コロナは深刻な新局面に

   



 コロナの感染爆発は新しい局面を迎えた。予想通り、非常事態宣言は効果を上げない。そして、感染力の強い変異ウイルスが広がり始めて、抑えられないことが見えてきた。これから、一段と深刻な事態になることを覚悟しなければならなくなっている。

 100人を超える死者が出ている。すでに医療崩壊が起きている。コロナの感染が確認された、持病がある人であっても、自宅にいる他ない状態が始まっている。保健所の自宅療養の患者の状況確認すら出来ないという。自宅待機中に死んでいる人も、全国に及んでいる。

 石垣島では健康維持と生活物資買い出し以外の外出が禁止された。2月7日までということである。28日には眼科の検診があるのだが、行かないことにした。どのみち検診といっても確認だけで治療があるわけではない。

 眼の確認をするぐらいで、コロナに感染する可能性があるのでは困る。小田原では検診は二ヶ月に一回だった。石垣島では一ヶ月に一回である。確かに石垣島の眼科医院の方が設備も良いし、熱心によく見てくれている。年寄だからといっておろそかにされている感じがない。しかし、毎月ではなく、二ヶ月に一回でも大丈夫だ。

 眼科医院はいつも満杯で密である。考えてみれば、患者よりも先生や看護師さんが不安なことだろう。待ち時間が長く2時間ぐらいかかる日がある。いつも感染が不安で仕方がない。感染者数から類推してみると、医院では毎日一人ぐらいの感染者と接触している可能性が無いとは言えない。目薬だけは貰いたいのだが、薬は処方箋なく薬局で売ってくれるのだろうか。

 果たして、絵を描きに車画堂で出かけては行けないということなのだろうか。絵を描くのは一人だし、車からほぼ出ない。ライフワークのリモートワークとなる。しかし不要不急であるし、不要不急の外出は禁止ということではある。

 今度、法律が出来ると違反者の名前の公表をして、罰則を行うということらしい。絵を描いていたら、警察に捕まり、始末書ぐらい取られるのだろうか。まさか、そんな馬鹿なとおもうが、菅さんなら見せしめにそういうことをやりかねない雰囲気がある。

 民間の自粛警察が、昇格して本物の警察になったということなのだろうか。鼻だしマスクで受験禁止になった40代おじさんがいた。トイレに閉じこもり、警察に捕まったらしい。そういえば同じような40代のおじさんが、マスクを拒否して飛行機から降ろされ、威力妨害で捕まった。

 社会にストレスがたまり始めている。40代のおじさん達は辛いのだ。私も30代後半は大変な思いで生きていた。人生の折り返し地点を過ぎて、後半にさしかかる。道を変えるなら今でしょう。そんな天の声がした。それでつまらないことにも妥協できないでいた。

 菅さんは虐め体質である。政府が無能で何も出来ないので、批判が自分に向かって来ている。そこで批判を一部の国民に向けるために、罰則を強化し、名前を公表して悪者を作り出そうとしている。
・緊急事態宣言下で事業者が都道府県知事からの休業や営業時間短縮の命令に応じなかった場合、50万円以下の過料
・緊急事態宣言の前段階として「予防的措置」を新設し、緊急事態宣言と同様に命令に応じなかった場合、30万円以下の過料
・入院措置に従わなかったり、保健所の疫学調査を拒否したりする人への刑事罰
・コロナ病床を増やす勧告に応じない医療機関名を公表

 一ヶ月で感染を抑えると公言したにもかかわらず、何の効果も出せない政府は国民を虐め始めた。政府が悪いのではなく、従わない国民が悪いというわけだ。しかし、従いたくとも従えないということもある。店が潰れるのが分かっていて従えるだろうか。店が潰れて一家心中というのは珍しい話ではない。

 店を閉めても、何とか暮らして行けるだけの補償がなくては無理だろう。もし補償も出来ないというのであれば、日本がいよいよ終わりということになる。とばっちりで若者が感染源だということを菅氏は言っている。若者は感染してもたいしたことがないのだ。若者にいくら言ったって、1年も我慢してきてもう無理なのだ。人間はそういうものだ。

 有効な対策があるとすれば、老人の外出禁止である。若者には老人接触禁止である。これ以外に医療崩壊を防ぐ手立てはない。他のことでは自粛疲れで効果が出ない。菅氏自身が、言うそばから老人忘年会をやってしまったぐらいだ。国のエライ政治家が夜の会食をやめられないのに、何故若者が止められるだろうか。

 新年に親族で集まるなと言われたって限界がある。成人式で若者に集まるなと言ったって、出来ないことは出来ない。出来ないことを見越して、可能な政策を考えるほか無い。店を8時に閉じさせるためには、脅かしただけでは無理だ。

 それを名前を公表するというのは、みんなでいじめろという指示なのか。罰金を科すというのはいよいよお金足りなくなったのか。自粛警察が公的警察に変わっただけだ。こんな国が信頼されるだろうか。政府に対して不満がますだけだろう。

 政府も民間も一緒になってコロナと戦う覚悟がなければ、感染症とは戦えない。悪者を作っていじめたところで、どうにもならないことなのだ。コロナウイルスは左遷されようが、人事の優遇を受けようが、屁でもないのだ。日本の政治が空洞化し、ここまで劣化していたことを明らかにしてくれたのは、せめてものコロナの恩恵だろう。これを機会に変わらねばならない。

 スエーデンの福祉はすばらしいと散々言われていた。幸せな国とも言われていた。ところが何かがおかしい。コロナに対して、無防備で社会的免疫で対応した。それが大失敗であったことは死者数の極端な増加であきらかになった。政府が悪いと、幸せの福祉国家でもこういうことが起こるのだ。

 台湾の素晴らしさは政治と社会と人間の素晴らしさである。強制力で抑えた中国とは違う。みんなで力を合わせようという気持ちでコロナに勝ったのだ。日本は台湾に学ぼうではないか。どうすれば心を合わせられるかを政府は考えるべきだ。

 罰則の強化など火に油を注ぐ結果になる。今更であるが、老人の外出禁止である。若者には老人接触禁止である。まず、菅氏から始める。老人の政治家はこの際自宅待機である。官邸でのリモートワークで良いだろう。政治家がそのくらいの覚悟で範を垂れなければ国民の気持ちが合わさることはないだろう。

 まず、いままでの非常事態宣言では全く効果がないと言うことを認めるところからやらなければ無理だ。尾身感染症対策部会長もこの際若い方に交代して貰った方が良い。何故、老人の外出禁止を検討しないのか、しているのだが出来ないのか。

 以前にも書いたがこれはイスラエルの、スーパーコンピュターの判断である。そしてそのイスラエルは実行できずに、感染が広がった。そして、世界で先頭を切ってワクチンを打っている。イスラエルのワクチンが効果をあげるのか、後遺症はないのか注目である。

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