日韓関係および日中関係改善の道
日韓および日中関係は悪い状態のままである。理由は韓国中国共に、日本より後れを取っていた時代を覆そうとしているからではないか。10年前までは、韓国も中国も日本より経済的に劣っていた。しかし、現在は中国は世界一に近づきつつある。そして、韓国も日本とほぼ並んび、追い抜いたものもある状態だ。
経済競争力に自信を持った両国は過去日本が経済優位だった時代の関係を払拭して、自分の意志を通そうとし始めたのだ。10年前までは日本が様々に手助けをするような、側面もあり、両国は不満はあったのだが、我慢していたのだろう。
今や日本の世話になどなる必要など全くなくなったと考えるようになった両国は、過去の不愉快な日本の上から目線関係を清算し、むしろ助けが欲しいのならば、下手に出たらどうですかというような姿勢に変わったのだ。ここがまだ日本政府も日本国民も、慣れていないところなのだと思う。
日本人は過去の世界第二位の経済大国であった時代の意識が続いている。中には脱亜入欧的意識を引きづった人さえいる。その意識は根底から捨てなければ、外交は始まらない。もう日本は貧しい方の国に入りかけている。経済を見る角度によって変わるのだが、日本はシンガポール、台湾、香港および中国、韓国の下に位置づけられる国になったのだ。
昔は良かったという家の人が貧乏になったときに、貧乏の自覚が出来ないで苦労するのは良くあることだ。逆に貧乏から金持ちになると、急に居丈高になり何でも通るようなつもりになりがちだ。それが、日・中・韓の3国の関係とみて、間違いが無い。
力を失った日本が未だえばっているのは、アメリカの虎の威を借りているからだ。アメリカに対しては這いつくばっての土下座外交になっていることすら見えない。アメリカに対しては言いたいことも何も言えない、借りてきた猫状態である。アジア人ヘイトに菅氏が抗議することがない。
今後ますますアメリカ依存を自民党政権は選択せざる得ないだろう。これが国粋主義的な自民党政権の、根本的な矛盾である。概ね日本の右翼すべてがこの矛盾の中にいる。中国韓国をどやしつけたいが、アメリカを抜きには何も言うことができないでいる。こんな国粋主義はあるだろうか。日本政府はアメリカ隷属主義である。
日本では何かと文政権の落ち度をあげつらっている。先日の選挙で負けてざまーみろ的な空気である。本当に見苦しい。日本はよその国にケチを付けているどころではないだろう。日本はこの先アジアの中でどこに行くのかも定まらない国なのだ。
コロナ対応でもアジアの中で明らかに後れを取っていた。ワクチンが出来ない。IT対応ができないでいる。検査態勢がいつまで経っても充実しない。病院の病床対応の改善は、全く進まない。それでも、まだゴーツートラベルと叫んでいる国だ。
先ずはアジア諸国と対等な外交関係を成立させることだ。台湾とは国交を結ぶ必要がある。アメリカは台湾との関係の見直しをしている。それは中国との対立関係があるからでもあるが、同時に自由と正義の問題もある。中国が台湾を併合する根拠はすでに無い。
独立は台湾が選択することであり、武力的に中国が併合して良い理由など全くない。確かに蒋介石政府が台湾に逃げて、中華民国となった。毛沢東共産党が中国で独立を勝ち取った。そして、中国本土が国力を増すに従い、中華人民共和国を承認する国家が増えた。
そして、台湾は中華民国から台湾となり、承認する国は10数カ国まで減少した。しかし、台湾はすばらしい台湾としての文化と国家を成立させている。中国よりも民主主義的に見事な国家を作った。今は充分に独立国としての内容の伴う国となった。中国が過去の歴史から、蒋介石政府を一掃するという発想はもう無理になっている。
日本が中国を承認して日中平和条約を締結するために、台湾との関係を断絶したことは、止むえない側面はあったと思う。世界平和のためには充分その時代としては必要なことだったと思う。しかし、それからもう50年も経過した今となっては台湾を一つの国として考えた方が良くなっている。
それは東アジア各国も同様である。良い外交関係を構築して行く努力が一番必要な国々である。そのためには日本が過去の戦争を反省を繰返し示す必要があるのだろう。韓国で分かるように、過去の恨みは晴らされたわけではない。
東アジアの一員として日本がやっていくと言う対等な関係を構築して、初めて中国、韓国との関係が見えてくるはずだ。一番の国でなくて良い。当たり前に暮らせる国になる条件は日本にはある。豊かな国土を充分に活用して、良い国作りをして行けば良いのだと思う。