犬や猫の店頭販売やペットのネット販売禁止へ
フランスの話であるが、犬や猫の店頭販売やペットのネット販売が禁止になる。日本も一日も早くそうなってほしいものだ。動物を飼うと言うことの責任の問題である。普通の商品として生き物を扱ってはならない。ペットが捨てられたり、殺処分されたりしている現状ほど、非人道的なことはない。
先日動物愛護条例違反で逮捕された人がいた。コロナで海外旅行が出来なくなって、そのストレス解消で様々な動物を限界を超えて買ってしまったという。動物が被害者である。こんな人に動物を売ってしまうペットショップにも責任があるだろう。
販売したお店の人はこの人が動物を飼える人なのかどうか、分からなかったはずがない。この人に動物を売ると言うことは動物を虐待すると言うことなのだ。売るときに買う人の動物を飼える資格のある人かの認定をする義務がお店にはあるはずだ。
しかし、日本のペットショップでは売れれば後のことなど知っちゃ事無いという態度である。石垣島でもペットの販売チラシが入ることがある。こういうものには、飼う人の条件も同時に掲載する義務があるだろう。飼うスペースがあるのか。散歩は出来るのか。飼う責任者は決められているのか。ペットにかかる費用は大丈夫か。
先日、殺処分をしているところの人のお話を読んだ。一度殺処分を依頼した人から、電話があったそうなのだ。あわてていて、まだ殺処分されていないかと言うのだそうだ。やはり一度は殺処分を依頼したが、思いとどまってくれたとホッとした。
「まだですよ」と言うと。すぐ行きますというのだ。ああ良かった、考え直してくれたのだそうだ。殺処分をする仕事はつらい。これこそ非人道的な気持ちにさせられる仕事だ。飼い主さんには人間らしい気持ちが残っていてくれたのだ。
すぐやってきた人は「首輪を返してくれ」といったのだそうだ。フランスで飼った高い首輪をさせたまま、殺処分に出したので、あわててしまったというのだ。首輪を返してあげると、ああよかったと何もなかったごとく、犬に挨拶もなく帰って行ったそうだ。
こんな哀れなことがあるだろうか。こんな人間に動物を飼う資格はない。首輪という物の方が、犬という命よりも大切など考える人間になったらおしまいである。こんな人間には動物を飼う資格がない。こういう人が動物を飼えなくしなければない。
今の日本の犬や猫の飼い方は、不十分すぎる。猫は放し飼いにしてあげたほうが良い。世界中がそうだ。ところが日本では猫が放し飼いできる環境がない。それでもどうしても猫を放し飼いにしてあげたいのであれば、去勢手術や、ワクチンはした方が良い。
去勢もせずに放し飼いをしている人がいるから、不幸な猫が増えるばかりなのだ。去勢手術の費用が惜しいなら、猫を飼うのを諦めるべきだ。生き物を飼う、飼い主の基本条件を決めなければならない。不幸な猫や犬が増えないために、ペットショップの禁止。ネット販売の禁止はしなければならない。
ペットを売るためには基本の条件が必要である。ペットを飼うためには資格が必要である。命に対する重さを自覚できなければならない。かわいいからだけで動物を飼うと言うことは許されないことなのだ。売れれば後のことは責任をもたいペットショップは犯罪を生み出している。
それは金魚であれ、鈴虫であれ、少しも変わりはない。命を粗末に扱うと言うことは、自分の精神の大切な物を失うと言うことになる。ペットショップの経営者は、お金以外にも大切なものがあることを知らなければならない。
動物を命として認識できないような悪い環境で育つ子供は、命の大切さを知ることがない。自分の心の隙間を埋めるためだけにペットを飼うのは良くない事なのだ。ペットは人間として何が大切なのかを教えてくれる物だ。私はペットから随分と学んだ。生きると言うことの在り方を一番教えてくれたのが、私が飼った犬たちだ。
動物を飼うと言うことは自分が学ぶと言うことである。私は人間として生きる姿勢を犬から一番教えられた。もし粗末に犬を飼えば、それは自分という物を粗末にしていると言うことになる。犬はどれほど粗末にされても飼い主に対して忠実である。そのことに鈍感で居られると言うことはすべてに鈍感な人間になると言うことだ。
動物の生きる姿から、自分の生き方を学ぶと言うことが犬や猫を飼う重要な目的である。特に子供が成長の過程で動物から学ぶことは沢山ある。ただ可愛いから、自分が癒やされたいからと言って、犬や猫は飼わない方が良い。自分が癒やされ回復できると言うことは自分が本気で、動物と向かい合うという行為があってこそのことだ。
ただ可愛いから飼うと言うことでは、生き物を飼ったところで、人間として育つべき心がむしろ自分をむしばまれることに成る。みすぼらしいこころに成ってしまう。生き物を飼うと言うことはよほどの覚悟を持って行わなければ、自分という人間をひどい物にしてしまう原因になる。
特に小さい子供に動物を買い与えると言うことは、保護者はよほどの姿勢を持たなければならない。動物虐待のような飼育を親が子供に見せる
と言うことは、子供をダメに育てていることになる。実際にひどい動物の飼い方をしている家の子供のなかに、その兆候を感じる経験が何度かあった。
と言うことは、子供をダメに育てていることになる。実際にひどい動物の飼い方をしている家の子供のなかに、その兆候を感じる経験が何度かあった。
ひどい人間だから、ひどい飼い方をしていると言うこともあるが、ひどい飼い方をしている内に、大事な心の痛みをすり減らしてひどい人間になっていると言うことも充分に考えられる。特に成長期の子供が動物とのかかわりで受ける影響は大きなものがある。
子供の頃、犬の餌を忘れたことがある。その時父から、ご飯を食べさせてもらえなかった。犬がどんな気持ちだったのか考えてわかるまでは、ご飯を食べさせないと言われた。
夜遅く泣きながらエサをやると、犬は少しも私に対して何も怒らない。いつも通りに喜び勇んで餌を食べてくれた。あれほど後悔したことはない。悪いことをしたとつくづく情けなかった。それから二度と餌を忘れることはなかった。