のぼたん農園の田植え

   



 のぼたん農園の田植えを2月25日と26日に予定している。それまでに田んぼの準備である。苗は順調に生長している。苗代に種まきをしたのは、1月15日である。最初の直播きが、12月4日だったから、一ヶ月半後に2回目の種まきをしている。

 3回目の種まきを2月22日に予定して、16日に溜め池で浸種してある。ミルキーサマーという品種を、下地さんから種籾を分けてもらった。1ヶ月ずつずらしての3回の種まきである。まだ出来るかどうかは分からないが、これがひこばえ農法に繋がれば、毎月新米を食べるのも夢ではない

 一部ネズミに食べられて、失敗をしたということもあるが、今年は、時期をずらして3回に分けて、種まきの予定通りである。時期がずれていれば収穫の時期もずれて、毎月新米を食べるということになる。日本では八重山諸島以外では出来ないだろう。体験型の自給農業を目指してのぼたん農園の農法を探している。

 最初の12月4日に播いたイネは、今が8から9葉期である。この間10度まで下がる日もあったので、成長はゆっくりめである。それでも枯れると言うことは無く、ここまで来た。石垣島は一年中稲は生長できると言うことが確認できた。これはひこばえ農法には良い材料である。

 毎月新米構想は、危険分散でもある。石垣島の稲作は様々な問題が起こる。自然が厳しいと言うことと、大きな台風が来ると言うことがある。どこかでやられても、いつでも再出発できるという態勢にしたい。色々の成長段階のイネがあれば、どれかが助かるという可能性が高いはずだ。

 3回目になる次に播くイネでも、直播きの実験はする。苗代はいつも通りで良いと思うが、直播きでネズミや鳥に食べられないようにしたいわけだが、そう簡単ではない。全体をネズミが入らないようにすることはかなり難しいので、色々考えているところだ。

 直播きは手間がかからず簡単にできないのであれば、省力化という直播きの意味が無くなる。今の調子では直播きよりも苗代の方が、安定している気がしている。今後の課題である。直播きも大きなネットが一枚あり、毎月直播きをしてゆくと言うぐらいであれば、良いかもしれない。

 田んぼ全体に、カヤツリグサが出てきている。これは種を落とさないうちに抜かなければならない。コナギはまた溜め池に出てきている。種を落としたとは思わないのだが、いくらでもコナギは出てくる。コナギの種は生命力が強くよほど種が残っているのだろう。

 12月、1月、2月と3回に分けて種まきをする。これが、5月、6月、7月、と言う形で収穫になる。それをひこばえ農法にしたら、10月、11月、12月と収穫になり、さらに3月、4月、5月と3回目の収穫になる。ここまで上手く行けば、ひこばえの刈り込む時期を変えることで、毎月の収穫になるだろう。

 果たしてそうなるかは、これからの管理次第だ。山岡先生の言われる、幼保を形成させないための技術は、稲刈りをどの程度早くすれば良いのかだけだと言うことである。これを検討する必要がある。水分計で測定しながら、どの程度早くかれば幼保が形成されないのかを確認する。

 山岡先生は普通の稲刈りよりも1週間早めるのが、ひこばえ農法の適期と言われている。籾の水分が28%当たりがひこばえ農法の適期と言える。30%から徐々に下げて行きながら稲刈りを行う計画である。収穫に適した籾の水分は、25%前後とされている。

 私はいままで20%以下でなければ稲刈りをしなかった。15%でやったこともある。田んぼから直接ハーベスターに入れて、脱穀して、そのまま干さないで、籾すりをしたこともある。倒れなければそれでもいいと考えてきた。ところが今回は水分30%からの稲刈りである。想像が出来ない。

 籾水分は、積算温度50℃で約1%低下する 。おおよそ2日で1%さがるとすれば、2日ごとに稲刈りをして行き、その後出てくるひこばえを比較検討すれば良いだろう。ただし、水分判断だけでなく、目視も重要だから、どの程度の青米が残っているかも考えて稲刈りをしたい。

 トラヌ狸の話である。
1,アカウキクサによる緑肥。石垣島の土壌は腐植がたりない。
2,光合成細菌の投入。少ない水の腐敗を防ぐ。
3,ひこばえ農法。2年で7回の収穫をするスマトラ島のサリブ農法の再現。
4,一年中水のある田んぼ。石垣の土壌には泥沼化しない適性がある。
5,バイオガス設備。水牛糞の有効利用。
6,毎月稲刈りを行い、新米を食べる。

 この6つの目標が実現できれば、石垣島の自給農業は素晴らしい魅力ある場所になる。そうなれば、石垣島に50の自給の田んぼが生まれるはずだ。そのことが、石垣島の自然を維持してゆくことににも繋がる。そして石垣島がSDGS の島に名実ともに成るだろう。

 今年は2年目と言うことで、本格稼働の年である。このところ昨年と打って変わった少雨傾向である。ともかく雨の多い、2月に差して雨が降らない。雨が降らないので溜め池の水が大分減ってきている。これ以上減るとかなり厳しいことになるが、田んぼに水さえ溜まれば、田んぼ自体が溜め池になるので、何とかしのげるとみている。

 田んぼ全体に水が溜まるほどの雨が、一度だけでも降ってもらいたい。天水田は雨頼みである。自然に願う気持ちが良く分かる。自然は厳しいものだが、自然に助けられると言うこともある。自給農業の体験で一番重要なことは、実はこの自然を知ると言うことだろう。


 自然に生かされている自分を知ると言うことになる。その気持ちが、絵に表れてくると考えている。そういうことは一生を生きた結果のことだから、どうでも良いとも、何とも成らないとも言えることだが。のぼたん農園をやりきると言うことが、自分を生きると言うことと繋がっている。

 今年2回目の田植えが、近づいている。0,1,2,4番と4つの田んぼの予定である。0番は9番にある「ゆがふもち」を田植えする。1,2,4,番田んぼは「とよめき」である。これで、とよめきは直播きと田植えと言うことになる。生育も比較できておもしろそうだ。

 昨年の経験ではとよめきは肥料をやらないとしっかり成長をしない品種のようだ。8.5葉期で7,8番田んぼには追肥をした。もう少し早く追肥をしても良かったかも知れない。まだ土壌が出来ていないので、どうしても肥料不足のようだ。

 今年はアカウキクサが繁茂してくれればと思う。アカウキクサがきっちりと生えれば、これで肥料分は十分なはずなのだ。月々1反1キロぐらいの窒素分を生産しているはずだ。肥料が足りなくなるはずがない。いよいよ2回目の田植えが近づき、何だか緊張してくる。


 

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