エッセンシャルワーカーの待遇改善

   



 
 エッセンシャルワーカーは待遇改善をされる必要がある。医療従事者、警察・消防関係者、公共団体関係者、銀行やスーパーマーケット勤務者というようなライフラインに関係する労働者をエッセンシャルワーカーと呼ぶらしい。コロナで重要性が確認された。

 エッセンシャルという単語が示すように、そこには尊敬の思いが込められている。デジタル化が進み、様々な仕事がリモートで可能になっても尚、どうしても物理的に対応しなくてはならないことは残る。その中には社会活動をささえている、無くてはない仕事がある。

 それを担う職業の給与や労働条件は、需給バランスを踏まえれば、今後、上がっていくことは間違いない。しかし現状ではまだまだ不十分と言われている。厚遇されるようになるであろうエッセンシャルワーカーの処遇はどのようになるべきだろうか。

 自粛期間中であっても出勤しなければならない職務に就く人。スーパーマーケットや銀行や医療従事者などには、まず特別ボーナスが支給されるべきだ。感染リスクがあり、身体的な負荷や家族の負担も大きいのだから当然のことである。
 
 今後は社会として、有事だけのものではなく、平時から特別な慰労金が支給されるようになる必要がある。現在でも、危険手当といったものはあるのだろうが、社会インフラを回すために必要不可欠な職業は人員確保のためにも、待遇改善は絶対条件である。

 必要不可欠な職種は、時間管理は厳格にならざるえない。場合によっては、休むことさえ許されにくい職業もあり得る。多くの方が、正月休みもなく、コロナ対応で頑張ってくれた。成果よりも物理的拘束の方が重視される評価報酬に変わる可能性もある。

 また、手間や時間をかけて出勤していることから、職場で自分の役割とは関係のない仕事をやるよりも、自分に求められる仕事だけを専門に行うと言うこともあり得るだろう。専門性と時間の自由裁量も必要になる職種もあり得るだろう。すべてのエッセンシャル・ワーカーが医師に近い待遇になる必要がある。

 物理的に拘束されざる得ない、エッセンシャル・ワーカーは社会インフラに関わる仕事に多い。インフラであるとすると、そこに必要なのは、一定のサービス品質であって必要以上の付加価値は期待されにくくなるだろう。そのことで現在、待遇が社会的に見ると低くなっている傾向がある。

 このような業務は、同一労働・同一賃金の考え方と相性良く、中長期的には社会レベルでの適用が加速する可能性が高い。同一労働、同一賃金の体系が整備され、賃金水準のガイドラインが策定される必要性もでてくるだろう。
 
 「エッセンシャル・ワーカー」を訳すと生活必須職従事者。始めて聞いた言葉である。具体的職種が出ていたので並べてみると「医療従事者」「スーパー・コンビニ・薬局店員」「介護福祉士・保育士 」「自治体職員」「バス・電車運転士 」「郵便配達員・トラック運転手」「ゴミ収集員」「銀行職員」「警察官」「消防士・救急隊員」

 コロナでその重要性が際立った職業である。コロナがあろうが無かろうが重要であったのだが、危機にいたり社会が気がついたわけだ。無ければ社会が即座に成り立たない職業である。職業はすべてが無ければ社会が成り立たないとも言えるのだが、特に生活に直結していて、必要不可欠な職業と言うことのようだ。それぞれの人の暮らし方で、必要不可欠も大きく異なるだろう。

 政府は医療従事者や介護関係の職員には一時金を確か20万円補助したことがあったと思う。しかし、今の状況を思うと、その程度の慰労金ではとうていすまないと思う。コロナ前の勤務状況と現状との労働の過重の違いは半端ではないだろう。今頑張って働いてくれているのは職業に対する誇りと社会に対する愛情があるからなのだろう。感謝の気持ちを何とか、待遇改善につなげられないものだろうか。

 エッセンシャル・ワーカーに対する待遇が見直されるべきだと思う。余り良い待遇では無い職種も多い。無ければ社会が成り立たないにもかかわらず、余り待遇的には優遇はされていないと言う職業。必要ではあるが、誰にでも出来ると言う側面が存、それほど特殊な技能を必要では無い職業がある。

 なぜ、一部のエッセンシャルワーカーの待遇が悪いのかであった。理由を調べると特別な技能や資格が無くても出来る職業は待遇が悪いと言うことが理由にあげられる。確かにごみを集める仕事は特別な技能はいらない。しかし、本当はかなり熟達が必要な仕事ではある。

 本来であれば、必要不可欠な仕事なのだから、給与は高くしておく必要がある。望んだ勤め先を見いだすのが難しい人たちの多い状況下では、仕事が不快であればあるほど、立場の弱い人たちに転嫁されて、反比例した低賃金になる

 資本主義ではそもそも給与はどうやって決まるのだろうか。望んだ勤め先を見いだすのが難しい人たちの多い状況下では、仕事が不快であればあるほど、立場の弱い人たちに転嫁されて低賃金になる。

 社会では株式の急騰で不労所得を増加している富裕層が存在する。こうした不均衡な状態は、社会の不安定化に繋がる。どうやってこうした社会的正義に反する状況を改善するかが、政治の役割なのではないだろうか。日本では政治が富裕層向きになっている。

 エッセンシャルワーカーの対義語はBullshit Jobsと言うらしい。無意味なクソ仕事と言うらしい。実はBullshit Jobsが世界中で高給取りなのだそうだ。上級ホワイトカラーに多いらしい。社会の役には立たないが、一応その職に就いているだけで高給を受け取る仕事。

 これを逆転するためには二つの方法があるとも書いてあった。一つはエッセンシャルワーカーの待遇を改善する。当たり前のことだが、これは難しいことで不可能に近いとも書いてある。もう一つが、例の賛否両論渦巻く、ユニバーサル・ベーシックインカム。

 人が食べていける最低限の現金をすべての国民に渡す方式。一定の生活がすべての国民に保障される。その上で、いかに社会に貢献していくかは、それぞれの人が考える。そんなことでは誰も働かなくなると考える人が多いわけだが、実証実験の結果ではそうでもないらしい。
 ドイツ経済研究所が、120人が毎月約15万円を3年間渡す。研究所はその後、1380人の現金支給を受けていない人々の体験と比較分析を行うことになるということである。世界ではこうした社会的実験が数多く始まっている。
 非常に興味深い。資本主義が末期的な状況になってきている。ここを乗り切るためには新しい経済の考え方を模索するほかないだろう。もう少し勉強してみたい。

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