宮古島自衛隊基地誘致汚職

   

 沖縄・宮古島への陸上自衛隊の配備をめぐって業者に便宜を図った見返りに現金約650万円を受け取ったとして、沖縄県警は12日、前宮古島市長の下地敏彦容疑者(75)=宮古島市=を収賄の疑いで逮捕し、発表した。また、贈賄の疑いで、ゴルフ場経営の「千代田カントリークラブ」役員、下地藤康容疑者(64)=同市=を逮捕した。

 宮古島前市長下地氏は潰れかかったゴルフ場の用地を自衛隊に売るために、賄賂を受け取ったという。かねてより噂されていたことで、市議会では何度もゴルフ場選定の闇が追及されていた。選挙前には逮捕することが出来ず、落選してからの逮捕になった。

 下地氏が何が何でも自衛隊誘致を叫んでいた理由は、お金を貰うことにあったのだ。日本の国防とか、国の専権事項とか、何の関係もない。私腹を肥やすための自衛隊基地の誘致である。実にこういうことが横行している。そもそもいらないものを作るのだから、こういうわけの分からない汚職が生じかねないのだ。

 ミサイル基地誘致はお金がらみの可能性が常にある。市長が不動産屋まがいをやって、選定行為に関与して、バックマージンを貰う。宮古島ではばれただけで、こういうことは日本中であり得ることだ。

 自衛隊誘致利権にはもう一つの利権ある。建設業者からのバックマージンである。仕事を引っ張ってきた功績で、選挙で応援して貰う。これは普通のことであり、石垣島でも大いに行われている。お金が動くか動かないかの違いである。

 この土地はそもそも宮古島市に公園用地として購入して貰おうというので、ゴルフ場側は市長に近づいたのだそうだ。そこに自衛隊基地の話がきたもので、渡りに船とばかり自衛隊に売りつけることにしたのだ。自衛隊の誘致是非の住民投票をやらない理由はここにある。

 こういう汚いお金が裏で飛び交っているのだ。それは石垣島でも全く同じである。石垣島では現在ゴルフ場の開設を市長は必死に主張している。これからの観光にはゴルフ場はいらないという市民の声も多い。ゴルフ場を作ったところで経営が無理だという話はまさに倒産し掛かった、宮古島のゴルフ場の辞令通りだ。

 実はこのゴルフ場開発は実はホテルと考えた方が良い。農地にホテルを建てるために、あれこれ画策を市長はしている。普通なら農地転用など出来ない場所である。農地がホテル用地になれば、その結果として倒産したとしても、莫大な利益が出る。ホテルは潰れることはないだろうし、普通では作れない自然環境の良い場所に、巨大ホテルを作る計画である。

 裏でお金が動いていないと考える法が難しいぐらいだ。中山市長も下地市長もお友達である。発想は同じだろう。農用地の転用で一儲けを企てているのだ。そして自衛隊誘致である。これからの石垣島の観光にゴルフ場はそぐわない。市長は富裕層住宅とか、ゴルフ場開発とか、一時代古い発想なのだ。

 石垣の自衛隊基地も、ゴルフ場の跡地が一部である。於茂登岳の 山麓に作るべきではないという意見は保守層からも何度もあった。島の北部地域に作るべきだという意見だ。北部地区は過疎化しているからどうしても作るならそっちの方が良いと言う意見だった。

 ところが市長は何が何でも於茂登岳山麓を画策し、いつの間にか市有地まで販売してしまった。こんな馬鹿な話はない。自衛隊を誘致すべきかどうかも、あるいは水源地であり、しかも島で一番神聖な山である於茂登岳に作るべきかどうか。まともな議論など無いままに、市長の誘導で決まってしまった。

 こういう利権構造が、市民投票の拒否になっているのだ。自衛隊誘致の意味を市民が議論するという当たり前のことを、行えないようにしている。そうした議論自体が、国の専権事項には口が挟めないという嘘でごまかされている。

 宮古島市と同じような汚いお金のための自衛隊誘致と考えていいのではないか。自衛隊の話で一儲けしようというのが、中山市長の体質から言えば一番ありそうな話だ。だから自衛隊基地の話はまともな議論がないまま進められたのだ。

 石垣島のゴルフ場開発の話も一度立ち止まり、おかしな事が裏で起きていないか、もういちど精査しなければだめだ。ゴルフ場ホテルが予定されている地域は名蔵アンパルの上部の地域になる。ここで地下水をかなり汲み上げることが予想されている。アンパルが乾いてしまう可能性はないのか。

 また、ゴルフ場の農薬の使用も相当量が予想される。食べ物を作るためではないから、農業利用とは違う強力な残留性のある除草剤が使われる可能性がある。そうなると下流地域の地下水汚染がどうなるか、きちっとした環境アセスがされていない。

 環境評価はおざなりのものにしか思えない。アンパルの自然環境を守るためにも地下水の新しい利用はもう止めるべき事だ。むしろ田んぼを増やして、地下水を増やして行くような考えを持たなければならない。

 石垣島の価値は自然環境である。ゴルフ場は高級ホテルではない。それは10年後100年後ますます、自然の価値が高まって行くはずである。富裕層住宅など無くとも、まして自衛隊基地など無いことの方が、石垣島の未来は明るい展望が持てるはずだ。

 すべては市長が本気で島の未来を考えているのでは無く、自らの私腹を肥やすために腹黒く動き回っている結果に見えて成らない。もちろん実態は何も知らない。知らないことではあるが、宮古島前市長の汚職を見ると、すべてが思い当たることなのだ。

 もし、後ろめたいことが無いというのであれば、堂々とすべてを議論し直せば良いだけの事だ。このまま何の議論もないのでは、石垣島の未来をだめにしたことで歴史に残る市長になるだろう。ゴルフ場は中止。自衛隊も中止。今ならまだ間に合う。心を入れ替えて貰いたいものだ。

 市長選は近づいている。まず市長を落選させなければすべてが始まらない。市長を支持する、利権派になんとしても勝たねばならない。

 - 石垣島