安全保障条約に基づく、米軍への基地の提供ということである。
アメリカがどれほど沖縄の人々の生活を脅かしているとしても、日本政府は一切目をつぶり、日本の防衛を肩代わりする代わりに、日本は基地を提供する約束なのだ。沖縄の基地負担の軽減を口にするなら、まず日本政府は日米地位協定の見直しを始めるべきだ。それはいつでも始められるもののはずだ。
中国の経済力が急速に増大し、軍事力もアメリカに対抗しうるような強大なものになろうとしている。アメリカも当然、太平洋の防波堤として、日本列島に基地を並べることが戦略の上で重要度が増している。アメリカは日本に防人になれという。日本は沖縄に防人になれという、より弱いものが犠牲になる構図。
軍事力を増大する共産党独裁の中国に対抗するためにはどういう方法があるのか考えてみる必要がある。一番は中国に対抗するアジアの近隣諸国による平和連合である。中国の増してくる圧力に対して、近隣諸国は大いに不安を感じている。その不安を感じる国は同時に、中国に強いことも言えない国でもある。
中国は外交の巧みな国であるから、近隣諸国を衛星国にしてしまおう、援助と圧力を同時に進めている。そのことはアジア各国は日本以上に十分承知しているから、それぞれの国が複雑に中国との関係を模索している。軍事力で対抗しようなどとしている国はない。
日本ほど、アメリカに軍事的に利用されている国はない。日本はアメリカに偏りすぎている。アジア諸国と対等で友好的な関係を作り上げることが日本の安全保障になる。中国が軽視できないような、強固な平和の絆を作り上げることだ。
そのためにはアメリカと一定の距離を持つこと。そして、攻撃的な軍事力を持たないこと。自由経済と議会制民主主義を目指す国家であること。これらのことを明確にしなければアジア諸国との、平和で対等な関係は生まれない。
アジア諸国は日本と同じような立場で、強大化する中国を不安な眼で見ている。日本はアジアと諸国と連帯を基盤として、中国との関係を模索すべきだ。そのためにはアメリカと余りに依存し又利用されすぎる関係は終わりにしなければならない。
中国の低賃金による優位は遠からず終わるはずだ。アジア各国の労働力が日本経済にとって重要度が増してくる。同時に、中国にしてもアジア諸国との経済関係の強化が必要になるはずだ。この時に平和国家である日本がアジア諸国と良い関係を持ていることが重要になる。
日本がなまじの軍事力を持つことは、アジア諸国との信頼関係を損なう可能性が高い。過去日本はアジア諸国に侵略戦争をしたことを忘れてはならない。その反省に基づき、どこまでも攻撃的軍事力のない国である必要がある。飛行機に竹槍で対抗するような愚を又犯してはならない。